On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2011-08-10 12:30:31

夜明けへ  (9月11日の日曜に、大阪でもう一度、逢いませんか)





▼みなさん、この地味ブログでは、ずいぶんとご無沙汰してしまいました。ごめんなさい。
 もうとっくに、イギリスとフランスへの海外出張から帰国しています。

 日本時間の7月25日朝6時に羽田に着く便で、帰国しました。
 パリ時間の7月24日午前に発ち、シベリア上空で地平の果てに、日本の7月25日の朝陽が昇るところを見ることができました。

 その日は、ぼくの誕生日でした。みなさん、ほんとうに沢山のかたから誕生日を祝うメッセージをいただきました。
 ありがとうございます、こころから。
 かつて、誕生日になると良くないことが起きるということがずっと続いた時期もありました。
 今も、良いことが起きるわけではありませんが、何があろうとも、こんなに広く沢山のかたから、真心のお祝いをいただくようになっただけで、もう何も言うことはありませぬ。
 カンゲキ!


▼さて、帰国後ずっと、ブログの更新ができなかった最大の理由は、海外出張のために日程を空けた影響もあって、極度のうえにも極度の多忙に直面しているからです。
 帰国後の当日、つまり誕生日も、朝6時に羽田に着き、自宅に取りあえず荷物を置いたらすぐに、霞ヶ関に行き、午前と午後、それぞれ原子力発電所の防護(テロ災害からの防護)のための政府の実務者との会議に出席し、議論しました。
 ぼくの公職4つのうち3つは、自民党政権時代に引き受けたものですが、政権が民主党に代わっても、そのまま変わりません。
 民主党政権になってから新たに引き受けたものも、ひとつあります。

 それは政党色とは関係のない、中立的な任務、実務上の任務だからであり、ぼくの立場も「祖国をまっすぐ真ん中から見つめ直す」ということを貫いているからです。

 日本のインフラストラクチャ(社会の基盤的施設)はいずれも、北朝鮮の朝鮮人民軍と工作機関の脅威をはじめ、テロリズムから防護する必然性があります。
 そのなかでも「原発の脅威は最大である」というリアルな現実を、13年前(平成10年、1998年)から指摘し、ひとりの民間人として、ぼくなりに、ささやかに戦い、努めてきました。
 福島原子力災害は、懸念した事態を、テロリストの代わりに津波が実現してしまったのです。
 そしてテロリストの側に、さらに重大な動機を与えてしまいました。
 なんとしても未然に、彼らを抑止せねばなりません。
 だから帰国直後だろうが何だろうが、それは一切関係なく、全身で会議に臨みましたが、うーむ、道は険しいです。

 こないだ、食後に飲む薬の、その顆粒を口に入れたまま、バナナを剥いて口に入れて、自分に驚きました。
 大腸癌の手術をしたことを受けて、念のために飲んでいる薬、といってもただの消化剤(手術した病院で処方されたベリチーム)なんですが、その薄茶色のつぶつぶを口に入れて、飲み下さないまま、食べ物を口に入れるのですから、「食後の薬」ではなくなってしまいます。
 ふひ。

 ははぁ、ここまで疲れているのかと、実感しました。


▼それでも、かろうじて、やるべきはやろうと努めてはいます。
 自分自身では、おのれの仕事ぶりにたいへんに、たいへんに不満ですが…。

 先日、8月6日の原爆投下日(同胞があのように無残にアメリカに大量殺害された日を記念日とは言いたくありません)に広島で、田母神俊雄・元航空幕僚長とご一緒に講演しました。
 フェアな武人である田母神さんは一昨年に、みごとな勇気で広島の地で「核武装すべき」を初めて提唱され、今年ももちろん、その立場を貫かれて講演されました。
 ぼくは「日本こそ核武装の権利があることを国際社会に、明示せよ。そのうえで、わたしは、ひとりの日本国民として核武装を選ばない。反対です。その賛成、反対の議論も、国会に専門の委員会ないし調査会を設置して、開始し、抑止力のためにも国際社会にその議論を開示せよ」という立場で講演しました。
 ただし、田母神さんもぼくも、核武装論議だけに終始したのでは、全くありませぬ。
 田母神さんは、たとえば福島原子力災害の克服にも多くの時間を割かれ、ぼくは、日本国の根本的なあり方に時間を割きました。


▼その翌日8月7日の日曜には大阪で、独研(独立総合研究所)が自主的に開く「独立講演会」の第2回を開き、4時間あまり連続で、話しました。(参加されたかたがたのトイレ休憩はあります。ご心配なく)
 参加されたみなさんの眼の輝きに、魂から、励まされました。

 しかし、話の中身は、いわば基礎を固めた段階で、時間切れとなりましたから、独研の総務部と協議して、なるべく早くに第3回を開くことに決しました。

 9月11日の日曜に、もう一度大阪で独立講演会を開きます。
(手違いで、独研の公式HPには、9月17日土曜となっていますが、正しくは9月11日の日曜です。きょうは公式HPの担当者が2人ともお休みで、訂正が明日8月11日になることを、深くお詫びします)
 申し込みの〆切は、、8月19日です。
 申し込まれるときの方法は、独研公式HPの該当ページ(クリックしてください。そのまま飛べます)をご覧ください。


 写真は、広島で講演した翌朝、8月7日の広島の夜明けです。
 深い感慨をもって、祈りました。

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