On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-02-18 12:40:59
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (0)

移動のバスの車中から その2 (ひとこと、直しました)

▼一昨日の2月16日に「武漢熱と季節」と題したエントリーをアップしました。
 不肖ぼくは、そのなかでコロナウイルスの一般的な特性と、武漢熱を区別して記しています。
 しかし、いただいたコメントの中には、ぼくが武漢熱が春になると終息すると記したかのように誤解して、コメントによってはかなり意図的にそう解釈して、寄せられるコメントが散見されます。

▼そこで念のため、2月16日のエントリーの記述について、ひとつひとつさらに解説しておきます。

▽『武漢熱と季節』

→ このタイトルは、武漢熱が季節によって消滅するということは何も意味していません。
 厚労省と接していると、厚労省の行政官(官僚)によっては、そのような甘い期待も感じとれることがあり、それは公表されざる、そして良くない姿勢であるから、この地味ブログを通じて、みなさんに明かすという意味合いのタイトルです。
 
▽『そのまえに、あらためて意識しておかねばならないのは、武漢熱には、発生源の武漢に信頼できる国際調査団が入れないという決定的な問題があるという事実です。
 上記の自由民主党対策本部の議論でも、たとえば、アメリカのCDC ( 疾病予防センター ) が何度も入ろうとして、すべて中国政府に阻止されたという事実の開示が、実質的にありました。
 もしWHOの調査団が入っても、まことに残念ながら、中国が陳馮富珍 ( マーガレット・チャン ) さんを事務局長に送り込んでからのWHOは信用できません。ちなみに、「感染症に地名を入れない」という方針を打ち出したのも、そのマーガレット・チャン事務局長の時代です。
 したがって安易な楽観論は禁物です』という記述。

→ その通り、これがぼくの変わらない基本姿勢です。
 WHOについては、現在の事務局長も一部に辞任要求も出ているとおり問題ですが、中国が10年半にわたっていわば直に送り込んでいた女医さんである、陳馮富珍 ( マーガレット・チャン )事務局長の時代に採られた施策には、疫病の命名をめぐる方針も含めて、いずれ危機が起きたとき中国に有利になることを期した疑いのあるものが含まれていると考えます。

▽『一方で、コロナウイルスそのものは決して、強いものではありません。イメージで考えると間違います。
 まず消毒や石鹸に弱い。
 そして高い気温にも弱いです。
 ですから季節がこれから暖かくなることには意味があります。
 もう一度、言います。武漢熱はその発生の経緯が不可思議であり、公正な調査がまだ期待できない感染症である限り、楽観は決して許されません。
 同時に、コロナウイルスは消毒や石鹸類をきちんと使った手洗いには弱く、これから春になるに従って、コロナウイルスにとって条件はどんどん厳しくなります』という記述。

→ これも、その通り。コロナウイルスの一般原則としては消毒、洗浄、高温に弱い、しかし同時に、武漢熱は中国の情報閉鎖により正体不明であるから楽観は許されないと記しています。

▽『前述の対策本部で不肖ぼくは「日本でフェーズ ( 感染の局面 ) が変わったということは、中国でも変わったということです。武漢や湖北省での感染の拡がりは、その弱まりがやや見通せるようになる可能性、あくまで可能性ではあるが、それが出ていると同時に、上海や北京を含めた人口の多い、中国国内の他地域への拡がりは懸念が深まっている。だから水際で止めてももはや意味がないというのではなく、中国全土からの日本への渡航を当面、すべて停止してください」と、あらためて強く求めました。
 これに対して厚労省などの政府側の答弁は、含みを持たせつつも否定的なのは、ひとつにはこの「気温が上がれば終息に向かうかも」という意識があるのではないかと考えます。
 政府の答弁には、明言、言葉としては一切ありませんでした。そんなことを今言うと、袋だたきに遭うからでしょう。
 しかし非公式な接触、議論などからは、それが感じとれます』という記述。

→ はい、この通りです。厚労省をはじめ政府側の回答ぶりには、こうした甘い期待があることに対して、ささやかながら警鐘を鳴らしています。

▽『いや、待ちは駄目です。
 中国全土からの渡航を停止してから、季節の変化、気温上昇の影響を慎重に、丁寧に、見るべきなのです。
 それが日本国民を護るということです』という記述。

→ この通りの結語です。
 コロナウイルスの一般的な常識を厚労省の行政官たちは熟知しているからこそ、それに安直に乗っからず、武漢熱に対しては慎重、丁寧に対応してください、そのためにも中国全土からの渡航を停止せよ、と記しています。

★テロリズムであれ感染症であれ、危機が生じると、凄まじい量の情報が社会に噴出します。
 ネット時代ですから、かつては考えられないほど、そして情報の扱いが仕事、本職でないひとではとても処理しきれないほどの情報となります。
 したがって、ひとつの情報は良くて読み流し、ちょっと囓(かじ)るだけになりがちです。
 それはある意味、当然のことです。
 したがって、ぼくのエントリーを読み違えたとか非難しているのでは全くありません。
 歪んだ意図を持って、ねじ曲げて解釈する人あるいは組織を別として、一般的にはやむを得ないことです。
 ぼくは情報が本職のひとつです。
 だから相当なスピードで情報を読み解きます。しかし、これは長年の訓練、そして失敗という貴重な宝物のおかげです。
 一般のかたがたが、武漢熱のような危機に際して情報を正しく処理するための第一の原則は、情報を選び、その情報は急がずに、ゆっくりじっくり読み解くことですね。
 もう、充分にご承知だと思います。
 だから釈迦に説法です。
 しかし念のために、記しておきます。

 みんなで一緒に考えましょう。
 みんなで一緒に、中国の独裁主義が祖国と世界に及ぼしている厄災に、立ち向かいましょう。

 
  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ

 

コメントは原則非公開です。それをご理解のうえ、投稿してください

名前
タイトル
メールアドレス
コメント
認証入力
画像認証 CAPTCHA Image 画像変更

※入力欄はすべて必須です。
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。

もう一度、コメントがすべて「原則非公開」であることを確認され、投稿ボタンを押してください。

  • ページのトップへ