2023-01-18 13:56:42
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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国家憲兵隊GIGN 余話 ( その4 ) ※ファーストネームを追加しました
▼強烈に寒い雨の中、思わず足を止めました。
国家憲兵隊の突入部隊、その現場司令官の話によると、隊員の適性をはかるために、あの塔の右に突き出た細く、高いところへ立たせるのだそうです。
えーっ。
足を滑らせたらどうするのか。
そのときに、腕でつかまる能力も試すのです。
しかし半歩間違えば、死に直結します。
勇気、高さと恐怖を克服する意思の力、バランスに長けた身体能力、危機に瀕したときにおのれの身体を救う筋力・・・たしかに、多様に試されます。
▼こうしたことを平然と話す、ナイスガイの現場司令官と、落ち着いて時間を取り、議論もしました。
彼は英語を話しませんが、熱弁をふるってくれて、こゝろが通じ合いました。
▼このシリーズの最後に、もう一度、この写真を見てください。
フランスの防衛駐在官 ( 国際社会では駐在武官 ) 、佐藤匠・海上自衛隊二等海佐 ( 同じく海軍中佐 ) の飛び抜けた長身が、わずかに写っています。
彼は謙虚な武人で、写真に入ろうとしません。
防大ではなく一般大卒で、パリへの2度目の着任をして奮闘しています。
▼この二等海佐 ( 中佐 ) がなんと、ぼくの新しい小説「夜想交叉路」の感想と、彼なりの解説を、熱心に語ってくれたのです。
パリからGIGNの拠点への長い車中でのことでした。
彼は、「ぼくらの祖国をはじめノンフィクションの作家で、安全保障の本物の専門家である青山さんと同一人物が、この小説を書いたとは、信じられない心境です」と語り、彼の人生を変えるような物語であるような気持ち、あくまでぼくの受け止め方ですが、それを理路整然と、しかし静かに熱く話してくれました。
「夜想交叉路」は、紀伊國屋書店のネット出店 ( ここ ) に、すこし前に150冊以上も並びました。
果たしてどこまで読まれるかと心配していたら、なんといきなり、残り14冊になっています。
おそらくは、一気にたくさん入手してくださったかたも、いらっしゃるのでしょう。
急いで編集者にパリから連絡しましたが、補充に数日かかるそうです。
残念ながら、これもぼくのパターンです。
大きくて強い出版社を選んだりしません。編集者とのご縁を大切にするだけですから、いつも、読まれ始めたら、補充が追いつかず、機を逸してしまいます。
今回もそうなるリスクは大きいです。
それでもみなさん、もの凄く、腹の底から、勇気づけられています。
佐藤中佐にも、勇気づけられました。
信じがたいことに、またしても身体に無茶苦茶な鞭を打ったまま休みなく、長い移動をすることになりました。
何の荷物の用意もできていないのに、もう出発まで時間がありません。
しかし、みなさんのおかげで意気軒昂です。
だから、現況をお伝えしないわけにいかないのです。
東京コンフィデンシャル・レポート ( TCR ) の会員のみなさん、今週中にはレポート次号をお届けします。
お待たせして、申し訳ない気持ちでいっぱいです。