On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-10-05 00:43:55
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【このエントリーの写真はすべて許可を得て撮影、公開しています】  専門家のひとりとしての任務も、同時進行で遂行します



▼わたしは不詳ながら、国会議員、作家、五分野における専門家という3つの仕事を、こけつまろびつ ( 倒つ転びつ ) 、遂行しています。
 
 五分野 ( 安全保障、危機管理、外交、資源エネルギー、情報 ) のひとつである危機管理のために、東京ビッグサイトで開かれていた危機管理展の最終日に、日大生産工学部の古市昌一・特任教授、東京海洋大学の青山千春・特任准教授らと共に訪れました。

 古市さんは、シリアスゲームやシミュレーション、モデリングの専門家として世界的に知られています。古市研究室、独立総合研究所 ( 独研 ) 、そしてわたしの三者連携をおこなうことがあります。
 青山特任准教授は、この日はわたしの配偶者としてでは無く、また海洋大の教官でも無く、危機管理を専門分野のひとつとするシンクタンクの独研の3代目社長として参加しました。

 そして危機管理産業展 ( RISCON TOKYO ) は、すでに20年の歴史を持つ、日本では最大級の危機管理展です。
 内閣府政策統括官 ( 防災担当 ) 、警察庁、海上保安庁、防衛省をはじめ数多くの日本の政府機関が後援しています。

▼写真は、F35戦闘機の操縦訓練をおこなうシミュレータです。
 わたしは民間専門家の時代に、航空自衛隊のF2戦闘機、それからF15戦闘機の実際の戦技訓練に参加した経験がありますが、戦闘機のコックピットは上空にあがると自分の機体が見えなくて、宇宙に身体だけで飛び出している感覚になります。
 F35のシミュレータを操作すると、その感覚がありありとあったので驚きました。

 ただしシミュレータ内の天候が雪で、雲も当然とても多く、海と空と大地の区別がつきにくくて、かなり困りました。
 実機のときは、F2とF15のいずれも天候が良かったので、音速を超えて裏返しになり空と海が逆転しても空間識はしっかりあって、空間識失調は起こさなかったのです。
 しかしF35のシミュレータは雪でしたから大地も真っ白で、雲と変わらず、しかもその雲が海を覆っているというむちゃらくちゃらに難しい天候でした。
 意図的にそうしてあるのでしょうね。 
 


▼わたしの左にいらっしゃるのが、古市さんです。



▼これはテロリストが侵入したときの対処シミュレーションです。
 わたしはアメリカで実弾演習も実戦シミュレーションも何度も体験しています。いずれもアメリカ合州国の公的機関の許可とアシストによる訓練です。
 それと比べると、日本のものは、やはり現実感がやわらげてあります。

 アメリカの場合、テロリストを倒すと、相手が激しく出血もし、たとえばイラク戦争でわたしが丸腰のまま身近に目撃した兵士の負傷した身体の、目を覆う惨状  (  詳しくは申しません  )  が、シミュレータでも現実のまま出てきます。
 しかし今回は、ただ倒れるだけでした。

 蛇足ながら、VRゴーグルを使うわたしの眼前には、テロリストが隠れ、動き、こちらを攻撃してきています。
 実射訓練の体験からすると、慌てるのがいちばん駄目です。
 相手が訓練された動きで素早く動いていても、情況を正確に把握するのが、まず第一です。
 このシミュレータでも、それを心がけました。



▼テロリストに対応する動きに入っています。
 軸がぶれないことに意識のひとつを置いています。



▼この実績ある危機管理展には、極めてリアルな出展も数多くありました。
 これは、そのひとつです。
 アメリカが出展している、海岸線からの侵入モデルです。

▼実は戦場やテロ現場で重大な負傷をした兵士の緊急治療を訓練する、実物大の人体モデルもありました。

 大柄な米軍兵士とおぼしきリアルな人間が裸体で横たわり、爆発でちぎれた足から血が噴き出る、つまり赤い液体が、実際の血管を再現してその血管が身体の外へ露出しているところから噴き出るのです。
 それを止血する手順を覚えるための人体モデルです。
 極端に生々しくなっているのは、現実に直面したときに精神的ショックで身動きできなくなることを防ぐための精神的トレーニングでもあります。

 古市さんが正視できないで困ってらっしゃいました。
 青山千春博士は、遙か彼方に退避してしまいました。
 いずれも良く分かります。
 わたしは、イラク戦争、パレスティナ紛争、旧ユーゴ内戦で、武器を持たないまま悲惨な現場を何度も体験しているので、平静でしたが、あの戦場の匂いや音、声、さまざまな感覚がわっと蘇りました。
 危機管理展、凄いところです。



▼まるでコブラが恐ろしい鎌首を持ち上げているようなロボットです。



▼カッと大きな口を開くと、なかなか怖いです。



▼最後にはボールをくわえるという平和的な行動で、見る人の恐怖感を、上手に和らげてくれました。

 走り、駆け上がり、駆け下り、そして泳ぐ人型ロボットは、致死型兵器の中心のひとつであり、また放射線にも負けずに救命してくれる、人助けの中心でもあります。



▼なんだかキツい話が続きましたから、最後は明るい美しさのひまわりです。
 実はこれ、すべて食用なんです。
 太陽光のない核シェルターの中でも栽培でき、そして食べられて、みんなの命を繋いでくれます。

▼以上は、危機管理の専門家として情報を集める仕事の一環でした。
 快く協力してくださった、東京ビッグサイトと、出展者の各位に深く感謝します。
 訪れている人がとても多かったので、危機管理への関心の高まりを感じ、心強かったです。

 わたしはほぼ無名の存在ですが、こうした現場に来ている人たちには、わたしを知る人もいらっしゃって、ずっと声を掛けられ、写真を撮られていました。
 公の場に来ているのですから、写真を撮られることに何の問題もありませぬ。

▼国会議員としては、たとえば、大問題となった、アフリカ4か国との「ホームタウン」について政府とJICAに完全撤回させた事実を「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」この最新放送で話しています。

 作家としては、たとえば、新しい文庫本の『やさしく夜想の交叉する路』を上梓して、困っている人ほど、危機に直面している人ほど読んでほしいなと祈っています。
 また、ノンフィクション分野の新刊『絶望を撃つ』の最後の仕上げに、いま信じがたいほど心身を削っています。
 第1部が、かつてなく苦吟を重ねた書き下ろし、第2部が、若手改革派の地方議員とのシビアな対論です。
 たとえば、ここで予約できます。
 





 
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