On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-02-20 00:10:04
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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超党派の現場調査です  こういうのも国会議員はあまり具体的に主権者のみなさんに知らせていないのかも・・・なので記しておきます



▼さっき昨日になってしまった2月19日の月曜は、参議院の経済産業委員会から公式に派遣されて、大阪に入りました。
 土曜は、大阪の近大で特別講義、その夜は大阪に泊まって、日曜は、京都で独立講演会 ( 東京開催の来月はここ ) でした。だからそのまま関西に泊まれば合理的なわけですね。しかし、いったん東京の仕事部屋に戻りたかったのです。

 その大阪では、自由民主党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党、日本共産党、無所属の9人の議員と委員長の合計10人の議員で、まず、関西万博の建設と運営にあたる首脳・幹部陣と議論し、次に関西万博の建設現場を見ました。

▼写真は、関西万博の象徴と言うべき『リング』、すなわち諸国のパビリオンを取り囲む環状建築です。



▼わたしは上記の議論において、厳しい意見を申しました。
 国民・主権者から委託された現場調査ですから、曖昧なことはできませぬ。
 以下の3点です。

( 1 ) 万博は19世紀に始まりました。第1回の開催は、ペリー来航の2年前、日本が初参加したのは、明治維新が成る前年というのが通説です。
 その意義は、交通と通信の未発達により、見ることのできない世界を、いわば一堂において見ることでした。
 それは大阪の最初の万博であった西暦1970年の大阪万博でも基本的には変わっていません。まだまだ海外渡航は多くは無かったし、インターネットも無かった。だから万博で世界を見る意義は依然、大きかった。
 ところが現在では、世界も、世界と日本の未来も、ヴァーチャルで見ることができる。
 その新しい世界で、巨額を投じて万博をやる意義を、日本国民に果たして浸透できていますか。

( 2 ) 関西万博の目玉のひとつは、空飛ぶ自動車とされています。
 いま具体的な計画を見ると、4社が飛ばす可能性が明示されています。
 機体そのものは安全性が仮に確保されるにしても、万博敷地内で飛行が交差して、安全が確保されるのでしょうか。もしもの衝突や接触が起きれば、悲惨な情況もあり得ます。
 最低限、異種の「空飛ぶ自動車」が交差するリスクを減らすために、1社に絞ってはどうでしょうか。

( 3 ) 地球は20年前のスマトラ島沖地震 ( ・・・のうちの最も大きな西暦2004年の地震 ) から活動期に入っているとみられています。
 能登半島地震もその一環という見方があります。
 南海地震、東南海地震が起きた時の津波対策は果たして充分でしょうか。
 会場の防潮堤はどんな構造、高さでしょうか。
 わたしは経済記者の時代に、関西国際空港の危うさを、初代の関空社長に問い、答えはありませでした。しかし関空はやがて、指摘したとおりに大阪湾の波によって一時期、運用できない非常事態が起きました。
 関西万博は、大阪湾の波について備えています。それは充分でしょうか。甘さはないでしょうか。

 いずれも誠実な回答がありました。頷ける点も、幾つかありました。 ( 回答は公開を前提とはしていませんでしたから、ここで直接引用はしません )
 ただわたしは、懸念の解消には至りませんでした。

 一般的に大問題となっている費用の増加や、工期の遅れについては、他の議員から質問がありました。
 回答ぶりは、これまで公表されている答えと基本的に同じです。



▼日本伝統の工法がきちんと継承されています。
 美しく逞しい構造が、リングを支えています。
 これがより良く生きる関西万博となってほしいです。



▼超党派で動くことは、意味があります。
 わたしは、いつもとおなじく、国会内とおなじく、党派を問わず、こゝろを開いてお話をしました。
 くだらないユーモアも込めつつ・・・。対立点が多い党派間の ( 下手な ) 潤滑油のつもりです。



▼そのあと、大阪ガスの優れた先進技術、メタネーションの実験現場に臨みました。
 メタネーションとは、触媒を介して二酸化炭素と水素を反応させ都市ガスの主成分であるメタンを、合成メタンとして生成する技術です。
( 写真の撮影と公開については、いずれも大阪ガスの許可を得ています )

 ここでも、あえて厳しく問いました。
 技術的にはかなりのレベルまで来ているのに、社会実装については極めて慎重な目標となっているので、その理由を問いました。『ほんとうの理由は間違いなくコストでしょう』という含みです。
 回答は、極めて誠実でした。ここでも具体的な言葉は紹介しません。
 新しい資源エネルギーについては、いつでも何でも、コスト、つまりエネルギー収支比率 ( EPR ) が最後の勝負どころです。

 今後、大規模な実験施設をつくり、その結果が上手くいけば、関西万博にその施設を移動してエネルギー源とする計画だそうです。
 日本の民間企業の心意気と努力をありありと感じました。

▼このあと、全員で、名古屋に向かいました。
 移動している間に、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」 ( ここ、数十秒で完結のショートはここ ) の最新放送が今夜もアップとなりました。

 ネット上の空想の脅威のように言う人もいる電磁パルス攻撃が、現実の脅威であり、そのための備えがようやく始まったことについて、初めて話しています。これです。

▼いま名古屋のちいさなホテルです。
 今日2月20日火曜の朝も、早くから、超党派で現場調査に向かいます。
 できれば、朝ご飯をちゃんと食べたいです。わは。





 
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