On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-12-11 05:05:20
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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ジミントウの乱が進行するさなか、総裁選に立候補宣言しているさなか、文学書を世に問う意味とはなにか



▼みなさん、これはどういう人たちだと思いますか ?
 もしも一発回答をした人が居たら、それは、凄い。

 これは『外交官になることが決まっている学生たち』、それもイラン・イスラーム共和国から来日されたかたがたです。
 その近未来外交官たちと日本の国会議員が議論する場が、国会内にセットされて出席要請があり、わたしはいったん「できるだけ参加します」と秘書さんを通じて回答しました。
 ところが参加が不可能になって、それを秘書さんに連絡したら「参加する議員がふたりしか居ないので、なんとか参加して欲しいという ( 日本国外務省からの ) 要請です」ということなのです。
 そこで、無理を押して参加しました。



▼司会役を丁寧に務めてくださった黄川田仁志 ( きかわだ・ひとし ) 代議士とわたしで、左右のイラン近未来外交官のみなさんと向かい合っています。
 途中から、護る会  ( 日本の尊厳と国益を護る会 )  メンバーの櫻田義孝・元大臣も合流されました。



▼外交官になる人たちなので、全員、いくらか差はあっても国際共通語 ( 英語 ) ができました。
 おかげで、直に、議論することができました。
 議論の中心は、ガザです。
 ハマースをイランが実質的に支援しているからです。
 当然、日本の視点とは鋭く対立する視点の主張や、激した問い詰め口調も、近未来外交官からありました。

 わたしは、粘り強く、しかし一歩も譲らず、ふだん申しているとおりに一致点を探して、対話し続けました。
 冒頭の写真は、所定の時間を大きく超えて、議論が盛りあがり、そしてすべてが終わった後です。
 たとえばわたしの左の女性、近未来外交官の清々 ( すがすが ) しい笑顔をみてください。

 日本女子だけじゃなく、がんばれイラン女性。

▼会が終わり、わたしが次の、絶対に遅れることのできない公務日程に大急ぎで向かっている時、うしろからイランのベテラン外交官が追いすがってこられました。
 英語で「感激しました。あなたの姿勢に感動しました。これからもよろしくお願いします」と仰いました。

▼こうしたことは、わたしの言う「五観」のうち、主として人間観に基づく行動です。
 国家観、歴史観にも基づいていますが、人間観が欠けていても、わたしの行動ぶりは違っているし、そもそも、やはりこの会に参加していなかったでしょう。

 わたしは、物語・小説をプロフェッショナルな仕事として書きつつ、みずからの人間観を鍛えています。
 五観のなかで、実はもっとも困難な道が、人間観への道なのです。

 どんなに公務や、まつりごと ( 政 ) が忙しくても、神経がすり減っても・・・すり減らないですが、たとえば小説『わたしは灰猫』のなかの咲音のこれからを頭の一隅で考えています。

 その結果、生まれたのが、咲音と灰猫さんと少年運転士のその後を描いた『そして、灰猫とわたし』です。
 それに合わせて、元の『わたしは灰猫』に手を入れて、ひとつの文庫本にしたのが、これです。






 
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