On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2011-07-17 10:30:45

補足し、訂正します

 テレビ大阪の放送の全部を確認し、「大阪府民」のかたが誤解された理由が分かりました。
 たかじんさんと、ぼくの話の交錯するところで、確かに「大阪の大隊が一番、弱かった」という、たかじんさんの言葉に、ぼくが「それは有名な話」と応じているようにしか聞こえない部分があります。

 ぼくは、あくまで「中国、フランス、そして朝鮮半島の人々は戦争が弱くて、それは個人主義による」という話の流れで、「それは有名な話」と付け加えています。
 スタジオでは「大阪の大隊が一番、弱かった」という、たかじんさんの発言は、ほとんど、ぼくに聞こえていません。
 何か言葉を挟まれるように、たかじんさんが発言された記憶は確実にありますが、内容は聞こえていません。

「大阪府民」のかたの書き込みで、放送内容をすべて確認して、たかじんさんに、そうした発言があったことが、よく分かりました。
 あの番組は、生放送ではなく、収録して、それを繋いだりカットしたり、編集する番組です。
 番組に参加していたひとりひとりの音声は、個別マイクで拾われます。それが編集され再構成されると、実際のスタジオでのやりとりに参加していた者の受け止めとは大きく異なる場合があります。
 ぼくはふだん、自分の参加している放送を見ません。自分自身を見るのは、気持ち悪いから。

 しかし、今回は「大阪府民」のかたの名誉のためにも、編集後の放送を視てみて、「大阪府民」のかたのように誤解されるのも、まったく、やむを得ないと分かりました。
 ぼくの過去の発言をよく知るかた、あるいは、今回の放送で引っかかって調べられたかたなら、「あれ、この部分はおかしいな」と考えられるでしょうが、この放送だけをみると、誤解されても無理はありません。

 したがって「大阪府民」のハンドルネームのかたに、原因はありません。
 すべて、こちら側、ぼくやテレビ局の側に、原因があります。
 たかじんさんにも原因はありません。
 最終的には、スタジオで、ひとの発言をよく確認しなかったぼくにだけ、原因と、一切の責任があります。

 先の書き込みで「いったい何のことでしょうか。ぼくは決して、このようなことを申しませぬ」と記したことは変わりませんが、それは「大阪府民」のかたに原因があるのではなく、すべて、ぼくに原因があります。

「決めつけをなさる前に、決めつけて非難したり講釈される前に、せめて、すこしでもぼくのふだんの主張を調べていただきたいと願います。いまはネットもあるのですから」と、記したことも変わりません。
 しかし、あの放送の流れでは、むしろ「大阪府民」のかたの受け止めがふつうです。
 そこでとどまっても無理はなく、それ以上、調べてから話してほしいというのは、こちらの傲慢です。

 深くお詫びして、訂正します。

 難しいですね、収録してから編集するテレビ番組は…。
 しかし生放送で、ある程度の時間をとって話をさせてくれる番組は、当然ながら、オファーのある中ではごくごく限られます。
 生放送しか出ないということであれば、みなさんとお会いできる番組は、関西テレビの「スーパーニュース・アンカー」ぐらいしかなくなります。

 あぁー、テレビへの参加、特に、生放送ではなく収録・編集の番組はやめたいなぁ。
 しかし、それをやると、たとえば沖縄の盟友たちが「テレビに顔を出してくれないと、わたしたちが顔を見る機会がなくなる。関テレのアンカーは見られないのだから」と、いつもおっしゃることに背きます。
 つらいです。

 いずれにせよ、旧帝国陸軍のうち大阪出身者による部隊が「弱かった」という事実は、まったくないと考えます。
 逆に「強かった」という事例ならありますが、「弱かった」という史実はありません。
 たかじんさんは、大阪を深く、深く愛しているひとです。だからこそ揶揄する言葉も出るのでしょう。自虐のギャグが、印象深い、最高の持ち味でもあるのですから。
 そのうえで、大阪に司令部のあった帝国陸軍第四師団に属した連隊をはじめすべての部隊が「弱かった」という事実は一切ないと考えることを、責任を持って、ここに明記しておきます。

 すべての英霊に、胸中深くの敬愛を、常と同じく、遠くスコットランドの地から捧げます。


                                スコットランド時間 7月17日・日曜 未明3時過ぎ
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