On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-02-16 04:45:15
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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祖国の大阪 その2  計り知れないほどの誠意



(ひとつ前のエントリーから続きます)
▼この写真を見ただけで場所が分かる人がもし居たら、感嘆します。
 ここは「自由民主党 大阪府参議院比例区 第15支部」の事務所です。

 8年7か月前に初当選したとき、総理官邸の総理執務室で安倍総理とふたりでお逢いしました。この頃に何があったかは『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』に克明に記してあります。
 以下、その書との重複を避けるためにすべて趣旨で記します。

 わたしは安倍総理に、「安倍派を含めていかなる派閥にも属しません。参議院の全国比例の議員は、ほんらいは国全体に尽くす使命を持つと考えますから、いかなる団体や企業の支援も受けません。さらに地元もつくりません」という趣旨を伝えました。
 それは、献金を誰からも1円も受けない、政治資金集めのパーティも一切開かないということの次に述べました。

 安倍総理は、いくらか反論も述べられましたが、最終的には了解し、『地元を持たないことを貫くために、自由民主党の都道府県連にも属さない』ということも了解してくださいました。

 そのうえで、「自由民主党の公認候補として当選したから、どこかの支部長にはならないといけない。青山さんは神戸生まれだから、兵庫県の支部長だよね」という趣旨を仰いました。
 わたしは「いえ、それでは、地元をつくったのと同じになります。大阪に支部を置きます」という趣旨で答えました。

 安倍総理は「なぜ、大阪 ? 」と聞かれました。
「総理は、関西テレビのアンカーという番組のわたしのコーナーを、総理自身もご覧になり、そしていつも沢山の主権者が視ておられるのをご存じで、わたしに、選挙に出るということを要請されました。わたしは選挙に出ることを望みませんでしたが、最終的には、みずから決めて選挙に出ました。その結果からすると、わたしは大阪の主権者のみなさんに恩義もあります。だから大阪です」という趣旨を答えました。

 安倍総理はひとつの条件を出して、了解されました。
 その条件とは「大阪府連の事務局長が、大阪府連には属さないのに大阪に支部を置くことを認めれば、私も総裁として認めるよ」ということでした。

 そこでわたしは大阪の府連事務所を訪ねて、当時の事務局長とお会いしました。
 事務局長は穏やかな笑顔で「安倍総裁から聞いています。いいですよ」と仰いました。
 そしてわたしは、大阪市の中心部に、写真の支部事務所を開いたのです。

▼ここから選挙の出陣もいたしました。
 中高の同窓生たちが集まってくれました。
 しかし、安倍総理も含め「必勝」と書いた為書きは1枚も貼りませんでした。祖国の必勝を願って、みずからの人生を犠牲にするのであって、おのれの必勝を願うのはおかしいからです。

 ダルマも置かず、花も置かず、ただひとつ、神棚だけはお祀りしました。おのれの当選をお願いするのでは無く、わたしも参画するかも知れない、まつりごと ( 政 ) によって祖国が甦ることを祈るためです。

 そのとき、遠く滋賀県の近江八幡市から、わたしの盟友である神官が駆けつけてくださいました。
 地名の元にもなっている、日牟禮八幡宮 ( ひむれはちまんぐう ) の岳 ( おか ) さんです。
 岳さんが神棚を設置してくださり、祈祷の儀式をとりおこなってくださいました。

 当選の記者会見もここで行いました。
 しかし万歳はお断りしました。選挙中はみんなのため国のためと言っておきながら、当選すると、仲間内で「バンザイ」と言うから、そこで、自分と仲間のための選挙だったことがバレているのです。
 記者、カメラマンからは「とんでもない。絵にならない。バンザイしてください」という声が激しく、あがりました。
 わたしは、さらりと信念を貫きました。

 これは2度の選挙、いずれも同じでした。

▼支部長であるために、事務所はそのまま維持しました。
 しかし地元をつくらず、全国のために尽くすということは何も変わりません。
 したがって、事務所は、事務員はひとりいらっしゃいますが、静かなまま8年半が過ぎたのでした。



▼そして時移り、去年12月22日に、またしても思いがけないことが起きたのです。
 総選挙で2回連続、15の小選挙区で全滅した自由民主党大阪府連の新しい会長に選ばれたのでした。

 選ばれる前に、必要な手続きとして、大阪府連に初めて属しました。
 しかし、地元をつくらないことに何の変わりもありません。おのれの選挙のためでは無く、仁徳天皇が日本のオリジナルな民主主義の理念を実際に示されたのが大阪です。日本書紀に明示された「民の竈 ( かまど ) 」ですね。
 その大阪から祖国を甦らせるための事どもです。

 そこでわたしは、もう一度祭礼を行い、この支部事務所が、あくまでも祖国のためであることを天にお示しする必要を感じたのです。
 日牟禮八幡宮の岳宮司に電話をし、それをお願いしました。

 快諾された岳宮司は何と、往復4時間近くをかけて、車で沢山の聖なる準備のものを持ってきてくださり、また岳宮司のお嬢さまも、巫女さんとして一緒に来てくださいました。
 写真は、その聖なる準備の始まりです。



▼これが、岳宮司が作成してくださった祭礼の趣旨と順序です。



▼次第に整っていきます。
 たいへんな作業です。



▼お嬢さんが正式な訓練を受け、國學院大學で研鑽も積まれた巫女として、聖なる舞いをなさってくださいました。
 清らかで、凜々しく、美しい舞いです。




▼あぁ、なんという、誠意と友情でしょうか。
 わたしの自由民主党大阪府連会長としての任務遂行は、こうした志によってこそ、支えられています。

「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」のひとつを紹介しておきます。
 ここで、トランプ大統領によって中国が具体的にどんな痛撃を受けているかをお話ししています。
 大阪は、中国共産党の主要なターゲットのひとつです。

 新版の日めくりカレンダーと一緒に新しい日々を生きていると仰ってくださるひとも増え続け、この祭礼と同じように、励まされています。





 
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