On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-12-20 05:08:52
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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真っ暗な午前4時半ごろに羽田空港へ戻ってきました  自宅には帰れません  入国しないまま乗り継ぎの国際線に乗ります



▼おととい羽田から10時間でロスに着き、そこから車でアメリカ西海岸を3時間以上走り続けて、ちいさな街の清潔で簡素なホテルに入りました。
 そこのレストランで、米国側の当局者と会い、すぐに議論と懇談です。充実した夜でした。

 終わって仮眠し、午前3時40分ぐらいに目覚め、ホテルの朝食がまだ始まらない早朝に出発、重要なインフラストラクチャ ( 社会の基盤になる施設 ) へ向かいました。
 想定より遙かに時間がかかり、やっと正門ゲートに着くと、そこから施設の中心部までが海沿いになんと山また山、幾つ山を越えても何も見えてこない。
 世界のインフラを視てきましたが、こんな経験初めてです。
 アメリカの国土、どこまで広いのか。
 日本はもちろん、欧州でもこんなことは無いですね。

▼この施設は、自前の消防隊と警備隊を完備しています。
 最初に警備隊が、訓練に実質的に参加されてくれました。
 レーザーの模擬ライフルと、実弾を使ったライフルによる侵入者の狙撃訓練です。
 もちろん正式な許可が出ています。

 わたしはすでに経験がありますが、連携して同行した、独立総合研究所の研究員と、米国に駐在する日本の行政官 ( キャリア官僚 ) はまったくの初体験。
 一種の衝撃体験でもあったでしょうが、貴重な経験になったと思います。

▼その後、施設を克明に見て回り、どんどん活発に質疑を重ねました。
 写真は、長い一日の最後の議論です。
 通訳が入りませんから、話はダイレクトで、盛りあがります。
 相手の懐にすぐに入ってしまうのが、ありのままのわたしですから、「上院議員 ( 日本の参議院議員 ) の来訪だ」と最初はやや緊張されていた米国側も、アメリカ人らしく、たいへんに打ち解けてくれました。

 客観的に、日本の国民益と国益のために、実りがとても多いと考えます。
 また同盟国であるアメリカ側にとっても、安全保障と危機管理のために、たぶん彼らの想定以上の情報があったと考えてもいます。
 情報と事柄の性質上、無条件の公開情報で外国の工作員も確実に見ているこのブログでは、申し訳ないですが、具体的に記すことができません。

▼きのう夕刻にこの重要施設を出発しました。
 山道とは思えない深刻な渋滞がなんども襲ってきて、深夜にロスを出発するフライトなのに、一時期はひょっとして遅れるのかと思うほど、狭い車内で長い時間に耐えました。

 しかし経験豊富な運転手さんの機転で、かなり道をショートカット、ロス市内に入ってから3人で短く夕食を食べることができました。
 何せフライトは、日付が変わってからの出発ですからお腹が空いちゃいます。
 おかげで、大谷サン・フィーバーと日本ブームに沸くロスの雰囲気を、ほんのわずかながら感じることができました。
 地道な、そしておそらくは凄絶なほどの努力を重ねてこられたであろう大谷選手、日本のイメージアップにも、どれほど自然に貢献されているでしょうか。
 大感謝ですね。

▼帰りのフライトは向かい風のため12時間かかるはずが、風が弱かったのか、かなり早く着いて、ちょうど街がいちばん暗い時間のせいか機内から日本の明かりはほとんど見えませんでした。
 ちょい残念。
 羽田空港でじーっと時間調整をしてから、再び、国際線に乗り韓国へ向かいます。
 かつて民間の専門家時代に、韓国の重要社会インフラにおける北朝鮮対策を、軍の金泰榮将軍の身元保証によって深く把握しました。
 それが今はどうなっているか、機密を厳格に守りつつ、現実を知って安全保障に役立てるために訪れます。

▼今回も、同行している独立総合研究所の女性研究員が、逞しく、明るく、機敏で、利発で、ほんとうに役に立ってくれています。
 米国西海岸で連携した行政官も、彼のオリジナルの省庁では珍しく、実用的な英語がちゃんとできて、そして日本国の官僚らしく仕事がきちんとしていて、かつ明朗で、連携しやすかったです。

 運転手さんの上述の機転も素晴らしかった。
 ちなみに、かつてのわたしは世界をひとりで回り、レンタカーを運転していました。
 下手くそなりにレーシングライバーであるためだと思いますがハンドルが左でも右でも、通行が右側でも左側でも、苦労なく眼と頭と身体が即応します。
 一度、スイスのレンタカー屋さんで、「日本人には貸さない。右ハンドル、左通行でしか運転できなくて、深刻な事故になる」と言われたので、レーシングライセンスを見せると即、貸してくれました。
 ヨーロッパでは、モータースポーツの社会的認知度がとても高いからです。

 ポーランドで、かつてヒットラーの戦車隊が怒濤の電撃作戦で侵入してきた広大な草原の道をフォードで疾駆したり、スウェーデンで、白夜の沈まない太陽を右に見ながら、スカンジナビア半島の奥へ奥へ、サーブで疾走したり、それは愉しかったです。
 いまは国会議員になってしまい、中央省庁の知己からも「海外でのレンタカーの運転は、青山さんであっても、絶対にやめてください」と懇請されているので、やむを得ません、ひと頼みです。
 レーシングドライバーは、わたしのように下手くそでも、車が動き出してわずかな時間で、そのドライバーの癖や、車が実は滑っているのにカウンターステアを当てる気配が無いことなどが、身体に伝わってきます。
 しかし、ひとさまに預けた以上は、何の文句も無く、その人に預けきっています。

▼思いがけず、車の話にもなりましたが、ふたたび、行ってきます。
 海外出張中は、いくらなんでも「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の収録はできません。
 しかしそれに備えて撮りためた分はアップできます。

 最新分は、中国の習近平主席が、中国経済の崩壊現象に苦しんで、新たな経済侵略を仕掛けているという事実を、ここで述べています。
 あさっては、「わたしは灰猫 そして、灰猫とわたし」という文庫本が発刊日を迎えます。
 登場人物のその後を、本篇とは対照的な手法をあえて用いて、渾身の思いで記しました。
 原稿を読んだ編集者からは「全身に鳥肌が立ちました」という感想が送られてきました。
 発刊前に重版となり、びっくり。その予約は、たとえばここです。







 
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