On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2006-05-15 22:38:28

おん・えあ




▼5月15日月曜日の夜、今夜は、たいせつな人との会食があり、それが終わってから、録画で「TVタックル」を見た。
(TVタックルは、2時間収録して、そのうち40数分だけ放送される)

 収録の当日に、スタジオへ同行した独研(独立総合研究所)の研究員が、一緒に今夜の放送を見ていた。
 そして「あれ? 社長の発言、ほとんどカットされていますね」と言った。
(※ 社長とは、ぼくのことです。不肖ながら、ぼくは株式会社 独立総合研究所の代表取締役社長です)

 その通りだけど、しかし、これまでも述べてきたように、文句はない。
 誰かひとりの発言に、みなが従ったという、編集じゃないから。
 実際の収録で発言がとても、とても少なかった人も、番組上は、バランスよく発言したという編集になっている。
 それはテレビ局の編集権の範囲内だ。


▼このブログで、収録から帰った当日に、次のように記した。

~今日の収録に関しては、収録の最後のほうで、教育基本法の改正について大竹さんが疑問を呈した。
 ぼくは「今の改正案は、政府が国会に提出した。だけど、ほんとうは、ぼくら国民がまさしく決めることであり、国民の直接の代表である議員立法で出し直すべきだと思う。国民みずからの議論がもっと必要だから。ただ、現在の教育基本法は、そのままにしておけない。なぜなら、憲法とペアだから。教育基本法は憲法と同じく1947年に施行された。憲法を国民みずからの手で考え直してみようという機運にようやく到達しそうになっている今、教育基本法を放ってはおけない」ということを、もう少し詳しく、しかし言葉にさんざん詰まりながら、話した~


▼この部分と、あと靖国参拝をめぐる部分、これは放送で残ってほしいなとブログで記した。
 特に、教育基本法の改正については、そうだった。
 スタジオ収録に同行した研究員も、今夜の放送で、教育基本法の改正をめぐるVTRが流れ始めたとき、「ああ、社長の発言はこれから放送されますよ。教育のところは、ほとんどが社長の発言でしたからね」と言った。

 しかし、教育基本法の改正をめぐる発言は、大半がカットされた。
 放送では、大竹さんの発言を受けて、ぼくは「ちょっと待って」と言ったまま黙っていて、最後のたけしさんの発言になったような編集になっているけれど、ほんとうは、たけしさんの発言のまえに上記のように述べた。

 ぼくが、上にあるように「教育基本法は憲法と同じく1947年に施行された」と述べたのを受けて、たけしさんは「おれも1947年の生まれだけど」と話し始めたのだった。

 また、靖国参拝をめぐっては、100パーセント完全にカットされた。

 いずれも、やむを得ない。
 まったくもって、やむを得ない。
 もう一度言うが、これは、テレビ局の編集権の範囲内だ。
 放送時間は、40数分しかないのだし。

 日テレの「太田光の私が総理になったら…」では、太田さんの明確な主張に対して、出演者みんなが賛成したかのように誤解されそうな編集になっていたから、あえて、この放送に対してだけは異を唱えた。

 ぼくの友だちのひとりの、著名なエコノミストは、「テレビは生放送以外、出演しない。収録後に編集される番組には一切、出演しない」という原則を貫いている。
 今夜あらためて、その原則は正しいなぁと胸のうちで感じた。

 だけども、TVタックルは、よく頑張っている番組だと思うから、そして、毎週2000万人から3000万人の視聴者がチャンネルを合わせるのも、やっぱり番組が頑張ってると視聴者が知っているからだと思うから、生放送でなくとも、編集で発言がほとんど消されても、ぼくは今後もできる限り協力していくつもりだ。

 エコノミストはいつも、「青山さん、番組をもっともっと選びなさいよ」、「生放送以外は、出ちゃ駄目だよ」と、二つのアドバイスをぼくに言う。
 この人を、ぼくは信頼している。

 だけども、アドバイスのうち後者は、恐縮ながら、いまのところは聞くことができないなぁ。
 スタジオで収録して、放送では編集される番組であっても、あるいはスタジオよりもっと長く2時間を超えて収録し放送では1分しか使われないコメント撮りであっても、その番組が頑張っているなら、ぼくは、ごくごくささやかながら、これからも、協力します。






  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ
  • ページのトップへ