2015-08-01 01:52:00
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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郵便箱から
▼この頃、夜半にメールの返信をいつ果てるともなく打ちながら「漕げよ マイケル」という、おなじみの人にはあまりにお馴染みの黒人霊歌を聴いている。
マイケルは冷たくて広いヨルダン川を渡るボートを漕ぐ。その母に会おうとして。ハレルヤ。漕いでも漕いでも彼岸に着かない。それでもマイケルは、ちいさく口笛を吹きながら漕ぎ続ける。ハレルヤ。
こんな感じのマザーグースを思わせる歌詞を、呑気な古い白人コーラスで聴いていると、徒労感が妙に中和される。
現地滞在たった2日間、ぼくは良くても他のスタッフが時差19時間をこなす暇も無いまま、ハワイ・真珠湾から7月28日火曜の深夜、全員 (独研3人、「虎ノ門ニュース 8時入り」のスタッフ2人の計5人) で東京に戻る。
現地ではさらにハワイ在住の3人の撮影クルーもいたから、計8人の大部隊。
暑さと強烈な太陽のもと、ひとり残らずぼくと気持ちが通じあっていた感じで、和気あいあいとロケができた。
ただしぼく自身は実のところ「もうお使いになれません」状態に近かった。
特にハワイ真珠湾の初日は、飛行機から降りてそのままシャワーも食事も何もなく、約束の時間ぎりぎりで、真珠湾攻撃の生き残りの老兵、というか超高齢の元アメリカ兵のかたにインタビューへと出向いたから、敏腕女性ディレクターから「そのぐしゃぐしゃの髪は何とかなりませんか」と何度も繰り返し聞かれたりした。
ぼくは正直、『どうせこんなボロボロの顔してんだから、おんなじじゃん』と、ほったらかし。
見苦しい画面になったと思うから、ごめんなさい。
▼帰国の機中は、クローズドの完全会員制で配信している東京コンフィデンシャル・レポート (TCR) の執筆作業。
今回はJALを使ったけど、電源が全席、壊れているという信じがたいトラブルがあり、いつも持参している予備バッテリーを使う。
しかし、それでも足りないので節電のため画面をとことん暗くして、周りの方々はみな就寝中で暗いなか、目をせいいっぱい凝らし、パソコンのキータッチの音がしないようにして書き続ける。丈夫な眼ではあるけれど、すっかりしょぼしょぼに。
首と肩が凄絶に凝っちゃった。
このTCRは15年4か月、たゆまず配信している。一度も事故があったことは無かった。
ところが先日、レポートを会員外へ持ち出されて特定の人物に渡されるという初めての事故があった。この事故の徹底調査を独研 ( 独立総合研究所 ) の総務部が行うのと並行して、ぼくは、すでに書いてあったレポート2本、それから書きかけのレポート2本の計4本を、あらためて精査して仮に事故があってもいかなる問題も生じないように工夫する見直しを、暗い画面で続ける。
しかし終了しないまま、着陸。
一睡もできず。
それはいつものこととは言え、トラブルが重なり暗闇に近いなかでの作業は、ちょっとだけは、しんどかったかな。
▼自宅へ戻ると、上記のTCRの続きに加えて、国内での未消化の仕事がどっとのしかかる。まともに考えたら頭がおかしくなりそうな多種多様…と言うほかない煩雑さ。
しかし、まだまだ耐えられる。
夜が明けた7月29日水曜の朝8時18分から、RKBラジオへの電話参加。声だけは枯れてしまっている。真珠湾にいた2日間は講演はしていないのだから声の使いすぎじゃない。「虎8」 (虎ノ門ニュース) のロケでかなり喋ったけど、それぐらいで声は枯れない。
あぁ、いつもの身体のせめてもの抵抗運動、レジスタンスなんだなと思う。聞きづらくて、リスナーに申し訳なかった。
それを終えるとすぐ、東京の郊外にある関東管区警察学校での初講義へ、出発。
交通費も出ないので自分で社有車を運転していく。これが…遠い。とくに高速を降りてからが、遠い。信号の多い、車も多い一般道を延々と走る。
ようやくたどり着いて講義を始めると、受講される警察官のみなさんの前向きな様子に、たいへん勇気づけられた…けれど、正直に言えば帰りもめちゃ遠くて、ハワイとの時差19時間もさすがにいくぶんかは影響したのか、一瞬だけふと、「もう何もかも辞めたいな」と思う。
本来のぼくは、怠け者で、欲もないから。
ただし、仮に何もかも辞めてもTCRは辞めない。会員のみなさんと1年の契約をしているから。
都心に戻って、まず耳鼻科の病院へ。無呼吸症候群の手術を控えて、血液検査。
朝から何も食べていないことに気づいて、同行のS秘書と一緒に遅すぎる昼食というか早めの夕食というか。もう午後5時過ぎだ。
さらに社有車を運転し、独研 ( 独立総合研究所 ) の本社近くのぼくの仕事場へ。
社有車を駐車場に入れるとすぐそのまま、チャンネル桜の「青山繁晴が答えて、答えて、答える」の収録に臨む。
いつも通り、一気に3本の収録。これはキツイ。それでも質問を寄せてくださったみんながいる。そのみんなと、それから番組を見続けてくださる沢山のみんなのおかげで、収録のあいだは問題なくやり終える。
だけど終わると途端に、ぐったり。
そのままパソコンに無理矢理かじりついて、TCRの執筆作業を続ける。事故に備えた工夫をどうやるか、それに難儀して、夜が明けても完成せず。
▼明けた7月30日木曜の朝も早朝に出発して、航空自衛隊の入間基地へ。
そこから多用途ジェット機のU4に搭乗して、百里基地へ。
百里基地で、領空侵犯機に対抗するためスクランブル (緊急) 発進するF15戦闘機隊の現場を見る。
基地のなか、滑走路の横に基地反対派のやぐらが建ったままで、若い女性ひとりと反対を訴えるゼッケンのようなものを付けた中年男性ひとりが見える。
自衛隊によると、このやぐらに行く反対派専用の道路を基地内に作って提供しているとのこと。
もちろん世界の基地で、こうしたことを見聞きしたことはない。
そして再び、多用途機U4に乗って百里の沖合へ飛ぶ。
このU4を領空侵犯機に仮想し、スクランブル発進したF15戦闘機隊がすぐ橫や前後に空中接近し、まず「まもなく日本の領空に入ってしまう。引き返せ」と英語で通告、しかしU4はそのまま飛び続け、F15戦闘機隊は「日本の領空を侵犯している。引き返せ」と警告、さらに翼を振って「出て行ってくれないか」とひたすらお願いする現場を体験する。
これらを無視して領空侵犯機が、たとえば東京を爆撃しようとしても、防衛出動が閣議決定されない限り、これ以上は何もできない。そしてジェット航空機の速度からして閣議決定などもちろん間に合わない。
領空侵犯機がもしもF15戦闘機を攻撃してくれれば、むしろたいへんな僥倖 (ぎょうこう / 思いがけない幸運) で、ぼくら一般市民の自然権と同じように正当防衛で対抗できる。
F15の備える高度な武器システム、世界屈指の日本の戦闘機乗りの能力が発揮されて、国民が護られる。
しかし他の国々は、日本のこうした度外れた法体系(憲法とそれに基づく自衛隊法、防衛省設置法)を知っている。なかでも中国、北朝鮮をはじめ日本とご縁の深い国々はまさしく正確、詳細に知り尽くしている。
もしものときには、F15やF2といった日本の戦闘機隊には目もくれず、日本国民の財産も生命も奪う攻撃に徹するだろう。
独研 ( 独立総合研究所 ) は毎年、ふたりづつの自衛官を研修生として受け容れている。
そのうちのひとりの戦闘機乗りはかつて「青山さん、私はそうなれば法を犯してでも領空侵犯機を撃墜します。その覚悟はできています」と非公式な個人の決意として明言したことがある。
しかしその場合、国民を救った彼は殺人罪をはじめ重罪に問われることになる。
百里の沖合の太平洋上で、ぼくはこの日本の安全保障の現実に直面していた。
こんなにもきりりと志が高く、技量も掛け値なしに世界トップレベルの航空自衛官たちが本来の抑止力を発揮できる祖国になるよう、ぼくら主権者が何をすべきかをずっと考えながら戦闘機乗りたちと空でも、地上でも対話した。
司令官から戦闘機乗り、整備士、ことごとくその敬礼が潔いことに、深い敬意を感じる。
この訓練で、わが搭乗機、そして仮想領空侵犯機のU4は最後には両翼を大きく振って、F15の警告に応えて両区外へと去っていった。
実際には、こんな善意は期待できない。
…飛行機に強いぼくも、この疲労の状態では翼を大きく振る機体の中でいくぶん気持ちが悪くなったりするかなと思ったけど、気配も無かった。親から頂いたこの心身に加えて、U4もまた航空自衛官の操縦ぶりが素晴らしかったおかげだ。
▼U4で入間基地に戻り、基地の正門近くの公園で待機してくれていたニッポン放送のラジオカーに、生放送の直前のぎりぎりの時間で乗り込む。
優れた勉強家の飯田アナのいる有楽町と繋いで、報道番組「ザ・ボイス」に参加。
ニッポン放送がラジオカーを出してくれたおかげで、これはどうにか生放送をこなせたけど、いつも木曜朝に生放送で参加している「虎ノ門ニュース 8時入り」( CS放送 / ニコニコ生放送とYouTubeで同時無料放送) は当然、ナマは無理で、事前収録だった。
ぼくが自衛隊機に乗っている間に終わったはずの、その放送が、大丈夫だったかなぁ、視聴者は生放送でなくても納得されたかなぁと内心で心配しつつ、ラジオを終えて、ラジオカーを降りてお手洗いに行こうとすると、なんと放送を聞きつけて駆けつけてくださった地元、埼玉県入間市の女性がいらっしゃった。
放送では具体的な場所を言っていないから探すのに苦労されただろうと思う。
「青山さんに、日本の良いところをたくさん教えてもらったから、いても立ってもいられず駆けつけました」と仰ってくださった。
「ぼくらの真実」( 扶桑社 )をお持ちだったのでサインし、一緒に写真に収まる。
そこから渋滞にも巻き込まれながら、ラジオカーで長駆、都内を目指す。
揺れる車中ではずっと、TCRの続き。
急いで返信をせねばならない公務のメールに次々返信するのと同時作業。
要人や当局者に電話をするのも同時進行。
メタンハイドレートの実用化をめぐって、度しがたい妨害に苦しみつつ、ある自治体トップに電話をし、志を共にしていることを確認し、すこし安堵しつつ、胸の奥でちっとも安心していないおのれ自身を、別のぼくがじっと見つめている。
祖国の闇は、分厚い。祖国の希望と同じく、大きい。
▼仕事場に戻って、TCRを続ける。
途中で若い鍼灸師が来てくれて「背中がいつもの倍に腫れあがっていますよ」と言いつつ鍼を打ってくれた。ずいぶん助けられる。終わって1時間半ほど仮眠し、TCRを再開。しかし夜が明けていくのに1本も完成せず。
完成度の高いレポート、事故があって工夫をしても内容は一切、落とさないレポートだけを送りたいので、あえて配信を遅らせる判断をする。
そして真夜中の自宅で、久しぶりに郵便箱を開いた。
…来ていました、届いていました。
8月7日に発刊となる、「ぼくらの祖国」の新書版( 扶桑社新書 )が !
▼う~ん、いい感じ。
こんなことを、おのれの本について書くのはちと恥ずかしいけど。
手にしたコンパクトな感じ、巻尾の「朝( あした )の祈り」の書き下ろしの感じ、そして、ふだんの扶桑社新書の定番とはまったく違う色使いにしてくれた版元と編集者の気持ちが凄く伝わってくる。
翌朝、独研 ( 独立総合研究所 ) の本社へ持って行き、大喜びしてくれたS秘書に持ってもらって写真撮影。
↓ 背と裏表紙は、扶桑社新書の定番の柔らかい色合い。
↓ ところが表紙は、ハードカバー版の「ぼくらの祖国」のデザイン・色使いになっている!
そして帯には新しい言葉。
ちなみに背景は、メタンハイドレートの実用化をめぐる各国( 日本、アメリカ、オーストラリア、ロシア、中国、韓国、そしてEUの全加盟国 )の特許証です。
↑この書を生みだしたパソコンの横に置いてみる。
ぼくの写真は、独立講演会でのもの。
…よろしければ、8月7日から書店で手に取って、感じを確かめてみてください。(予約は、たとえばここ)
マイケルは冷たくて広いヨルダン川を渡るボートを漕ぐ。その母に会おうとして。ハレルヤ。漕いでも漕いでも彼岸に着かない。それでもマイケルは、ちいさく口笛を吹きながら漕ぎ続ける。ハレルヤ。
こんな感じのマザーグースを思わせる歌詞を、呑気な古い白人コーラスで聴いていると、徒労感が妙に中和される。
現地滞在たった2日間、ぼくは良くても他のスタッフが時差19時間をこなす暇も無いまま、ハワイ・真珠湾から7月28日火曜の深夜、全員 (独研3人、「虎ノ門ニュース 8時入り」のスタッフ2人の計5人) で東京に戻る。
現地ではさらにハワイ在住の3人の撮影クルーもいたから、計8人の大部隊。
暑さと強烈な太陽のもと、ひとり残らずぼくと気持ちが通じあっていた感じで、和気あいあいとロケができた。
ただしぼく自身は実のところ「もうお使いになれません」状態に近かった。
特にハワイ真珠湾の初日は、飛行機から降りてそのままシャワーも食事も何もなく、約束の時間ぎりぎりで、真珠湾攻撃の生き残りの老兵、というか超高齢の元アメリカ兵のかたにインタビューへと出向いたから、敏腕女性ディレクターから「そのぐしゃぐしゃの髪は何とかなりませんか」と何度も繰り返し聞かれたりした。
ぼくは正直、『どうせこんなボロボロの顔してんだから、おんなじじゃん』と、ほったらかし。
見苦しい画面になったと思うから、ごめんなさい。
▼帰国の機中は、クローズドの完全会員制で配信している東京コンフィデンシャル・レポート (TCR) の執筆作業。
今回はJALを使ったけど、電源が全席、壊れているという信じがたいトラブルがあり、いつも持参している予備バッテリーを使う。
しかし、それでも足りないので節電のため画面をとことん暗くして、周りの方々はみな就寝中で暗いなか、目をせいいっぱい凝らし、パソコンのキータッチの音がしないようにして書き続ける。丈夫な眼ではあるけれど、すっかりしょぼしょぼに。
首と肩が凄絶に凝っちゃった。
このTCRは15年4か月、たゆまず配信している。一度も事故があったことは無かった。
ところが先日、レポートを会員外へ持ち出されて特定の人物に渡されるという初めての事故があった。この事故の徹底調査を独研 ( 独立総合研究所 ) の総務部が行うのと並行して、ぼくは、すでに書いてあったレポート2本、それから書きかけのレポート2本の計4本を、あらためて精査して仮に事故があってもいかなる問題も生じないように工夫する見直しを、暗い画面で続ける。
しかし終了しないまま、着陸。
一睡もできず。
それはいつものこととは言え、トラブルが重なり暗闇に近いなかでの作業は、ちょっとだけは、しんどかったかな。
▼自宅へ戻ると、上記のTCRの続きに加えて、国内での未消化の仕事がどっとのしかかる。まともに考えたら頭がおかしくなりそうな多種多様…と言うほかない煩雑さ。
しかし、まだまだ耐えられる。
夜が明けた7月29日水曜の朝8時18分から、RKBラジオへの電話参加。声だけは枯れてしまっている。真珠湾にいた2日間は講演はしていないのだから声の使いすぎじゃない。「虎8」 (虎ノ門ニュース) のロケでかなり喋ったけど、それぐらいで声は枯れない。
あぁ、いつもの身体のせめてもの抵抗運動、レジスタンスなんだなと思う。聞きづらくて、リスナーに申し訳なかった。
それを終えるとすぐ、東京の郊外にある関東管区警察学校での初講義へ、出発。
交通費も出ないので自分で社有車を運転していく。これが…遠い。とくに高速を降りてからが、遠い。信号の多い、車も多い一般道を延々と走る。
ようやくたどり着いて講義を始めると、受講される警察官のみなさんの前向きな様子に、たいへん勇気づけられた…けれど、正直に言えば帰りもめちゃ遠くて、ハワイとの時差19時間もさすがにいくぶんかは影響したのか、一瞬だけふと、「もう何もかも辞めたいな」と思う。
本来のぼくは、怠け者で、欲もないから。
ただし、仮に何もかも辞めてもTCRは辞めない。会員のみなさんと1年の契約をしているから。
都心に戻って、まず耳鼻科の病院へ。無呼吸症候群の手術を控えて、血液検査。
朝から何も食べていないことに気づいて、同行のS秘書と一緒に遅すぎる昼食というか早めの夕食というか。もう午後5時過ぎだ。
さらに社有車を運転し、独研 ( 独立総合研究所 ) の本社近くのぼくの仕事場へ。
社有車を駐車場に入れるとすぐそのまま、チャンネル桜の「青山繁晴が答えて、答えて、答える」の収録に臨む。
いつも通り、一気に3本の収録。これはキツイ。それでも質問を寄せてくださったみんながいる。そのみんなと、それから番組を見続けてくださる沢山のみんなのおかげで、収録のあいだは問題なくやり終える。
だけど終わると途端に、ぐったり。
そのままパソコンに無理矢理かじりついて、TCRの執筆作業を続ける。事故に備えた工夫をどうやるか、それに難儀して、夜が明けても完成せず。
▼明けた7月30日木曜の朝も早朝に出発して、航空自衛隊の入間基地へ。
そこから多用途ジェット機のU4に搭乗して、百里基地へ。
百里基地で、領空侵犯機に対抗するためスクランブル (緊急) 発進するF15戦闘機隊の現場を見る。
基地のなか、滑走路の横に基地反対派のやぐらが建ったままで、若い女性ひとりと反対を訴えるゼッケンのようなものを付けた中年男性ひとりが見える。
自衛隊によると、このやぐらに行く反対派専用の道路を基地内に作って提供しているとのこと。
もちろん世界の基地で、こうしたことを見聞きしたことはない。
そして再び、多用途機U4に乗って百里の沖合へ飛ぶ。
このU4を領空侵犯機に仮想し、スクランブル発進したF15戦闘機隊がすぐ橫や前後に空中接近し、まず「まもなく日本の領空に入ってしまう。引き返せ」と英語で通告、しかしU4はそのまま飛び続け、F15戦闘機隊は「日本の領空を侵犯している。引き返せ」と警告、さらに翼を振って「出て行ってくれないか」とひたすらお願いする現場を体験する。
これらを無視して領空侵犯機が、たとえば東京を爆撃しようとしても、防衛出動が閣議決定されない限り、これ以上は何もできない。そしてジェット航空機の速度からして閣議決定などもちろん間に合わない。
領空侵犯機がもしもF15戦闘機を攻撃してくれれば、むしろたいへんな僥倖 (ぎょうこう / 思いがけない幸運) で、ぼくら一般市民の自然権と同じように正当防衛で対抗できる。
F15の備える高度な武器システム、世界屈指の日本の戦闘機乗りの能力が発揮されて、国民が護られる。
しかし他の国々は、日本のこうした度外れた法体系(憲法とそれに基づく自衛隊法、防衛省設置法)を知っている。なかでも中国、北朝鮮をはじめ日本とご縁の深い国々はまさしく正確、詳細に知り尽くしている。
もしものときには、F15やF2といった日本の戦闘機隊には目もくれず、日本国民の財産も生命も奪う攻撃に徹するだろう。
独研 ( 独立総合研究所 ) は毎年、ふたりづつの自衛官を研修生として受け容れている。
そのうちのひとりの戦闘機乗りはかつて「青山さん、私はそうなれば法を犯してでも領空侵犯機を撃墜します。その覚悟はできています」と非公式な個人の決意として明言したことがある。
しかしその場合、国民を救った彼は殺人罪をはじめ重罪に問われることになる。
百里の沖合の太平洋上で、ぼくはこの日本の安全保障の現実に直面していた。
こんなにもきりりと志が高く、技量も掛け値なしに世界トップレベルの航空自衛官たちが本来の抑止力を発揮できる祖国になるよう、ぼくら主権者が何をすべきかをずっと考えながら戦闘機乗りたちと空でも、地上でも対話した。
司令官から戦闘機乗り、整備士、ことごとくその敬礼が潔いことに、深い敬意を感じる。
この訓練で、わが搭乗機、そして仮想領空侵犯機のU4は最後には両翼を大きく振って、F15の警告に応えて両区外へと去っていった。
実際には、こんな善意は期待できない。
…飛行機に強いぼくも、この疲労の状態では翼を大きく振る機体の中でいくぶん気持ちが悪くなったりするかなと思ったけど、気配も無かった。親から頂いたこの心身に加えて、U4もまた航空自衛官の操縦ぶりが素晴らしかったおかげだ。
▼U4で入間基地に戻り、基地の正門近くの公園で待機してくれていたニッポン放送のラジオカーに、生放送の直前のぎりぎりの時間で乗り込む。
優れた勉強家の飯田アナのいる有楽町と繋いで、報道番組「ザ・ボイス」に参加。
ニッポン放送がラジオカーを出してくれたおかげで、これはどうにか生放送をこなせたけど、いつも木曜朝に生放送で参加している「虎ノ門ニュース 8時入り」( CS放送 / ニコニコ生放送とYouTubeで同時無料放送) は当然、ナマは無理で、事前収録だった。
ぼくが自衛隊機に乗っている間に終わったはずの、その放送が、大丈夫だったかなぁ、視聴者は生放送でなくても納得されたかなぁと内心で心配しつつ、ラジオを終えて、ラジオカーを降りてお手洗いに行こうとすると、なんと放送を聞きつけて駆けつけてくださった地元、埼玉県入間市の女性がいらっしゃった。
放送では具体的な場所を言っていないから探すのに苦労されただろうと思う。
「青山さんに、日本の良いところをたくさん教えてもらったから、いても立ってもいられず駆けつけました」と仰ってくださった。
「ぼくらの真実」( 扶桑社 )をお持ちだったのでサインし、一緒に写真に収まる。
そこから渋滞にも巻き込まれながら、ラジオカーで長駆、都内を目指す。
揺れる車中ではずっと、TCRの続き。
急いで返信をせねばならない公務のメールに次々返信するのと同時作業。
要人や当局者に電話をするのも同時進行。
メタンハイドレートの実用化をめぐって、度しがたい妨害に苦しみつつ、ある自治体トップに電話をし、志を共にしていることを確認し、すこし安堵しつつ、胸の奥でちっとも安心していないおのれ自身を、別のぼくがじっと見つめている。
祖国の闇は、分厚い。祖国の希望と同じく、大きい。
▼仕事場に戻って、TCRを続ける。
途中で若い鍼灸師が来てくれて「背中がいつもの倍に腫れあがっていますよ」と言いつつ鍼を打ってくれた。ずいぶん助けられる。終わって1時間半ほど仮眠し、TCRを再開。しかし夜が明けていくのに1本も完成せず。
完成度の高いレポート、事故があって工夫をしても内容は一切、落とさないレポートだけを送りたいので、あえて配信を遅らせる判断をする。
そして真夜中の自宅で、久しぶりに郵便箱を開いた。
…来ていました、届いていました。
8月7日に発刊となる、「ぼくらの祖国」の新書版( 扶桑社新書 )が !
▼う~ん、いい感じ。
こんなことを、おのれの本について書くのはちと恥ずかしいけど。
手にしたコンパクトな感じ、巻尾の「朝( あした )の祈り」の書き下ろしの感じ、そして、ふだんの扶桑社新書の定番とはまったく違う色使いにしてくれた版元と編集者の気持ちが凄く伝わってくる。
翌朝、独研 ( 独立総合研究所 ) の本社へ持って行き、大喜びしてくれたS秘書に持ってもらって写真撮影。
↓ 背と裏表紙は、扶桑社新書の定番の柔らかい色合い。
↓ ところが表紙は、ハードカバー版の「ぼくらの祖国」のデザイン・色使いになっている!
そして帯には新しい言葉。
ちなみに背景は、メタンハイドレートの実用化をめぐる各国( 日本、アメリカ、オーストラリア、ロシア、中国、韓国、そしてEUの全加盟国 )の特許証です。
↑この書を生みだしたパソコンの横に置いてみる。
ぼくの写真は、独立講演会でのもの。
…よろしければ、8月7日から書店で手に取って、感じを確かめてみてください。(予約は、たとえばここ)
ありがとうございました!【mina】
2015-08-07 02:04:46
先週のボイス終了後に入間基地のそばの公園でお声をかけさせていただいた者です。本当にお忙しい中、素敵な笑顔で対応してくださってありがとうございました!
青山さんの脱私即的の文字の入ったぼくらの真実は我が家の家宝となっております。
ブログを読ませていただき、青山さんが寝る間も惜しんでお仕事をされているのを知り、お身体が心配になりました。お疲れの所お声をかけてしまってすみませんでした。
ボイス、虎ノ門8時入り、答えて答えて答える、ぼくらの祖国、ぼくらの真実を知り、日本の良い所に感謝し、悪い所も現実を踏まえながら良い方向に向かうにはどうしたらいいのか、考えるようになりました。その中で、地元の入間基地で働かれている自衛隊員の方々の訓練を知り、隊員の方々が私達の知らない所で潔く美しい志のもと、日本の安全の為にご尽力されていると思うと胸が熱くなりました…。
日本の良い所を教えてくださってありがとうございます。
最後に、暑い日が続きますがどうかお身体をご自愛ください…。
尊敬している青山さんへ【植田】
2015-08-05 09:33:29
一緒に頑張りましょう!
右も左もあった【ボイスリスナー】
2015-08-05 07:34:29
社民系組織メンバーの「拉致より憲法」発言に家族会反発 秋田街頭で隣で活動中、「被害者家族の思い踏みにじる」
http://www.sankei.com/world/news/150804/wor1508040057-n1.html
「拉致事件の解決に右も左もない」
左の人はそうは思っていないようで残念です。
青山さん【中村にゃん】
2015-08-05 01:07:04
「ぼくらの祖国」新書発売、ありがとうございます。
姪たちに贈らせていただきます。
ほんとうは・・・【ねこまんじゅう】
2015-08-04 22:37:27
先生が頑張っていらっしゃるからわたしも頑張れる。日本という国に生きていられることに感謝しつつ・・・
お背中、なでなでしてさしあげたいよ~
最近【黒沢章】
2015-08-04 21:30:04
三沢空港【保谷武夫】
2015-08-04 20:57:05
ぼくそこの思ひ出【スマイル】
2015-08-04 20:52:03
帯の青山さんの写真にオーラを感じました❗(笑)
ぼくそこが発売された頃の事を思い出します。発売当初は品切れが目立ち、blogの読者の皆さんが、各書店に何冊あるとか、報告していましたよね。懐かしいです。青山さんが世に問うたこのすばらしい書~ぼくらの祖国が今に至るまで読み継がれてきたのが本当に嬉しいです。更に、新書版が出て、たくさんの国民に読まれていくことを願っております。新たにお書きになった前文を楽しみにしてますね。勿論、私は買います❗(笑)ぼくそこは電子書籍も購入しましたから、新書版を買うと、ぼくそこ三兄弟の完成です。日本とは何か?祖国とは何か?分かっていたようで、分かっていなかったことを、青山さんに教えられた書です。憲法、安全保障を考える暑い夏に、ぼくそこを読み返したいと思います。
軽減税率導入について【西 真一郎】
2015-08-04 18:29:20
那覇空港で働く者です。【匿名希望(20代)】
2015-08-04 18:24:31
僕らの祖国・新書版、完成、おめでとうございます!そして、ありがとうございます!
ハードカバー版購入者ですが、必ず書店で買います。
お盆に実家に帰るので、この本を手に両親と語らいたいと思います。
私が勤める那覇空港は、まぎれもなく自衛隊の最重要基地の一つです。
訓練、スクランブルか素人目には判断できませんが、轟音と共に飛翔するイーグルは、
私にとって希望と体力回復剤です(笑)
夜勤明けや暑い中での作業でも、あの姿を見ると力が湧いてきます。
F15だけでなく、様々な機種が那覇空港には配備されており、すべて、この沖縄と、
空と海を護るための剣であり、パイロットの方々を含む全ての自衛官が、
我々の守護者です。
また、隣接する那覇軍港には海保の巡視船が停泊してます。
海保職員も、我が国の領海を護る守護者です。
全ての守護者がそれぞれのお役目を、全身全霊で発揮されるには、憲法の改正が必要です。
憲法9条改正が行われることが、真の意味の独立、真の意味での戦後、と、考えます。
英霊はいつも見ています。
我々と守護者の姿を、明日を…。
憲法改正を、必ず我々の手で、成し遂げましょう。
8月7日に発刊ですね、「ぼくらの祖国」の新書版( 扶桑社新書 )!!【石井 恵子】
2015-08-04 16:17:17
神様、青山さんをどうかお守りください
-------------------------------------------------------------
私も、同じ思いです~。
『まず耳鼻科の病院へ。無呼吸症候群の手術を控えて、血液検査。』
『途中で若い鍼灸師が来てくれて「背中がいつもの倍に腫れあがっていますよ」と言いつつ鍼を打ってくれた。朝から何も食べていないことに気づいて、同行のS秘書と一緒に遅すぎる昼食』
で、少しですが、良かった、と思います。
何度もすみません…【谷口友香】
2015-08-04 12:20:05
間違いを訂正させて下さい。
正しくは、
聞けていないところに問題が起こり
聞けているところに問題は起こらない。
が正解です…
すみません。
慌てて間違えました。
涙があふれてきます。【谷口友香】
2015-08-04 09:08:23
何の涙だろう…
まず、想像を絶するような激務をこなされている青山さんの新しいコメントがアップされることで、青山さんの魂を肌で感じる事ができたという事に対する喜びの気持ちから。
それと、日々自分の中で
地上波テレビやマスコミ、新聞等によるおかしな方向への導きばかりを感じさせる報道の仕方に違和感を感じている部分。
周りがそれに完全に流され、身近なところで解り合える人があまりに少なすぎる事に対する
気持ちの重さとモヤモヤが、
青山さんのコメントを読ませて頂き、ス~ッと軽くなれたこと。
その瞬間、涙が溢れてしまいました。
気づいているところに問題は起こり
気づいていないところに問題は起こらない。
人として大切な事を
青山さんからまだまだ学ばせて頂きたいと思っています。
常に謙虚で、前向きに。
自分の為より、他人(ひと)の為…
祖母がいつも語っていたことばを、ふと思い出しました。
「情けは人の為ならず」
諦めないで、真っ直ぐ生きよう!
青山さん、ほんとにいつも折れそうになる心を
元に戻して頂き、有難うございます。
感謝してもしきれないくらい、深く深く感謝しています。
考えてみたら、
自分に出来る事なんて、ちっちゃい事ばかりですが…
とにかくコツコツが一番!と自分に言い聞かせて
祖国の真の平和を考えていきたいと思っております。
どうか、ご自愛下さい。
お疲れのところ
失礼しました。
安倍総理大臣はお辞めなさい【静】
2015-08-04 07:19:46
あなたさんは政府当局者や要人にそれぐらいは言えるでしょう。
安倍さんは総理大臣を辞めるところまできたのです。
ふう~【中原れい】
2015-08-04 06:58:49
読んでるだけで疲れてしまいました。
神様、青山さんをどうかお守りください。
ぼくらの祖国待ち遠しいです【Atsuko CARREAU】
2015-08-04 04:21:04
ぼくらの祖国は、友人の息子さんの高校入学祝に贈っています。
4月の入学前から読書感想文を学校側から要請されていたようで、ぼくらの祖国の感想文を書いたそうです。
大変感謝されました。
わたしは、フランスに住んでいるのに青山さんの「平成」まで持っている大ファンです。青山さんの大方の御著書を拝読しているはずです。
しかし、なぜか、ぼくらの祖国を手にしていなかったのです。
青山さんの動画は多分、全部拝見しています。
だから、読んでいなくても分かったような気になってもいました。
でも、新書のあとがき、それは絶対読みたい!
と思って今回持って来てもらうことにしたのです。
もちろん、この本を手にしたら、拝読するのはあとがきだけではありませんが。
今月、姪っ子が日本から観光に来るので、頼みました。
待ち遠しいです。
ところで、青山さんのブログを拝見していると、あまりにも寝ていらっしゃらないので、読んでいるわたしまでも睡眠不足状態のように朦朧となってしまう。
わたしの健康のためにも、もうちょっと眠って下さい。