On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2019-04-02 11:54:40
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (9)

正確を期して ( 言葉の順番を中心に、かなり書き換えました )

▼よろしければ、みなさんも総理発言 ( 談話 ) を確認してみてください。
 確認は簡単です。
 総理官邸の公式ホームページを見れば、きのうの総理会見の全容がアップされています。
 該当の部分は、総理の冒頭発言の最後近くに出てきます。 ( 官邸公式HPでは、談話ではなく、冒頭発言と表現してあります )
「元号は、皇室の長い伝統と、国家の安泰と、国民の幸福への深い願いとともに、1400年近くに渡る我が国の歴史を紡いできました」
  ここです。
 すなわち「元号は、・・・ ( 最初の元号として大化が定められてから平成まで )   (日本全史の中でも長い期間である ) 1400年近くに渡る我が国の歴史を紡いできました」という意味ですね。
 元号の歴史と役割をごく平易に述べているわけです。
 日本の歴史全体が1400年という意味では、全くありません。 

▼歴史に基づいて幾多の著作をものし、ある世界では確たる声価を得ているプロのノンフィクション作家が「待てよ。日本の歴史が2680年近く続いている ( ・・・ことしは正確には皇紀2679年 ) という皇国史観を否定するにしても、日本の歴史が1400年近く、つまり1400年未満しかないと総理が言うのは、あまりに極端だ。おかしい」と気づかないとこと、「自分が何か勘違いしたかな」とはまったく思わないこと、それらこそ、深刻です。
 安倍総理が皇国史観を否定した、うれしい、という思い込みが先に立ったのでしょうか。

▼もう一度、申します。

 不肖わたしは個人攻撃を意図しませぬ。
 左の側からならどんな思い込みも許されるという、敗戦後の日本社会の正体こそが問題なのです。

▼ちなみに、仮に神武天皇からの暦を一切認めないという立場の人であっても、大化 ( 西暦645年~650年 ) の孝徳天皇 ( ご在位西暦645年~西暦654年・白雉5年 ) の時代から初めて日本の歴史が始まったという珍説は聞いたことがありません。
 たとえば、西暦607年に遣隋使が隋へ持って行った国書において、すでに倭の国王ではなく日出處天子(日出ずるところの天子)と表現しています。
 また総理、そして談話のライターは「645年の大化からおよそ1300年あまりと言うと1945年になってしまう。1400年近くと言うと2045年。こちらの方がいかな」と考えたのだろうと拝察できます。

 いずれにしても、この著名なノンフィクション作家にあっては、聞き間違えでは済まない誤認でしょう。
 一方で、「歴史を基にして主張し、プロとして本を書いているベテラン作家が日本の歴史を知らないのか」といったことも言うつもりはありません。

▼これもまた、ニュースには尻尾があるという一例です。
 もしもよろしければ、拙作の「日めくりカレンダー」 ( 例えばここ ) の第29日にある「ニュースには尻尾がある。それを一緒に摑もう」も参考になさってください。
「日めくりカレンダー」の第26日にある「ひとを誤解するとき、その誤解するひとの本性、欲望こそが投影する」も関連していますね。

▼ああ、やっぱり、次の独立講演会でみんなの眼を見て思い切り話したい。
 いまがその刻 (とき ) です。

第88回 独立講演会@神戸 (2019年 4月27日 : 4月5日(金)正午までお申し込み受付中!)

【講演日】2019年4月27日(土)【講演時間】14時30分~19時00分 予定
【会場】神戸芸術センター 芸術劇場(指定席) 神戸市営地下鉄・JR山陽新幹線『新神戸駅』より徒歩5分こちら
【受講料】一般 5,000円 / IDC(インディペンデント・クラブ)会員 4,000円(税込)
【申込期間】4月5日(金)正午まで

          
 
※これは、ふたつ前のエントリー、そしてひとつ前のエントリーの続きです。
 三つのエントリーを、ここから、順にご覧いただければ幸いです。
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「不安ノ解体」を【ダンでぃ】
2019-04-03 13:55:03
新元号発表のその日を待って、加えて読むのは「昼休みの約20分限定」というルールを自分に課して読ませていただいております。

という読み方ですので、3日目の今日は112ページ「あぁ脱藩」まできました。
第2章のオバマ大統領(当時)の広島訪問についての記述について、実際にオバマ大統領(当時)が広島を訪問された後での青山さんの見解も(このあとの章に出てくるのかもしれませんし、メディア等ですでに言及されているのを私が知らない可能性が大ですが)いつの日か教えて頂きたく存じます。

わたくしごと、また、僭越でもありますが、あさって金曜日から会社を休んで龍馬さんとおりょうさんが日本初の新婚旅行をされた(とされている)のと同じ道筋を嫁と二人で辿る予定です。
命かながら生きながらえ、最愛の人と過ごした薩摩でのわずかな時間に龍馬さんは何を考え、何を見つめていたのか・・・その片鱗、ひとかけらでも感じることができればと行く前から手前勝手な妄想と思いを馳せています。

青山さんのこのエントリーで、日めくりカレンダー「26日」に心ノ底から共感しました。ふひー

いつも生き様を有難うございます。
令和【竹下】
2019-04-03 13:27:24
最近は、万葉集の典拠が漢籍にあるということで攻撃している方々がいるようですね
国書からというのは嘘であると

しかし、身分を超えて集められた歌集であるという点が一番重要なのではないでしょうか
万葉集も元になったという漢籍も、意味自体は「良い月で気分が和らぐ」という意味で
「良い」は「月」に掛かっており
「良い」が「和」に掛かっている「令和」は全く意味が変わっている創作です

しかも「和」には日本という意味もあり「昭和」と同じようによく考えられた元号だと思います
我が国の元号の歴史【灰色うさぎ】
2019-04-02 17:37:03
青山さん

このノンフィクション作家の意見には日経新聞を読んで気付いておりましたが、作家本人のみならず、掲載紙の迂闊さには、毎度ながらうんざりしております。

さて、ちょうど良い記事を産経新聞のweb版で見つけました。国際日本文化研究センター准教授の日本史の研究者として著名な磯田道史氏を取材した記事で、今回の新元号『令和』に関する「国書出典で元号は第4段階に」というものです。
記事の中には磯田准教授が、「〜 1300年以上のわれわれの元号の歴史〜 」とおっしゃっておりますので、日本の歴史の中での元号の歴史が1300年以上、つまりおおむね1400年ということに間違いはないと思います。磯田准教授は専門家ですので、信頼が置けるでしょう。

ということは、このノンフィクション作家が、(1)日本史に関して無教養をさらけ出したか、(2)会見の要約をする能力もないのにノンフィクション作家を職業としているのか、(3)わかっていて何らかの意図で捻じ曲げたかのどれかではないかと思います。

(1)(2)ならば作家として読者からお金を取っていることが恥ずかしくないのか、(3)であっても作家として読者からお金を取っていながら正しい認識を届けているとは言えず、やはり恥ずかしくないのでしょうか?

まぁ、どれを取ってもプロと言い難く、新聞にコメントが載るのは理解し難いとしか……

私は、人間死ぬまでお勉強をするものと考えておりますので、このノンフィクション作家御本人には、より一層の研鑽を積み、プロとして一人前になっていただきたいと願ってやみません。
まがたま【相田真澄】
2019-04-02 17:14:52
我が国は三種の神器に 勾玉が入っているように 5000年以上の縄文のよさも継承している 類まれな歴史をつむいで いるのでは ないでしょうか? 縄文は人を殺傷した証拠がでてこない(いまのところ)素晴らしいれきしです この大切な 歴史をきちんと伝え 家族のような日本国家を実現したいです! 
もう一つの新たなる関心事【スマイル】
2019-04-02 15:53:14
青山さん、いつも発信ありがとうございます❗

昨日は令和の改元一色でしたが、もう一つの新たなかたちが出来ましたね。

出入国在留管理庁が出来ましたね~

外国人労働者の受け入れは反対ですし、移民の発想、移民を出す国の考えも嫌ですね。移民を出す国は国をどうしていくのか?を安易に放棄しているように思えてなりませんね。移民を利用する受け入れ国も、目先の利益を得る為だけに走り、後先の事を熟考しないのは無責任ですよね。ヨーロッパ、アメリカの混乱の一つの原因は移民の扱いにあったように思いますね。

さて、日本では、在日と呼ばれる韓国人、朝鮮人の方々の存在があやふやと言うか、闇の中にある部分が多く、日本人としてはちゃんと管理をしてもらいたいと常々思っていましたが、やっと、在留外国人を管理するところが出来て、良かったと思っています。日本人としては、日本は法治国家ですから、不法な、違法な部分を曖昧にした特別な外国人の存在を黙認していてはダメだと思いますね。これまで、そこに踏み込もうとすると、差別、人権を悪用して、管理を拒否し続けた振る舞いは腹立たしい限りですね。
令和の御世とは法により、日本の和を実現してもらいたいと思いますね。
縄文人【チャオ】
2019-04-02 14:41:18
東京大学の研究では大平山元遺跡で発見された世界最古級の縄文土器は、1万6,500~1万5,500年前とされるようですね。
神武天皇にも当然父母がいます。神武東征のときも、先にいた人々が存在します。日本民族の歴史は果てしなく長いものです。

安倍総理の談話はニュースで見たあとは、いつも全文をネットで確認するよう努めています。メディアの編集には違和感を覚えることが多々ありますe。
正しい歴史認識【潮 騒】
2019-04-02 13:52:42
譲位による新しい元号が決定しました。

     令 和 (れいわ)
                   
出典は万葉集との事。 令月は二月を表し、浩宮さまの誕生月となります。

これで悠久な日本に、希望に満ちた平和な日本に、成ることができます。

早春の梅の花咲く時期の、新しい出発の門出にふさわしいと思います。


自分は古代出雲王朝を通じて、日本の成り立ちを探求しています。

青山さんの主張が正しいと認識しています。
「令」【吉田敏之】
2019-04-02 12:51:30
昨日のTVニュースでは、教科書体、明朝体(常用漢字)の2種類が混在していました。今朝のラジオニュースによると、文科省の見解として、意味や由来が同じだからどちらを使用しても良いと紹介していました。
これは、文化審議会国語分科会の指針どおりですが、我が国の元号である以上、漢字表記はひとつに統一できないものでしょうか。
我が国の歴史は1600年。民族の歴史は8000年!【山中狂人】
2019-04-02 12:44:46
天皇の存在だけが、我が国の歴史ではないと思っています。
天皇は祈る人であって、祈られる神ではありません。
天皇という制度は便利だけれども、それに固執したり、神的な性格を持たせることには反対です。

歴史という学問の世界では、実在を認められた最古の天皇は、応神天皇です。
母の神功皇后も父の仲哀天皇も、まだ実在が認めれていません。
応神天皇は実在の人であっても、母は伝説時代の人なのです。
父が仲哀天皇かどうかは、まだ学者が論争しています。
だから学問としては、我が国の歴史は1600年です。
しかし民族の歴史は8000年です。
縄文6000年、弥生2000年と言われています。
縄文があったから、弥生があり、弥生の中から天皇という存在が生まれてきたのです。
ちなみに、私は邪馬台国女王卑弥呼が天照大神様だと思っています。
邪馬台国東遷=神武東遷説を支持しています。
天皇と国民の距離は、歴史と伝説の時代を行ったり来たりするぐらいで、ちょうど良いと思います。

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