On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-01-01 23:05:33
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【最後に書き加えました】  立憲民主党との「大連立」など決してあってはならない  石破総理の発言があまりにも軽すぎます



▼石破総理がこの年末年始、盛んにオールドメディアに登場され、元日に放送の文化放送の番組では立憲民主党をはじめ野党との「大連立」について「大連立をする選択肢はあるだろう」と発言されました。
 一方で、年末放送のTBSの番組では「連立を視野に入れながらやっていくということではない」と逆の考えにとれる発言をされています。

 日本国内閣総理大臣の発言がこれでは困ります。
 評論家ではないのですから、国家観、歴史観をはじめ哲学をどっしりと根っこに据えた、ぶれない発言をされなければならないと考えます。自由民主党の現職議員として、諫言申しあげます。

▼大連立云々については、公明党の斉藤代表もニッポン放送の番組で「少数与党というなかで ( 公明党が ) 合意形成の要となり、結果的にそれが大連立につながるように先頭に立ってまいりたい」と発言しています。
 公明党がどうであれ、自由民主党の多くの議員は、大連立を受け容れません。これは主観的見方ではなく、客観的情勢を申しています。

 もしも石破総理が立憲民主党との大連立なるものを本気で進めようとされるのなら、それは隠れもない増税派の野田立憲民主党代表と組むことであり、また、総理時代から母系天皇の容認が持論の野田代表と組むことであって、この場合、わたしと同志議員は自由民主党の内部から強い異論を発することになるでしょう。

 石破総理はまた、維新とも組むかのような発言を、この「大連立」をめぐってされています。
 わたしは自由民主党の大阪府連会長として維新に奪われている議席を取り戻す新しい努力を、府連の議員 ( 国会議員、地方議員 ) や自由民主党員と共に始めています。
 そこに総理総裁が、冷水を浴びせるような発言をなさっていいのでしょうか。

▼冒頭の写真は、総選挙に大敗したあと、去年11月に国会議事堂内で開かれた、自由民主党の両院議員総会です。
 石破総理が敗北の責任を取られないまま、うつむいて紙を読まれて挨拶なさっています。
 総理、なぜ席がこのように空いているのでしょうか。
 うしろから撮ったこの写真ではよく分からなくても、実際は空席が目立ちました。
 これまでは満席で、立ったままの議員も多かった同じ部屋で、このように空席がある、戻れなかった衆議院議員が数多く居る、それが総選挙の大敗です。

 大敗のもっとも根本的な原因は、自由民主党が本来の政策を見失って、岩盤の支持層をはじめ多くの支持者を喪失したことにあります。
 自由民主党中央のある党組織が、党本部に役員を集めて敗因を分析したとき、わたしを含めた出席役員が一致したのもこの点でした。
 大連立などに走れば、どれほど我慢強く踏みとどまってくださっている支持者も、去っていかれます。
 その客観的な現実がお見えにならないのですか。
 夏の参院選でまさか、大連立を掲げて、あるいは大連立を匂わせて、戦えるとお考えですか。

 主権者の切実な日々の願いよりも、永田町の政党の数合わせをお考えであれば、わたしは不肖ながら背筋を伸ばして異論と諫言を申しあげます。

▼不肖わたしは、この夜が明ければ、国際テロ防止のための自主的な海外出張に出ます。
 民主主義諸国の軍、治安機関、政府と連携して、また議論すべきは真正面から議論を戦わせて、民間専門家の時代から四半世紀を超えて続けている出張です。
 しかしこれほど、祖国への深い懸念を残して出発するのは初めてです。

 石破総理、先に100歳で亡くなったカーター元合衆国大統領は、当時のソ連にひたすら宥和政策を採りました。
 それがソ連の他国への暴虐行為に繋がり、世界に新たな不安定と暴力を引き起こしました。
 カーターさんがのちにノーベル平和賞をお取りになっても、その事実は変わりません。

 石破総理の対中政策は、その誤謬を思い起こさせます。
 外交政策、国内政局のハンドリング、いずれも深刻でリアルな懸念と反感を、自由民主党の内部、そして広く主権者に呼んでいる現実を、立ち止まって正視してください。それが石破政権の年頭の優先課題であるべきです。



 
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