On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-05-20 03:37:05
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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再び存在を消されて、産経新聞は「手だけ」です  「報道しない自由」を押し通すのはNHKだけではありませぬ



▼日本海側の12府県でつくる「日本海連合」の花角会長 ( 新潟県知事 ) がきのう5月19日月曜、経産省を訪れ、メタンハイドレート・メタンプルームの実用化を訴えました。

 日本海連合は、不肖わたしが議員になる4年前の西暦2012年に、独立総合研究所の社長として当時の全国知事会長だった山田啓二・京都府知事らを回って、創建を提案しました。
 なぜか。
 政府は「日本は資源の無い国でいい。外国から高値で資源を買う方がマージン ( 利鞘 ) をとれる。国民も、日本は資源の無い国だと思っている」という姿勢で終始していました。
 民間の専門家としていくら訴えても、この既得権益に官界と財界が固執していて、政治家は無知、メディアは無関心でした。
 そこで「自治体を動かして、政府を揺さぶり、突破口を開かないと、日本は永遠に資源国になれない」と考え、当時の良心派の知事を回って説得に歩きに歩いたのです。
 独立総合研究所はただの民間のシンクタンクですから、その費用も手間も大きな負担でした。

 そして日本海連合が発足して、第1回のフォーラムが開かれたとき、わたしには開催の連絡すらありませんでした。自治体の役人が、提唱者のわたしをこの世に居ないことにしたのです。
 しかし、わたしは『日本が資源を持てるようになることが本来の目的だから』と考えて、何も申しませんでした。

 すると、わたしがフォーラムにいないことに驚いた山田知事らが部下を叱って、第2回からは、あくまでオブザーバーとして呼ばれるようになりました。
 その第2回フォーラムにおいて経産省のキャリア官僚がこう発言しました。
「プーチン大統領が突然、天然ガスの値段を下げてきた。日本海連合の発足を見て、日本がメタンハイドレートの開発に本腰を入れると考えたからだ」
 このキャリア官僚とは、わたしは民間専門家として何度も繰り返して議論していました。
 壇上の端っこに居たわたしは『この正直な発言は極めて大切だ。ことが前進する契機になればいい』と考えました。その場に、ほぼ全メディアが集まっていました。しかしNHKも共同通信も朝毎読もどこも一切、何も報じなかったのです。
 今度は、この発言の事実が、この世に無いことにされたのでした。

▼そして、わたしが議員となると、情況は、ほんの小さな意味では変わりました。
 この日本海連合が政府に申し入れる際は、必ず同行してほしいと要請されます。

 それでもオールドメディアはわたしがこの世に居ないことにします。
 特に、去年の総裁選のあと、産経新聞はわたしを居ないことにするのに、ことのほか熱心になりましたね。とても分かりやすいです。
 今回も、上掲の写真からわたしをカットして、手だけはカットしきれずに、青山繁晴参議院議員は誰のものとも分からない手だけになって産経新聞に報じられています。わはは。

 上掲の写真は、三浦麻未・公設政策秘書が撮ったからこそ、手以外もこの世に存在していることが分かります。
 3人並んでいるのは、別にわたしの意思ではありません。
 経産省の担当官が「大臣を真ん中に、おふたり ( 花角知事と不肖わたし ) で挟んでいただけますか」と言ったから、そのようにいたしたのです。
 事前に三浦秘書に「メディアはどうせ、写真をカットして、ぼくを居ないことにして報道するよ」と言うと、彼女は「そうですね、ずっとそうですから。わたしはちゃんと撮ります」と応えました。





▼いま実際に、研究開発の現場がどうなっているかという専門性の高い話は、わたしが大臣に致すほかありませぬ。
 メタンプルーム研究チームの渡邊裕章・九州大学教授 ( 燃焼科学 ) が、新潟県の海鷹海脚 ( 海鷹は、東京海洋大学の研究船「海鷹丸」由来の固有名詞。海脚は、海中の岬状の海洋地形 ) においてメタンプルームをすでにガス化しました。
 そのままマーケットに出せる天然ガスです。
 しかし国の動きは非常に鈍いままです。
 ガス化されたりしたら、余計に困るのでしょう。

 わたしはこの日の日本海連合の申し入れよりずっと先に、国会内で武藤経産大臣に直に、お声がけしてアポイントメントを取り、この同じ部屋で大臣に「世界で初めて、メタンハイドレート・メタンプルームのガス化に成功したのですから、経産省はちゃんと取り組んでください」と求めました。
 実際はそのあとに、経産官僚がそれを阻む「レク」を大臣に行ったことを、経産省の良心派から聞いて知っています。
 財務官僚が常に、減税を阻むがごとく、経産官僚の主流は常に、自前資源を阻みます。
 同じ構図です。
 政治家がもっと強くならねばなりませぬ。



▼このあと、総理官邸に入り、林官房長官に同じ申し入れをしました。
 この写真も三浦麻未・公設政策秘書が撮ってくれたからこそ、わたしは今のところ、この世に居ることが分かります。

 主権者のみなさん、わたしは27年ほどの長きにわたって、この戦いを、底のみえない黒い穴のような空しさに耐えて、ずっと続けています。
 このブログには、ほぼ毎日、「失望した」「絶望した」という書き込みがやって来ます。
 これからもそうでしょう。その書き込みを日々、ちゃんと読んでいます。

 わたし自身はそうした言葉を一度も使いません。
 日本国民と日本国のために、失望も絶望も申しませぬ。
 逆に、いつでもどこでも、主権者のみなさんへ無償、無条件の発信をやめません。
 今夜はこのブログ・エントリーと、この動画です。動画では、英国と中国はトランプ大統領と合意できて日本はなぜできないのか、それをみなさんと一緒に考えています。
 6月には神戸でじかに会えるよう、ここで呼び掛けています。明後日の午後1時には打ち切りです。
 作家としても訴えかけるべきだと考え、命を喪いかねない負担を心身にかけて、この書を書きあげました。 

 しかし、すべては空しいでしょう。
 すこし止まりかけたかと思った咳は、また烈しくなってきました。
 回復していくかと思った声枯れも、逆にいっそう酷くなりました。仕事をしていると、夕暮れには会話すら困難となります。あれほど通っていた声が、今は、ひとに「え、何て言いましたか」と問い返されます。
 きょう5月20日に公務を縫って予定している「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の収録では、一体どんな無理をして声を絞り出しましょうか。
 声を絞り出しても、もはや大半のかたは、耳を傾けることもありませぬ。

 これも天命です。
 この暮夜、すべてを淡々と受け容れています。
 お別れが近いのか遠いのか、それも何も考えていません。
 みなさんは、どなたにおかれても、良き朝を迎えられますよう、ただ静かに祈りつつ。





 
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