On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2014-12-03 02:08:14

いきなり雪道

▼危機管理の任務で訪れていた北陸路は、12月2日火曜の午前10時を過ぎても強風がやまず、さらには強い雨がいきなり雪になったり、雹(ひょう)に変わったり、また雨に戻ったりの大荒れ。
 大阪に移る予定が、特急列車などがすべて運休になり、足を奪われてしまいました。
 いろいろ問い合わせてみるけど、運転再開の見通しは立たない。

「ぼくらの真実」(扶桑社)のゲラ直しを抱えているので、レンタカーは避けたかったけれど、こうなると信頼できるのは自分自身しかないのでレンタカーを借りようとすると、大阪で乗り捨てができるのは、最後の1台でした。

 大阪空港の営業所を、そのレンタカー屋さんでナビに入力してもらい、出発。
 ところが4時間ぐらいで到着できるはずが、8時間以上かかるという表示になっているし、高速入口への道路標識とナビ表示がずっと食い違う。
 急いでいたけど、やむを得ず止めて、ナビをチェックすると、なんと「高速道路は回避」という設定にされてしまってる。
 あ、あのねぇ、この北陸路から大阪まで、ずっと下道で行けというのかとびっくり。しかもレンタカー屋さんのエンジニアは「高速優先にちゃんと設定しておきましたよ」と断言していたのにナァ。
 日本のエンジニアや日本製の機器をめぐって、こうしたことが起きるのは、まことに珍しい。

 設定し直して再出発。.
 ずいぶん時間も距離も無駄にしてしまった。
 ところがさらに、高速へ誘導するはずのナビゲーションがデタラメ。
 止まってスマホでチェックするような時間は無いので、ナビを無視し、おのれの勘を信じて、やっと高速の入口へ。
 高速に乗るとすぐに猛烈な風と雪と雹。
 よくぞ閉鎖になっていなかったなぁと考えていたら、低速なのに明らかにふらふらとコントロールを失いかけている車を少なからず見る。

 さらにまもなく、雪が積もって完全に冬の雪道になっている区間がかなり続く。
 要は、高速がいったん閉鎖になる直前を先へ先へと走ったことになるのかな?

 ぼくのレンタカーも滑っているので、カウンターステアを当てながら、先を急ぐ。
 急がないと、近畿大学の学生諸君が待つ授業に間に合わない。
 雪道にはスキーで慣れてはいるけど、集中に集中して、ちいさなレンタカーをコントロールする。

(…車の好きな人には蛇足ながら、カウンターステアというのは、車が滑る方向にむしろハンドルを切るというか当てて、車の向きを正すことです)


▼そして大阪に着くと、やっぱりナビが、このレンタカーの大阪営業所をナビゲーションしてくれず車を同じ場所でぐるぐる回そうとするから、、探しに探して到着。

 正直か~な~り、疲れたけど、近畿大学経済学部で国際関係論の授業に臨み、きょうはペルー日本大使公邸人質事件を手掛かりに学生諸君と一緒に考えて、近畿大学から関西テレビに移動。

 いつものように、翌日の「水曜アンカー」に備えて、キャスターや報道部のみんなと議論。
 しかし急に、疲労と眠気が襲ってきて、ろれつも回らない状態で何とか頭だけはフル回転させて議論を完遂し、ホテルへ。
 ホントはすぐに眠りたいけど、ここでやっと、ゲラ直しに戻れる。
 そして今、午前2時半を過ぎました。

「ぼくらの真実」(扶桑社)は、もうネット書店の予約も始まりました。
 ぼくが今夜、確認できたのはここだけだけど、いずれ他のネット書店にも広がるでしょう。

 やがて夜が明ける今日の12月3日は水曜アンカーを無事、こなしつつ、アンカーから帰京したときに、直しが完成したゲラを、待ち構えているはずの出版社からの使いの人に渡さねばなりませぬ。
 これも、いきなりの雪道を行くがごとき綱渡りだけど、大丈夫、ぼくのナビは狂ってはおりませぬ。ふひ。
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