On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2012-01-05 15:19:26

賀正  *そしてサイン会をお知らせします (ひとこと字句を書き直しました)


みなさん、明けましておめでとうございます。

 ぼくは黒ネクタイで年を越しました。
 ひとに押しつけたり、それどころか、ひとにお勧めするつもりもゆめ、ありませんが、今年の3月11日に2万人近い同胞(はらから)の1周忌を迎えるまで続けます。
 そして、3月12日に黒ネクタイは外しますが、みなさんと同じようにぼくも生涯、2万人のかたがたを忘れることはありません。


▼この地味ブログを閉鎖するか、続けるかについては、新年のこの最初の月、1月のあいだに決したいと考えています。
 依然として、驚くほかない沢山の書き込みやEメールを、このことをめぐっていただいています。ありがとう、みなさん。
 このブログは個人ブログではありますが、戦う独研(独立総合研究所)の総務部も、意見を持っているようですから、その意見をもフェアに聴きつつ、最終的にぼくが決します。


▼書き込みの中で、たまに、ぼくの発信内容について「あれを訂正しろ、謝罪しろ」と要求なさるひとがいますが、ぼくは訂正しお詫びすべきことについては、リアルタイムですべて放送をはじめとする発信のなかで訂正し、お詫びしていますから、それ以外に訂正すべきことはありません。
 どれほど居丈高におっしゃっても、まったく無駄です。

 また、アンフェアな書き込みについては、それと判断した瞬間に、スパム通知を行ったうえで削除し、ぼくの胸中にいささかも残っていませんから、中傷誹謗の書き込みも、無駄です。

 無駄です、というのは嫌味で申しているのではありませぬ。
 実際に、無駄に終わります。
 こういう書き込みをなさるかたも、人生の時間、命の時間は、等しく貴重ですから、どうぞ時間を無駄になさらないでください。

 ぼくが気になるのは、実は中傷誹謗の書き込みよりも、あまりに自意識過剰の書き込みです。
 そうした書き込みは、ハンドルネームからして自意識過剰が感じとれる場合が多く、ご本人があまり気づかれてはいないかもしれない私心が、まさしく過剰に表れてしまっています。
 これも、そのひとのあり方、生き方ですから、こうした書き込みはスパム通知も削除もしていません。
 ただ、祖国の今後を考えると、こうした過剰な自己愛というものを憂います。


▼さて、みなさんはどのような年末年始を過ごされましたか。
 ことしは、暦の加減で年末年始のお休みが短かったから、疲れがとれていないのではないかと、いささか心配しています。
 ぼく自身は共同通信を辞めてから14年間、大晦日や元日を含めて1日も休んでいないので、この年末年始も同じでした。
 しかし、ふだんの週末も、みなが休みだとぼくもリラックスして、自分は仕事なのになぜか、胸のうちでは寛いで、なぜか、うきうきとしているのです。
 正直、この性格でないと、14年の無休生活は持たなかったと思います。


▼大晦日は、夜が明ける前から、レポートの仕上げに全力を捧げました。
 独研(独立総合研究所)から、志ある会員のかたがたへ配信しているレポートです。
 昨年は、ぼくの4つの大病と福島原子力災害などの影響で平均的な配信本数を11月末までに合計で7本、下回っていました。
 そこで12月は、最新刊「ぼくらの祖国」の完成に苦しみつつも、そのレポート7本と12月レギュラー分の4本、計11本のレポートの情報収集・執筆にも力を尽くしてきました。
 12月28日までに6本を会員へ配信しましたが、29日、30日の両日は配信することができなくて、大晦日のただ1日で5本を仕上げて配信せねばならないことになりました。

 ぼくのモバイル・パソコンは、情報量を多くするために字をとても小さく設定してあります。
 夜明け前からずっと集中して書き続け、朝を過ぎ、昼を過ぎ、夕を過ぎ、そして夜の9時ごろになると、ふだん視力の良いぼくもさすがに目が霞んで、急激に、ほとんど見えないなぁという感じになりました。
 上記のパソコンの設定のせいもあるのだろうから、せめて字を大きく設定し直せばいいのですが、こうして原稿に入り込んで集中していると、他のことは何もやりたくない、いや、やれなくなるのです。

 それでも、ここでやめるとすべてが水泡に帰すので、眼をこすりこすり書き続けて、そのあいだに久しぶりに集まった家族(息子ふたりが帰宅)と一緒に年越し・兼・クリスマスパーティをやり食事をいただきながらも書き続け、ようやくに夜11時45分にほぼ完了、配信に入って、「年内に不足分をすべて回復する」という全会員との約束を守ることができました。

 なにやら、「ぼくらの祖国」とそっくりなことが、昨年の年内にもう一度あったわけです。
「ぼくらの祖国」も、ほんとうは出版社と「年内発刊ができなければ出版自体を取りやめる」という約束になっていました。3年半も引っ張ったのですから、やむを得ないことでした。
 3年半といっても淡々と過ぎていったのではなく、原稿全文の〆切が設定される度に、出版社には編集者に加えて、校正・印刷などの全スタッフが徹夜で参集し、原稿が上がらず空しく解散するということを数え切れないほど繰り返してきたのです。
 出版社が「今年もずるずると年を越すわけにいかない」と判断したのは当然のことでした。
 編集者からはお詫びの言葉もありましたが、ぼく自身は、フェアな判断であり、今度は年を越さないというのは男の約束だと理解していました。

 しかしまぁ、こうやって、仕事上の絶対最優先の約束をいずれも果たしたうえで、西暦2012年、平成24年、日本のオリジナル・カレンダーの皇紀2672年の1月1日午前零時を迎えました。
 家族を含め、多くのかたがたの支え…そのなかには、ほんとうに励まされる書き込みをこの地味ブログにいただいたかたも沢山います…のおかげです。

 新年のはじまりに、あらためてお礼を申しあげます。


▼その「ぼくらの祖国」はとりあえず、サイン会が2つ、具体的に決まりました。
 京都と大阪です。
 東京でもきっとやれると思います。

 以下は、版元から来たメモをすこし短くしてアップします。

①1/22(日)14時~
(JR京都駅前)「アバンティ・ブックセンター京都店」
 同店にて「ぼくらの祖国」お買上げの先着100名さまにサイン会参加整理券を配布中です。
   お問い合わせTEL:075-671-8987

②2/5(日)12時~
(大阪・堂島)「ジュンク堂書店大阪本店」
 同店にて「ぼくらの祖国」お買上げの先着200名さまにサイン会参加整理券を配布中です。
   お問い合わせTEL:06-4799-1090

 お目にかかれるかたは、このサイン会でお会いしましょう。
 楽しみですね。


*写真は、きょう1月5日の夜明け前の散歩で、日の出を待つような表情の繁子です。
 繁子は、もちろん散歩が大好きだし、散歩に連れて行ってもらうのは繁子にとって、生きるうえでのたいせつな「権利」ともぼくは内心で思っています。堅い話ですから、ひとにはふだん申しませんが。
 そこで、忙しくとも、徹夜明けでも、出張などに出る前に散歩には連れて行きます。
 ちいさな身体いっぱいに喜んで、玄関を出るとき、くるくるくる回ります。
 今朝は、午前4時50分でした。
 冬の朝の、遅い日の出までにはまだずいぶんありますが、実際は繁子は夜の暗さをまるで気にしません。
 いつも前向きで、この小さき生き物に教わることが少なからずあるのです。

 みなさんもきっと、家族にペットがいらっしゃるかたは、同じように感じておられることと思います。
 みなさんの新しき年に、幸あれ。
 被災地に、光あれ。


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