On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2019-10-03 17:41:23
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (10)

忘れた日本がここにある

▼ご存じかも知れませんが、不肖ぼくは北國新聞という志ある地方紙にエッセイを連載しています。
「きたぐにしんぶん」ではなく「ほっこくしんぶん」と読みます。
 金沢に本社を置き、北陸路の有力紙として古くから知られています。
 日本は全国紙だけではなく地域に密着した大切な地方紙まで、たとえば憲法九条は墨守せねばならないといった論調の新聞が多いなか、北國新聞は公平であることに徹しつつ祖国を取り戻していく立場だと理解しています。
 安保法制成立のとき、支持を表明する、ないしその意義を客観的に評価した地方紙は、この北國新聞とあと一紙だけだったとも聞きます。

▼北國新聞には「北風抄」というコラム欄があります。
 これは何人かの筆者が持ち回りで執筆するコラムです。
 あるとき、北國新聞から前触れなく、執筆陣のひとりになって欲しいと依頼があり、即、お受けしました。
 こういう依頼には、多忙もへったくれもありませぬ。

▼国会は明日から開会で、つまりは今日までは閉会中なのですが、さまざまな任務が公務に加わったこともあり、さて何をどうしようかと内心で一瞬、思うほど、時間がありませぬ。(新しい任務については別エントリーにて、まとめて記します)
 そのなかで今朝とても早くに自宅から、北國新聞へ今回の原稿を送ることができました。
 これが23回目の送稿です。
 今回のタイトルは「忘れた日本がある」。
 何のことだと思われますか?

▼去った夏に、参議院の当選同期の有志と台湾を訪れました。
 日本の統治時代の日本人が台湾のひとびとに今も愛されている現場も含めて、じっくりと北から南まで、さらに台湾海峡を越えて金門島まで回り、議論し検証しみなで考えたときのことをぎゅっとコンパクトに凝縮して描きました。
 こうやって短く、密度を高めた文章を書くのは、愉しいですね。
 隠れた文章家であったわが母が、作文を書く子ども時代のぼくにいつもこう言っていました。
「(大作家の)吉川英治さんが、こう言ってるよ。きょうは時間が無いから長いものしか書けない。短いものは書けない」
 ほんとうに吉川英治さんがこう言っていたのか、確認したことがないので分かりません。何せずっとおふくろにこう言われていたのは、小学生の時ですから。
 ひょっとしたら、山本周五郎か大佛次郎か、他の誰かか。
 ただ、母の創作ではないと思います。たらちねのわが母は並ではない読書家でもありましたから。
 小学生の時から、母の言いたいことは良く分かりました。
 だらだら長く書くのはたやすい。しかし限られた短いスペースに、必要にして充分、しかも読んで愉しい面白いものを書くのこそ難しい。尊い。
 そういう意味でしょうね。
 ぼくはこれを母の雑談としては聞かなかったです。
 キビシイ作文指導として、いつもすこし辛い気分で聞きました。
 いま考えれば、これはプロフェッショナルな作家になるための指導としか思えないですね。母はごく自然に、ぼくが物書きの端くれになると考えていたのかなぁ。

▼話を戻すと、今回の「北風抄」は、水利技術者の八田與一さんと、帝国海軍の戦闘機乗りだった杉浦茂峰兵曹長(戦死後に少尉)に登場してもらいました。
 前者の八田さんは、飢餓を生む旱魃(かんばつ)と塩害の大地を、台湾最大の穀倉地帯に一変させたひとです。
 後者の杉浦さんは、いま台湾で神として祀られているひとです。
 この原稿が載る北國新聞は7日月曜の朝刊です。
 郵送なら、新聞を受け取ることができます。ここです。

★あ~、ほんとに沢山のことを、みんなの眼を見て話したいです。
 おおくの人にとって至便な東京に、独立講演会が戻ってきます。
 ここです。魂から待っています。
 あるいは、下掲の青いボタン「申込フォーム」を押していただくと、この地味ブログからダイレクトに申し込めます。
 質問をぜひ、書いてください。4時間半以上の講演会ですから、その場でどんどん答えられます。
 

第95回 独立講演会@東京 (2019年 11月 9 日 : お申込みの受付を開始致しました)

講演日時】2019年11月9日(土) 14時30分~19時00分 予定

 【講演内容】危機は好機、しかし意図して祖国とアジアの好機に変えねばならない。そこを一緒に考えよう その8
 
【会場】東京ビッグサイト「国際会議場」会議棟7階(指定席)
東京都江東区有明3-11-1 りんかい線「国際展示場駅」下車 徒歩7分 ゆりかもめ「国際展示場正門駅」下車 徒歩3分 都営バス 東京駅より約40分
詳しくは、こちらをご覧ください。
 
【受講料】一般 5,000円 / IDC(インディペンデント・クラブ)会員 4,000円(税込)
 
【申込期間】2019年10月2日(水)正午~ 2019年10月18日(金)正午
※申込期間内のみ、お申込みを受付致します。
 
【申込方法】「申込フォーム」ボタンをクリックし、リンク先のページよりお申込みください。
 
  
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前提が崩れつつあるのでは・・・【くるるん】
2019-10-04 13:32:38
ずっと精力的に活動なさっている青山さんのブログ、最近たくさん更新してくださるので、うれしいです。

今この瞬間も世界は変化し、私たちは歴史の先端を生きていると実感します。

北がミサイルを発射しました。
日本の排他的水域に着弾したとのこと。
今さら言うまでもなく、日本は国土全体が、北、赤いかの国の射程にすっぽり入っています。

よーく考えれば、恐ろしいことなのに、私たちは事実を知らないし、現実から目をそらされています。
武力だけでなく、内部工作により、日本は崩されつつあります。


憲法前文に、有名な一文があります。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

諸国民=少なくとも、日本の近接国は、平和を愛していますか?

赤いかの国における「平和」とは、指導者に忠誠を誓い、人権と自由を奪われた独裁状態が「平和」であるとしか考えられません。

北もやはり、体制を維持することが「平和」であり、国の民の存在は軽んじられていると思います。

「平和」とは?と考え出したら、客観的、人類共通の「平和」とはそもそも存在するのかどうかさえ、わからなくなってしまいました。

少なくとも、我が国方面に向けて、ミサイルを撃って来る国が、日本にとって「平和を愛する諸国民」とはとてもとても考えられません。

その前提が崩れたのですから、日本は自らを守る行動をとらなくてはなりません。
国滅びて、憲法9条残るような事態は避けなければなりません。


日本は、自力での軍備開発、いずれは、自衛のための核を持たなければならない時を迎えていると思います。

この問題から、目をそむけ、理想論やお花畑論をいつまでももてあそんで、日々の糧にしたりすることは、やめたいです。


私たち国民も、自ら祖国を守る覚悟を決めなければならないと思います。
ファウスト この世でもっとも美しいもの【まさとう】
2019-10-04 13:29:05
青山さんこんにちは

お母様の仰るお話し。
私の知る限り古いのは、薄田泣菫(ススキダキュウキン)の随筆「茶話」の大正6年11月19日「演説の用意」の稿です。
稿自体は、雄弁家として知られたウィルソン米国大統領の逸話ですが、その枕で「ゲーテだったか、今日は疲れたので云々」と始めています。

話しの大意を汲んで遡れば、
「砂や泥を除けて、ゆるぎない岩」を探したデカルトの懐疑主義とも
「万物は数なり」として、自然万物の裏に潜む数学理論とその証明を探したピュタゴラスとも
そして、少し強引だけれども
ノアやモーセ、選民イスラエルを囲い守り、馴染まぬ異教の徒を流し奪いさるヤハウェ神とも
通ずる態度ではないでしょうか。

「演説の用意」は広く応用が効くのか、さまざまな形に改編されております。
青山さんには、文章を書く話しとして伝わっている事が面白いです、まことに慧眼。

細部は取り去り、磨き出されたゆるぎないもの。

八田さんは、故郷をはなれ、海を渡った先で何をご覧になったのでしょうか。
技術者としてか、新しくとも同胞としてか、ただただ人としてか、何を感じられたのでしょうか。

杉浦さんは、生きるか死ぬかの瀬戸際で何を守ろうとされたのでしょう。
手を離して、逃げれば助かるかもしれないのに。

あれこれと考える余裕がなくなった時
自分を支え、導いてくれるのは
それまでの自分の生き方
目にしてきた人の処し方
そして、幼き日に染み込んだ教えかも知れませんね。


ただ、うちのカーチャン
ずっと美空ひばり歌ってたんですよねー
北國新聞【矢佐康博】
2019-10-04 11:25:19
北國新聞の販売エリアが石川富山であることは、よくも悪くも新鮮でした。
「北國」イコール北陸地方だと思いましたから。
地方新聞、あるいは全国紙でも、けっこう地域性がありますね。

今はどうか知りませんが大阪では毎日新聞を過去の紙名から「だいまい(大毎)」と読んだそうで。
憲法について?【松永尚樹】
2019-10-04 08:54:39
私、憲法について不勉強なのですけど、自分なりに思う事を書きます。
第二章 戦争の放棄 第九条ですが、それ自体無いほうが良いのではと思います。戦力は現実あるし、国際紛争を日本が望まないのは、当然だとしても、相手があっての話だと思うので、日本が何らかの形で巻き込まれる、紛争については「国際紛争を解決する手段として永久に放棄する。」は現実的なのかな?と疑問に思います。
憲法前文は、僕にとっては、色々難し事が書いてあるけど、個人的には「国は、国民の生命、安全、財産を守る事を日本国が存分する限り永久に行います。」
ぐらいの方が分かりやすいかな?と勝手に思ってます。物事を善く解ってなく、浅い考えだと思いますが
目を通していただけたら幸いです。
研究が続けられない…地方大学の悲鳴【駅蕎麦御座候】
2019-10-04 08:07:27
というタイトルで今朝のNHKおはよう日本で報じてました。国が大学の研究費用を削減、研究成果の認められた研究にのみ費用が歳出されるのです。番組では研究者が自腹を切って費用を捻出してました。ましてや研究に長い時間のかかる基礎研究分野はどうなるのでしょうか。研究の結果、成果が上がらなかったこともあるでしょう。その場合、研究費はほとんど出ない?それじゃあ研究に取り組もうとする人材がいなくなるし、実際研究者が減り続けてます。番組では企業との共同研究で研究を続けるケースで締めくくっていましたが、違うでしょ!日本の国力の源とも言える研究活動は全て国が費用を負担するんだよ。いったいいつまで緊縮財政ケチケチ罪務省に負けてんだよ。頼りにならない政治家どものせいで技術立国日本が崩壊寸前だよ。
独立講演会申し込みました。【招き猫】
2019-10-04 06:54:25
青山さん今日は
今日は熱帯低気圧に変わった台風の影響で朝から生憎の空模様です。
先日2日の日に秋篠宮さまが来県され世界遺産に登録されて今年で5周年になる富岡製糸場を視察のニュースをみていました。
こちらのいろいろな皇室に関するニュースの先入観のせいか秋篠宮さまの表情が3人のお子様達が幼いころの皇室アルバムで見た表情を思い出して晴れやかなあの頃の表情がもどるといいなって皇室ファンの一人として思ってます。
2700年あまり続いている父系の皇位継承がこれからも迷わず続く晴れやかな日を、女性宮家のリスクを回避してこれからも父系で繋がっていけるように日本の強さの根幹を守ってやって下さい。応援してます。
『あいちトリエンナーレ2019 企画展 表現の不自由展・その後』誰かの思惑どおりの展開に見えます【神戸市在住 松永】
2019-10-03 23:35:40
お疲れ様です。

 文化庁のWEBに報道発表として9月26日付で補助金適正化法第6条等に基づき,全額不交付のプレスリリース。
 補助金申請者である愛知県が、その申請にあたり不都合な事柄を申告せず補助金申請の手続きを行った為、適切な審査を行えなかった。
 要するに文化庁も愛知県に騙された被害者と言いたげです。

 何か納得がいきません。そもそも補助金交付決定の手順が悪いかと思います。
ハッキリ言って、制度設計のセンスが無いとしか思えません。(センス良く設計出来ない障害もあることは想像出来ます。)
 これでは公金が補助金の形で反社に還流するのではないかと心配です。

 もっと大事なことは、一連の騒動で真の企画者の目的は達せられたのではないかと思われます。
彼らにとっては表現の自由なんて欲しいのではなく、日本人を混乱させ日本人同士がいがみあう事が目的の様に見えます。
 そして日本人を計数的に観測しているのかもしれません。
オールドメディアの信用が地に落ちた現代、どうすれば日本人同士を分断させることが出来るかのデータ蓄積と分析です。

 この先あるであろう憲法改正の議論での意見の相違が、ご近所で孫子の代まで憎しみ合う状況になるであろうことも覚悟が必要に思います。
アメリカ頼み一辺倒から英国を加えた日本外交へ【TheSailingMiracle】
2019-10-03 22:34:50
北朝鮮のミサイルは韓国を射程にする段階から日本を射程にする段階にシフトした。今や北朝鮮の核ミサイルの開発が野放し状態になっているという現実。まったく報道されない。
トランプは核保有国とすでに認めてしまったのだろう。リビア方式の放棄とともにボルトンを退場させた。
安倍総理の期待も虚しく、トランプ任せの北朝鮮外交は終焉した。

アメリカに任せても限界があるという現実を本当に受け止めなくてはならない。もはや猶予はない。
令和の時代は日本が存続できるかどうかの時代。
世界地図から日本が無くならない理由はない。あるとすれば日米同盟のみに帰する。

活路を見出すならば、日英同盟の復活ではないか。
ブレグジットをチャンスと受け止めて日英同盟の幸福な時代を取り戻すことを真剣に考えてほしい。

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。

日本と英国で、
中国、ロシア、朝鮮半島からヨーロッパまで挟み撃ちをすることができたなら、
長い目で見て日本の国益になる。
戦略的外交において日本の百年先を見据えたら、困難が伴っても、この方向での努力を30年継続したとき日本は存続する可能性は高まる。

地政学
対米関係一辺倒からの脱却
自由主義の共有
人権、民主主義、資本主義の共有
金融の強みを持つ国同士
核兵器を持つ軍事力を持つ国との同盟
海洋国家同士
日英同盟という過去の実績
国連常任理事国である国との同盟
など


英国の価値を日本の政治家、官僚はもう一度見直してもらいたい。
国会議員の役割について【くん】
2019-10-03 20:11:09
国会が始まります。日々国益を考えて活動されている青山さんには頭が下がります。日本は米国の属国として、長い歴史を歩んで来ましたが、令和の時代はなんとか自立を図る時代にしたいものです。香港やウイグル問題に象徴されるようにファシスト国家中国が隣国に有り、韓国も赤化統一に向け邁進する状況に有り、安全保障は喫緊の課題です。こうした状況にあって、日本は、緊縮財政により国力を弱め、更に消費増税によって、国民貧困化を押し進めております。そもそも、通貨発行権のある日本政府に財源の問題はないのです。何故この常識が国会議員に浸透しないのでしょうか?国債の残高は通貨発行残高に過ぎず、返済自体不要です。これをデフレ時に税で徴収すれば、国民の所得が単に奪われるだけなのです。是非、国会議員が早くこの常識を理解し、経世済民の為に、財政を活用頂きたい。よろしくお願い申し上げます。
ムネリン【焼肉マン】
2019-10-03 19:46:59
野球から愛された男、川崎宗則選手が台湾での野球人生を始めました。野球は台湾との太い絆です。野球界の八田興一になる予感がしてます。

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