On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-01-12 06:37:03
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イランが撃墜を認めたことをめぐって その1

▼いくつも理由は、考えられます。
 ひとつは殺された乗客にイラン国民がいちばん多かったことから、革命防衛隊にイラン国内でも不満が高まり、多くの死者を出したことが記憶に新しい反政府デモがまた起きることを警戒したのでしょう。
 ただ、もっとも大きかったのは、確たる証拠がありすぎたということだと考えています。
 革命防衛隊の地対空ミサイル発射からウクライナ国際航空機の撃墜まで克明に捉えた米軍の偵察衛星に敗れたとも言えます。
 したがって撃墜を認める声明には、米軍批判が一段と強調されています。

▼しかし、どれほど証拠があっても否定し続けて原因解明も補償も宙に浮くということも、これまでのイランには十二分にあり得ましたから、痛ましい犠牲者とそのご遺族にとっては、いくばくかの前進であると思います。
 乗客、クルーのかたがたにあらためて深い弔意を表明します。

▼それでも、これで一件落着とは、とてもいきません。
 そもそも米軍にしても、かつてイージス艦がイラン航空機を誤射によって撃墜し、多くの犠牲者が海に漂った悲惨な、生々しい記憶は消えません。
 ハイテクを誇る軍事システムでは、むしろこうしたエラーが起こりやすくなっています。
 なかでも最近では、今回の革命防衛隊の防空システムがロシア製だったように、ロシアのシステムが問題を指摘されています。

 ヒトは移動する生き物です。危ないかなと思うひとも、飛行機に乗らざるを得ません。
 無辜の乗客の命を守るために、取り組みが必要です。
 技術力の日本がそこに加わるべきです。

▼イランとアメリカ、イランと国際社会の問題も、この撃墜を認めたことによっても解決はしません。
 ご遺族への補償ひとつとってみても、これから具体的な前進が必要です。


 
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