On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-12-09 13:56:12
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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実際に、岸田総理の「防衛増税」に真正面から反対して発言しました







▼総理が突如、天から降らせるように、すなわち議院内閣制において本質的に不可欠な与党との議論無くして、「防衛費が1兆円足りなくなるので、5年後に増税だ」と仰ったことに対して、自由民主党の政調全体会議がたった今、12月9日金曜の午後1時半から、開かれています。

 ご覧のように出席議員は非常に多く、しかも怒号が烈しく飛び交う会議になっています。
 果たして無事に、司会者に当てられるかもやや懸念していましたが、会議のほぼ冒頭に発言できました。
 しかし、そのあとに山のように議員が居て、そのすべての議員の背後に主権者・国民のみなさんがいらっしゃるので、おのれの言いたいことをすべて言おうとするのでは無く、発言内容をごく絞って、しかしあくまでも明快に述べました。

▼なるべく言葉の通りに以下に再現します。

「参議院の青山繁晴です。
 まず、国防を、受益者負担の観点で考えることが根本的に間違いです」

( ここで発言を遮ろうとする声あり )

「わたしの発言の途中です。遮らないでいただきたい。
 国家の根幹の任務は、国民を護ることにあります。受益者が負担するということではありません。

 また、総理と財務省は『安定財源が必要』と強調しましたが、安定的な財源というとすぐに、国民の懐を考えることも、大きな間違いです。

 総理と財務省によれば、防衛費で足りなくなるのは1兆円だそうです。その財源は、国民の苦しい懐に手を突っ込まずとも、充分に用意できます。複数の選択肢が現にあります。
 例えばひとつには、日本は諸外国に無い国債のルール、すなわち『60年で償還する』というルールを見直せば、総額では16兆円に及ぶ債務償還費からも、1兆円は充分に出てきます。
 また、防衛国債も発行することによって、国民に防衛にはいくらお金が掛かるかという認識を深めることにもなりますし、国内で円建て国債の1兆円の発行にどんな問題があるでしょうか。

 議院内閣制に基づいて、税金のあり方を詰めて議論するために、いま毎日、党税調とマルバツ会議 ( ※ あとで説明 ) で税を削り込み、国民の生活を護り、零細企業・中小企業の経営を立て直し、物価高に抗して景気を良くするために、会議に参加する議員それぞれが苦労しているのに、まるで天から降らせるかのように、総理の突然の発言で単年度1兆円もの法人税増税が決まってしまうなら、いったい何のための日々の努力でしょうか。
 自由民主党の議員は、中から、総理の発言に反対すべきです」

▼前述の通り、あとの議員の発言時間を確保するために、短めにここで発言を終えました。
 すると凄まじい拍手と「賛成っ」、「そうだ」、「その通り」という声に包まれました。

 ただし !
 違う意見の議員も居ます。多数派ではありませんが、居ます。
 それだからこそ、議論を重ねねばなりませぬ。
 その議論抜きで、総理が天から降らせるように「指示」なさることは、日本の議院内閣制のまつりごと ( 政 ) ではありませぬ。

【マルバツ会議とは何か】

▼わたしのささやかな使命のひとつは、これまでさっぱり主権者・国民のみなさんに理解されていない、国会議員の日々の仕事を、ありのままに主権者・国民に伝えることです。

 したがって、自由民主党の任務のひとつとして、毎年この時期に、来年の税制をどのように改革するかという会議が行われていることも、このブログで何度かお話ししました。
 経済産業部会の勉強会などを通じて「税をどうするか」という議論を日々重ねていって、最後に来るのが「マルバツ会議」です。
 ほんとうは、このエントリーですでに具体的に説明しています。

 いわゆる党税調、自由民主党税制調査会が、数多い、税をめぐる改革案すべてについて、○=やる、△=検討する、×=やらないという提案をして、それに対して、自由参加の議員が意見を表明し、その意見を聴いたうえで党税調の首脳陣が判定をします。
 議員の意見によって、×が○になったり、×が△になったり、いろいろあります。

このエントリーから、引用~、

 令和5年度の税制改正で、消費税については ( 1 ) 更生緊急保護の医療には非課税にするかどうか ( 2 ) 日米宇宙協定の物品輸入については配慮するかどうか ( 3 ) 認可外保育施設の利用料は非課税にするかどうか ( 4 ) インボイス導入の影響を受ける中小・小規模事業者への負担軽減をやるかどうかーーこの4点がテーマに上がっています。

~引用ここまで~



▼マルバツ会議も、何度も重ねます。
 写真は、きのう12月8日木曜のマルバツです。
 わたしは「クルマの走行課税という増税を決してやるな」という主張などの発言をいたしました。



 
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