On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-08-06 11:17:24
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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今、キンシャサの午前3時台からもう4時14分になりました ( この上のブログの日付はいつも日本時間です )  不可解な現象のなかで仕事をしています  アフリカの同じにんげんの現実と近未来に日本国が正しくかかわるために



▼アフリカ有数の大都市キンシャサ・・・コンゴ民主共和国の首都のたった今の現実です。
 行っても行っても、大量のゴミが打ち捨てられています。
 暑熱とゴミに埋もれるように路上で暮らす、わたしたちと同じ人間のそのうつろな目に、ぼくは胸を突かれました。
 ただし、このおふたりは、おそらくは廃品も活かして直射日光を避ける工夫もされています。
 なんとか逞しく生きようという意思も、同時に感じます。



▼路上生活者はアフリカだけじゃ無い。経済大国になったはずのインドでも見ます。世界中で見ます。
 インドでは、路上で生まれ、路上で育ち、路上で子供を産み、路上で死ぬ人たちも繰り返し目撃し、ヒンディ語だけではなく英語も公用語のインドですから、英語で懸命に話しかけたこともありました。
 答えはありませんでした。しかしふだん、話し掛けられることも無い人々ですから、ぼくの目をじっと見ました。

 一方で、このコンゴ民主共和国はそう遠くないうちに、人口が4億人を超えて、インドや中国に続く人口大国になるそうです。
 その活気が兆していることも感じます。

▼きのうの昼間に訪れたコンゴ民主共和国の政府の建物に、「中国が造った」という大々的なプレートが、これ見よがしに掲げてあります。それも幾つもの政府ビルです。
 写真は、気分が悪いので撮りませんでした。
「中国が食べるアフリカ」という、造語というか何というか、新しい言葉がぼくの頭に浮かんでいます。

▼コンゴ民主共和国の要人は、女性首相、女性の外務副大臣、いずれも印象深い方々でした。
 首相には、「ちょっと通例ではないことを申してよろしいですか」と外交当局に確認してから、「エレガントな知性をお持ちですね」と申しあげました。
 あとで日本の外交官が「嬉しそうになさっていましたね」と言っていました。
 もちろん社交辞令などではありませぬ。

▼成田をエチオピア航空機で飛び立ってから、実に23時間を要してこのキンサシャに着きました。
 南アとザンビアに、参議院の政府開発援助 ( ODA ) 沖縄・北方特別委員会の派遣でODA調査に行った時は、往復で合計4日かかりましたから、まだマシです。

 マシなのですが、ほかの議員の方々に無いことがふたつありました。

 ひとつ。9月5日に発刊の「反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理」 ( 扶桑社 ) の、大部の再校ゲラの直しです。
 特に、初稿を書いた時にいったん捨てた膨大な原稿をもう一度読み直して、ごく一部だけでも採り入れられないか模索しています。

 もうひとつ。総裁選に関して月刊Hanadaからアンケート調査が来ました。
 ふだんはまったく、ぼくの出馬を、言論の自由に基づいて無視なさっている月刊Hanadaですが、このアンケートの15問に丁寧に答えるために、字数制限も完璧に守って、推敲を重ねて書き上げました。

 このふたつのために、長いフライト時間、長いトランジットの待ち時間をほぼすべて費やしました。
 つまり、ほとんど眠れなかったのです。
 今回も強烈な強行軍ですから、ホテルのチェックインも無く、空港の人目もあるなかをやむを得ず急ぎスーツに着替えて、コンゴ民主共和国の内務省、外務省、そして首相官邸を訪ねたのです。
 ぼくは正直タフです。
 しかし、ふだんの睡眠レスに加えてこの打撃で、さすがに、夜日程 ( 日本大使公邸でコンゴ民主共和国の知日派のかたがたと懇談 ) では、内実は、クタバッテイル状態でありました。

▼そのあとやっとホテルの部屋で、荷物整理です。
 ところが、変圧器を噛まして必要な電気製品のセットをすると、その変圧器から人間の呼吸そっくりの異音がするのです。
 幽霊さんにしては、変わった幽霊ですね。
 ずーっと、何時間もその大きな異音がしているのですが、まるで狭い部屋の中で知らない人がもうひとり、かなり烈しい寝息を立てて寝ているみたいです。
 これ、ふつうの神経の人だと、部屋の外へ飛び出すかも。
 サブサハラのアフリカで、こんな未明に部屋の外へ出るのは、自殺行為に近いですけど、ね。
 わはは。

 パソコンの変圧器内蔵の電源からも、異常なじりじり音です。
 だから、アフリカの電圧が不安定なことと関係があるのかも知れませんね。

 ま、とにかく、世界には何でもありです。
 同道していた米兵が次々に無残に死んだイラク戦争、パレスティナの憎悪に満ちた武力衝突、薪を割っていたナタで隣家の家人を殺し合う旧ユーゴの内戦、それらの現場体験と比べれば、謎の寝息では、まぁ死にはしないでしょう。

 こうしたなかでも、撮りだめしておいた「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の無償発信を、掛け値なく主権者の利益のために ( 動画のスポンサー料は受け取っておりませぬ ) 、続けています。
 今夜は、これです。阿部詩選手を支持する、です。スポーツには、国の未来があらわれます。

 二十歳の学生インターンがぼくに問うて迫るショート動画は、何と新機軸です。
 クイズというか、一種のアキネイターへのトライというか、これを見てみてください。
 増野優斗くん、創意工夫のひとです。

・・・それにしても、どう聞いても、人の寝息です。
 変圧器に耳をどれだけ近づけても、機械音に聞こえない。
 この変圧器、世界中で使っていますが、こんなことはもちろん初めてです。
 うはは。

 さ、今朝も早くから強行日程の続きです。
 コンゴ民主共和国の要所を訪ねたあと、広大なコンゴ川を渡り、もうひとつのコンゴ、コンゴ共和国へ向かいます。
 みなさんは、すこしでも涼しくしてください。
 少なくないかたがたは、もうすぐお盆休み、もう一息です。




 
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