On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-06-17 10:11:08
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【最新の動画情報を書き加えました】  LGBT法案の採決★実録その2  きょう6月17日土曜は近畿大学の特別講義で大阪入りしています


( 退席し、次の刑法改正法案の採決までに席に戻る、その間のわずかな時間です。
 わたしに対しては、こうやって大々的に取材があっても、そのあと報道されない、テレビに映さない、新聞にも書かないということが、一部を除いて、日常的にあります。
 現場の記者ではなく上の判断だということが、18年9か月の記者経験からして、ありありと分かっています。
 青山繁晴という国会議員はこの世にいないことにされて、もう7年です )

~実録その1 ( これです ) からの続き~

▼参議院の本会議場は、天皇陛下の御席 ( ふだんは緞帳で閉じられています ) 、それから議長席に向かって、議員席が扇状に広がっています。
 席について名札を立てます。
 隣席の同期議員の名札は寝かされたままです。武漢熱に感染したそうです。いま国会議員は感染者が増えています。
 続々と席に着いていく自由民主党の議員の中には、LGBT法案をめぐるわたしの行動に同調したいと言ってこられた議員もいます。

 衆議院も合わせると、全体では17人ほど居たと思います。
 衆参とも、採決が近づくにつれ、減りました。
「後援会長に説得されました」「支援団体にやめてくれと言われました」「派閥の幹部に言われてしまって」「地元に反対されました」などなど、すべて予想通りです。
 なかには、この本会議場に入ってから「無念ですが ( LGBT法案に ) 賛成します」と、わたしに告げた議員もいます。

▼不肖わたしは、後援会を作りませんから、後援会長もいません。団体の支援は宗教団体でも業界団体でもすべてお断りしています。派閥あるいは派閥に類したグループには一切、所属しません。
 票田となる地元も作りません。参議院の全国比例の議員でもふつう、地元を作ります。あてになる票の塊が欲しいからです。しかしわたしは、公示にならないと選挙活動をしないので、地元も作っていません。
 だから、他の議員に生じる説得、圧力はありません。

 まさしくこういう時のためにも、献金やパーティ券の売り上げがゼロ、支援もゼロで財政をはじめさまざまに苦しくても、ささやかなサンプルとして、新しい議員の生き方を続けているのです。

▼あったのは、自由民主党の首脳陣からの説得、冷静で静かな怒りだけです。
 わたしは、正しい手順として事前に党の首脳陣のおひとりに「退席します」と告げました。
「LGBT法案に反対なので、賛成の起立はしません。しかし座ったままだと、立憲、共産と同じ行動になります。それは決してしないので、退席します」

 参議院では、武漢熱が始まってからボタン式の投票ができなくなり、起立投票です。議長が「賛成の方の起立を求めます」と発声なさると、賛成なら立つ、反対なら座ったままです。座っていると自動的に、立憲、共産の反対と同じにカウントされます。

▼党首脳陣のおひとりは、「 ( LGBT法案は ) 修正によって懸念が殆ど払拭されているのに、なぜ反対するのですか。修正の努力を無にするのですか」と仰いました。
 わたしは「修正されても懸念は払拭されていません。さらに、肝心な部分を英語で表現するという新しい問題がむしろ生じています」と指摘しました。淡々と、そう申しました。
 すると「党で正式に決まった方針に反対するのは大変なことですよ」と仰り、眼に力を込めて、じっとこちらの眼を覗き込んでこられました。
 党則にあるとおり処分が来るぞ、将来が無くなるぞ、そういう意味です。
「よく分かっています」
 わたしは淡々と、そのように答えました。

 そして「同じ行動をとる議員が出ても、できれば、処分はわたしだけにしてください。今回、わたしは多数派工作など一切、していません。同調者があっても、それはその議員の自律した意志です。そうなのですが、処分なさるなら、わたしだけでお願いします」と申しました。
 これに返事はありませんでした。じっと考え込んでおられました。

▼本会議場の自席で、それをすこし思い出していました。
 前述の17人がゼロに近づいていくなかで、ただひとり、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の一員の和田政宗参議院議員だけが、同じ行動をとられると知っていました。
 和田さんも、まったくご本人の自律した意志で覚悟を決められ、行動されます。
 和田さん、大したものです。
 後援会も後援会長も支援団体もあり、菅グループに属してもおられます。そのなかでの固い決意です。
 和田さんは、わたしの斜め後ろの席です。だから、表情はみえません。
 議場では、他の法案の審議が始まりました。着々と進行し、わたしは賛成できる法案には起立して、賛成の意思を示していきます。
 次第に、LGBT法案の採決が近づいてきました。

( 実録その3に続く )

★「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」(ここです)の最新分をゆうべ、アップしています。
 陸上自衛隊で起きたショッキングな射殺事件について考えています。これです。
 LGBT法案の採決で取った行動について、まず30秒台のショート動画で話しています。ここにあります。




 
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