On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-09-24 01:25:01
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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日本がんじがらめ党 総裁選  【番外】  2週間の命、というわけじゃない




▼2年のあいだ苦しみ抜いて書きあげた本が、2週間は読まれました。
 読んでくださったみなさんに、こころから感謝を申します。

 写真は、国会議員になる前年、議員になるとは夢にも思っていなかった時のサイン会です。
 国会議員になると、書店によっては、出版社からサイン会を打診しても断られます。政治宣伝になるのを警戒されるのでしょうか。
 わたしは、生まれながらの物書きです。本を読んでくださる読者にサインする場を、政治宣伝に使うはずもありません。
 しかしこれが現実です。

 国会議員になるまえ、出した本が2週間だけ読まれるということは、一度もありませんでした。
 写真のサイン会で、こころを込めてサインをして少女にお渡ししているのは、『ぼくらの祖国』ですね。
 この時は実は、『ぼくらの祖国』のサイン会ではありません。別の本・・・当時の新刊のサイン会でした。しかし少女が持ってこられたのは、『ぼくらの祖国』でした。
 もちろん、自著のなかの1冊であれば、喜んでサインいたします。
 この『ぼくらの祖国』は、22刷を記録しました。
 2週間で22刷になったりはしません。わはは。

『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』は、安倍晋三元総理の暗殺の翌日、そしてわたしの二度目の参院選挙の最終日でもありました西暦2022年7月9日の深夜に、「おまえは、物書きじゃないか」とおのれを叱りつけ、励まして、起稿しました。

 そこから先、公務を絶対最優先とするなか、原稿をいつ書けるのか。
 真夜中から夜明けまで、といっても3時間ぐらいしかありません。
 それから、2分とか長くて5分とかの、ほんとうにわずなかスキマ時間の積み重ね、たとえば議論相手がお手洗いに立った時間しか無いという笑える情況なのは、いつものことです。

 おのれが苦吟して、行き詰まって、いったん投げ出しては、深い泥のなかから言葉をもう一度、拾い出してくるような苦しい執筆も、実は、いつものことです。

 しかし、この本だけは桁が違いました。
 淡交の友の暗殺へ、最後は行き着く本など、簡単に書けるはずもありません。

▼なぜ、どうにか書き上げられたか。
 それは、暗殺事件のその先へ行く決心が、真の意味で、ついたからです。

▼2週間だけ読まれたのは、わたしが総裁選の本選に加われず、誰もその名を聞かなくなったことが影響しているでしょう。
 すなわち、推薦人を集めきれなかった敗北と同様、すべてわたしの責任であり、わたしのせいです。当たり前ですね。

 しかし本勝負はこれからです。
『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』の、日本政治史のこれまでにない断面を永遠に記録した、ノンフィクション文学としての生命も、これからほんとうに発揮されるのではないかと感じています。
 このたびの総裁選の騒擾 ( そうじょう ) を離れてこそ、静かに読まれるときが来ると、考えるからです。

 日本人のこころの木陰で読まれる時が来ると、発刊から2週のあいだに読んでくださった先駆的な読者も、そう思われませんか ?





 
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