On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2019-10-31 05:50:00
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (5)

いつもの、みなさんへの連絡がずいぶん遅くなりました (思いのままに、すこし書き足しました)

▼もう58回を数える連載エッセイが、月刊Hanadaの「澄哲録片片」(ちょうてつろく・へんぺん)です。
 今月は、「絶望を踏み越える者たち」と題して、みんなと一緒に考えたいことを、ありのままに記しました。

▽原稿を編集部に送ってから毎回必ず、ゲラ直し、再校ゲラ直し、念校ゲラ直し、念念校ゲラ直しと、4度の推敲を重ねます。
 そして最後の最後の確認が終わって、しばらくすると、発売日が来る前にこの地味ブログにその発売日を記すようにしているのですが、今月は、それが遅れてしまいました。
 もう発売になってから一週間近く経っています。
 よろしければ、どうぞ。

▼月刊Hanadaという論壇誌が、雑誌も本も売れない時代によくぞ奮闘されていることに、敬意を表するとともにぼく自身も勇気づけられています。
 公務がこれだけ膨らむと、月に1回の連載の執筆時間を捻 ( ひね ) り出すことも悪戦苦闘ですが、誠実一途な若き編集者の沼ちゃんこと沼尻裕兵さんの熱意に支えられています。
 拉致被害者の救出にずっと努力されている山谷えり子参議院議員が、いつもすぐ読んでくださり、参議院の本会議場や党本部の部会の部屋で、簡潔に感想を話していただくのが毎月のちいさな愉しみです。

 できればここをご覧になって、定期の購読者が増えてくださると、連載を続ける強い励みになります。
 ぼくは、あくまでも、ひとりの物書きです。
 いや、物書きでもあります。
 しっかりした連載を続けること、読者の手に入りやすい新書を出すこと、そして新刊書を編集者たちとの約束通りに発刊すること、たとえば「ぼくらの祖国」の英訳を完成してネット版で国境を越えて問うこと、それから、実は今いちばん胸を焦がしている「未完の小説群を書きあげたい」という願い、これらが生きる理由です。
 生きる理由の、たいせつなひとつです。

 ぼくらの祖国の英訳は実は、終わっています。最終確認が残っているだけなのに、どうしても時間を作れないでいました。
 それから、ノンフィクション、小説ともに、大まかにはすでに書き上げているのに、おのれが納得できる仕上げ、完成だけがまだ・・・という原稿が山を成しているのです。
 シューベルトの「未完成」は、ぼくのもっとも愛する交響曲ですが、この未完原稿の山を残したままでは、死んでも死にきれません。

 あー、身体を鍛え直して、いかなる苦境にも耐える心身で、凡 ( すべ ) ての成すべき仕事を成し遂げたいです。
 現役社長のまま医療過誤で憤死した父のことを、ときおり考えます。
 予期しない葬儀となり、そして抜け殻のようになった母を兄姉とともに支えて諸事万端がいったん終わったあと、父の腕時計と手帳が居間のテレビの近くにあるのを、たまたま手にしました。
 日本の繊維業界全体が日米繊維交渉の犠牲となって沈められていくなかで、業界と会社のためにどれほどに粉骨砕身していたか。
 死したとは言え手帳は父のプライバシーでもありましたから、ほんの一瞬しか文字を見ていません。
 それでも万年筆の青い乱れた文字に、その苦闘と、苦闘が国立病院の医師のまさかの怠慢によって断ち切られた無念が、ありありと読み取れました。
 この胸に刻まれたままです。

 あの腕時計は、止まっていたのか、それとも父の死を知らずに時を刻んでいたのか。

 
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「月刊Hanada」を毎月楽しみにしています。【ゆみ】
2019-11-07 00:57:55
青山さん、いつも国益のために本当にありがとうございます。 ブログが更新されていて安心しました。 ずっと心配していました。

「月刊Hanada」を毎月楽しみにしています。 青山さんがハワイへ出張に行かれた時は「真珠湾の碧き海に誓う」「真珠の光と影」、近畿大学で「護る会」のお話をお聴きした後は「独立とは何か」を読み返したり、他にも「令和初の大決断は何か」「暗黒を超ゆるは明日ならず」など好きなエッセイがたくさんあります。

気分が暗くなりかけた時にエッセイを読んでいつも励まされています。 ありがとうございます。

山谷えり子議員は何年も前から応援している女性議員の中のお一人です。 長年に渡り国益のために頑張って下さっていて、子どもさん思いのとても優しいお母さまなのですね。 

夏の参議院選挙の時に女性候補が増えたのは素晴らしいことだという記事がありましたが、女性が増えればそれで良いということではなくて、その女性候補の方がどのような議員活動をして下さるのかが大切なことだと思います。 山谷えり子議員のような女性が1人でも多く当選して頂きたいと選挙の時にいつも思っています。
医療過誤ですか…【toshi】
2019-10-31 23:35:59
医療過誤で憤死って死んでも死にきれないですね

いろいろ考えてしまいます
女性いろいろ【一木一草】
2019-10-31 20:12:30
山谷えり子議員で思い出したのですが、かつて大阪府の太田房江知事が女性の土俵入りを熱望して、議論が巻き起こっていた頃、
伝統文化へのフェミニズムの侵攻に危機を感じ、山谷議員に宛てて、阻止して戴けないものかという要望を送ったことがあります。
この問題は、横綱審議委員だった内館牧子女史が学位論文に基づく「女はなぜ土俵にあがれないのか」(土俵の結界を人間の肉体の結界に重ねて「血穢」の本質を論じたもの)を出版するなど、伝統擁護派が一応勝利した形で現在に至っておりますが、良識ある女性の皆さんに改めて敬意を表する次第。
一方で、最近、自民党幹部の一人である稲田朋美議員が従来の考えを百八十度転換して、「夫婦別姓や同性婚も認めんといかん」などと発言しているとか。
もはや何をか言わんや。唖然としております。
これはまさか・・・憲法改正のために、公明・維新とのバーター取引が始まったとか?そういうことですか?
万一そういうことなら、保守政党としての理念の根幹を揺るがす「裏切り」と断ぜざるをえません。
維新の「統治機構改革」というのも何を狙っているのかわかりませんが、国家を毀損するような拙速な改憲なら、反対です。
青山さんが100人になったら【愛知のおばさん】
2019-10-31 18:29:10
青山さん、名古屋の独立講演会は、夏の終わりが見えないほど暑い8月28日でしたね。
あの日、パワフルで溌剌とされている生(笑)青山さんを拝見し、嬉しくも不思議な思いでした。
この活力はどこから来ているのかと。

あれから2ヶ月、獅子奮迅の働きを続けられましたね。
自民党内で役職を頂き、
多くの議員さんを巻き込んだ「日本の国益と尊厳を護る会」で提言をまとめられ、
既存メディアも(おそらく渋々ながら)提言の内容や青山さんのお名前を報道するようになりました。
ようやくここまで…
と嬉しく拝見しています。

でも…
さすがにお身体からクレームが来ましたか?
この前の虎ノ門ニュースで拝見したお顔は少し浮腫んでおられたような…

体調が落ちた時は、繁子ちゃんの不在が堪えますね。
あの笑顔を思い受かべるしかないのは辛いです。
温かく軟らかい体を抱き上げることができないのは寂しいです。
だけど、体を横たえて目を閉じ、
世のあれこれを思わず、繁子ちゃんのことを思えば、
きっと、温かい塊が寄り添ってきますよ。
エネルギーは不滅ですから、繁子エナジーはいつも青山さんのお側に。

10月の終わりの今日は、
首里城火災の報で夜が開け、北朝鮮のミサイル発射報道の中、陽が沈みました。
今夜、渋谷では若者たちがハロウィンを楽しんでいることでしょう。
楽しい時を過ごすのは大事なことです。
楽しめるときは楽しまなければなりません。

ハロウィンどころではない台風や大雨の被災地では、
終わりの見えない片付けに疲れた被災者の皆様が冬の到来に不安を感じておられるでしょう。
そういう方達を励ますことができるのは未来への希望です。
今はダメだけど、来年はうちらもハロウィンを楽しめるという展望…
それを与えられるのは、国家の力です。
そう、今こそ、政治の力が必要なのです。

それなのに…
日本が自然災害に翻弄され、世界は静かに不況に向かいつつある中なのに、
国会は権力闘争に終始して、何にも対応していないし、建設的な方向性を示すこともない。
愛知トリエンナーレ の表現の不自由展にも腹立たしくやるせ無い思いをしましたが、
国会の有り様も情けないやら、哀しいやら…

それでも、青山さんが国会議員になられただけで、ずいぶん、見えたものがあります。
政治家になんかなるもんかと言いながら、政治を批判する人もいますが、
当選できるような知名度と財力がある人には、ぜひ、政治家になって頂きたいです。
青山さん1人でもここまでできるのですから、
青山さんが10人になったら、
100人になったら、
日本はどんな素晴らしい国になるでしょう。

これからの選挙では、青山ブランドの政治家を厳選して推して頂ければと思います。
まずは愛知県…
なんとかして下さい。(笑)
絶望の彼方に希望を【灰色うさぎ】
2019-10-31 08:45:40
青山さん

おはようございます。

今朝は起きると首里城が火事で燃えているというショッキングなニュースが流れていて今仰天しているところです。沖縄県民の皆様はどんなに悲しんでおられることでしょう。お城は土地の人々の心の支えでしょうから。どこの県民、市民も我が町の城は大事な誇りですから。
私が沖縄に行ったのは首里城再建よりうんと前の20代の頃ですが、ふらりと入った首里の沖縄そば屋さんと仲良くなって沖縄独特のお墓を見せてもらったり、観光客と関係のないお店で道を尋ねたら大変親切だったといった思い出があります。むしろ他の思い出より一番良く残っていて、人との触れ合いの大事さを首里の町の人たちひ教えられたように思います。
首里、そして沖縄の方々の絶望の彼方に希望が1日も早く見出せますよう祈っております。

さて、少々種類の違う絶望ならしょっ中襲われている私でございますが、本来政治の心配をする柄ではありませんのに、心配をせざるを得ない毎日、それ自体が絶望でしかありませんが、青山さんが絶望をする必要はないと呼びかけられるたびに、私はリアリストだ、絶望の向こうに希望を探すと自分を鼓舞しております。だから、青山さんや仲間の議員の皆様の立ち上げられた護る会こそ我が、いえ我々の希望です。こちらのお庭を大切に思っている仲間達の心の支えでしょう。
私が本来好きなものは伝統ての美です。それらを守るには日本そのものを守らねばならないと思った時から、日本の政治を心配することになってしまいました。

スパの記事はすでに拝見いたしました。あのような大衆誌に掲載されたのは画期的ではないでしょうか?
皇室への認識が1人でも多く正されるといいですね。
Hanadaも今日買って読みますね。

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