On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-10-08 23:05:58
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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客観視を心がけつつ丁寧に考えたうえで、事実とあまりにも食い違うことを言ってこられるかたは、やむを得ず、もはやお付き合いできません  ただし本来はそいうことをしないので、日々の膨大な書き込みのなかで、おふたりだけです





▼解散の前日、きょう10月8日火曜、参議院本会議の代表質問には、なんとも言えない深い疲労を感じました。
 朝から夜まで7時間ほど、じっと椅子に座ってほぼ身動きせず、国会質問と総理答弁を聴き続けるのですから、ふつう肉体的には疲れがあって当たり前かもしれません。
 本会議場も委員会室も、国会議事堂の椅子はとても古くて、独特の傾きとか歪みがあり、長時間座っていると骨盤や背骨に影響は避けられないのでしょう。

 写真に撮ると、古さは伝わらず高級そうに見えるのか、「おまえも、あんな立派な椅子に座りやがって、妬ましい。許せない」という書き込みも来ます。
 こうした書き込みでも、このブログに技術者が備えてくれた「ブラックリスト」の機能は使いません。書き込まれるままにしています。なるべく、そのままにしたいのです。
 
▼しかし、きょうの疲れは、長い時間や、こういう椅子から来る肉体的な疲れではありません。
 それくらいでは、さして疲れないです。
 わたしだけではなく、国会に集まっているひと、つまり議員は、与野党を問わず、これぐらいで疲れることはあまりないように見えます。

 疲れるのは、精神です。
 論理を考える頭、感情をつかさどる頭 ( こころ ) 、いずれも疲れました。
 何に。
 椅子でも時間でもなく、石破新総理の答弁ぶりにです。

▼疲弊して、帰宅して、そのあとに予定外の公務も入ってまた出て、夜遅くに帰り、主権者のみなさんの声を聴くために、いつも通りにこの個人ブログのコメント欄を開きました。
 やや良くない予感もします。精神の疲れが深まる書き込みがあるだろうな、と分かります。
 しかし責任、義務として、無警戒に開きます。

 今夜もいろいろ、えっという書き込みがあります。
 区別せずすべて読んで、おのれが疲れるに任せます。

 ただし今夜は、以下の2件だけは、もはや受容しないと、心ならずも決めました。

 ひとつめ。
『青山さんが、今回の総裁選で裏切った議員に対し、「何も問題ない」とか、「総裁選が終わればノーサイド」と仰っているのを見聞きして、中国・韓国に いいように主権を侵されても 何もやり返さない日本政府と被ってしまうのですが…』 ( 引用部分は原文のまま )

 日本の国会議員は、同胞です。
 また、何をなさったかにしても、何があったかにしても、先の選挙で日本の主権者のみなさんが選んだひとです。
 その敬意に基づいて、赦しているのです。
 外国の反日行為に何もしない官僚と一緒くたになさるのは、度が過ぎています。

『 ( 青山は総裁選で自分の ) 美学に酔ったために、国益を損ないました。
 美学に酔ったために、国民と子どもたちに皺寄せがきます。
( 中略 )
 美学を優先するということは、国益よりも、自分だけが良い人でいようとする私利私欲が働いてませんか ?』 ( 引用部分は原文のまま )

 わたしが、おのれの「美学」で動き、「美学」に酔って、おのれだけが良い人でいようと、ほんとうにしましたか。
 ご自分の解釈、思い込みをどんどん走らせ、ご自分の欲するままにぶつけてこられることが、前にもありましたね ?

 たくさん、考えました。
 その結果、このおふたりはもはや、書き込みを受容しません。
 わたしが、正当な理由なく、精神を疲弊させることが、みんなのためになると思えないからです。

 また、このおふたり以外にも、同じ行動を取ることが、今後はあり得ると申さざるを得ません。
 しかし、あくまでも抑制的に、我慢に我慢を重ねていきます。
 ただただ主権者のためにこそ、議員という公務を続けているのですから。

 もしも、わたしが国会議員をついにやめるときは、石破さんのせいでも、ほかのどの議員のせいでも、どの政党のせいでも、何のためでも、ありませぬ。
 この我慢が、限度の限度のその先で、限度を超えたときです。

▼国会にとどまる限りは、いついかなる時にも、主権者のみなさんへ無償、無条件に、伝えるべき情報を伝えようと努めます。
 今夜の「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」は、これをアップしています。正直、辛い動画です。国士たる三浦麻未・公設政策秘書のいつでもどこでも変わらない明るさが、救いですね~。

 同じく国士の二十歳の学生インターン、増野優斗くんの努力結晶であるショート動画は、ますます、わたしに突きつける問いが冴えわたっています。今回の問いは、「議員、あと3週間で、石破政権は終わるのか」ですと。
 キツっ。
 石破さんも、わたしと意見や生き方に違いがあっても、長く古い、僭越ながら友だちです。
 友だちであっても、意見のどこが違うのかは、主権者に明示せねばなりませぬ。

 ちいさな、カケラのような救いは、『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』です。
 明日、安倍昭恵さんに手渡し、安倍晋三総理の墓前にも捧げます。
 今夜、長い本会議が終わったあとの議事堂の廊下で、ある良心派の元閣僚が近づいてこられて「青山さん、じっくり読みましたよ」と仰ってくれたのですが、その表情になんとも言えない、初めて見るような深みがあって、やや暗い廊下で思わず、お顔を凝視してしまいました。
「なぜ、回想に、反が付いているのか、それも良く分かったんですよ。わたしたちは、ほんとうは、何をしなきゃいけないのかって、青山さんにそれを見せてもらった気がしました」

 わたしは深々と頭を下げて、敗戦前の日本から今日まで続く古い階段を、降りていきました。





 
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