On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2015-11-16 03:43:58
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (7)

11月15日は…

…横田めぐみさんが北朝鮮の工作員によって、日本国の新潟市でいわば公然と、意識を失うまで殴られ、真っ暗な船倉に詰め込まれ、拉致された日です。


▼それは西暦1977年のことでした。
 多くのマスメディアが沈黙していても、きちんと覚えている国民は少なくありません。
 この地味ブログに頂くコメントにも、それが表れています。

 ネット上に産経新聞が開設した iRONNA という論壇があります。
 そこに昨日11月15日を期して、拉致について一文を記しました。
 ここです。
 よろしければ、ご覧ください。


▼いま11月16日月曜の午前3時49分。
 国内の出張先にいます。
 まもなく夜が明けると、社有車を運転して、東京への帰途につきます。
 そして、テレビ朝日に向かいます。
 今日は午前10時半過ぎから「ワイド・スクランブル」の第1部、午後零時半過ぎからその第2部、いずれにも参加して、パリの無差別テロについて話します。

 横田めぐみさんを含む数多くの同胞が拉致された事件もまた、未曾有の、未解決のテロです。


▼テレビ朝日のあと、都内で独研(独立総合研究所)が主催して開く、重要会議に臨みます。
 これは、テロ対策の実務を官民連携して遂行するための会議です。
 不肖ながら進行役を務めます。
 この会議は、実に17年にわたって続いています。テロリストや外国勢力に情報を盗まれないよう、一切が非公開です。
 ぼくが共同通信を去って三菱総研に入り、そのすぐ後から官と民に呼びかけて、発足しました。
 独研 ( 独立総合研究所 ) を創立してからも、秘を完璧に保ったまま続いています。 
 以来、日本のテロ対策に水面下で長いあいだ貢献しています。
 ありのままに申せば、評論家やテレビのコメンテーターの世界とは、真逆の別世界です。すべて実務です。

 一民間人の呼びかけに応じて、深い連携を構築している官と民それぞれの良心的なひとびとに、こころから感謝しつつ、「テロリズムによる戦争」という新しい脅威の時代に、責任が高まるのも感じています。


▼ただし、この会議は、ある社会インフラにターゲットを絞ってテロの未然抑止を構築しています。
 今回のパリ無差別テロのような、市中の繁華街と、ごく一般的な市民を狙うテロは対象にしていません。
 今回の事態には別途、別種の官民連携が必要です。


▼テレビ・ラジオは、ぼくなりのささやかな問題提起を広くみなさんに致すために参加しています。
 今日で申せば、テレビ朝日のあとのこの会議が例えば、ぼくの本職のひとつです。

 それは一般の人の目に触れることが永遠に無く、ある特定のテロから国家、国民を護るという成果を別にすれば、報われることもまた、おそらくは永久にありませぬ。
 
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iRonna拝読しました【だいすけ】
2015-11-17 20:29:47
青山さん

いつもネットでの発信を拝見しております。

この度のiRonnaも、胸にグッとくるものを感じながら拝読しました。

終わりの文節にある、国内の北朝鮮、中国の協力者を排除していこう、という呼びかけには全く同感です。
しかし、私を含めて青山さんの発信される情報に触れている者は何となく見分けがつくかなぁ位の認識はあるにしても、そうで無い多くの国民には該当者なのかどうかと判断する根拠以前に、そういった事に興味すら抱かないのが普通なのではないかと思います。

こういった原因として私としてはやはり、正しい情報を発信できる、出来ている所が圧倒的に不足していると考えてます。
出来れば青山さんのクローンが何人かいれば良いのかなと思うのですが、さすが青山さんでもそれは現実的ではないので、そう言った人材の育成も何とかやってもらえないかなと思っております。

非常に多忙な青山さんにこれ以上のご負担をかけるのは駄目だとはわかっていても、青山さんが1人で頑張ってらっしゃる状況を鑑みれば、不謹慎ではありますが1が0になった時を考えるとゾッとしてきます。
気持ちのを持続すること【ねこのハッピー】
2015-11-17 10:26:53
青山繁晴様

29日講演会、当選しました!ありがとうございます。

幼くも、感受性豊かだったあの頃、確か産経新聞が報じた初の拉致事件の衝撃は、今もその感情にたち戻ることができるほどの大きさです。
子供であったので法外な理不尽な怒りを「怖い」としか表現できませんでした。

しかし悲しいかな、報道されない事象は存在しないのであって、その後を追跡し奪還を追求し続けませんでした。
あれから無作為の時間がとうとうと流れ、横田ご夫妻の姿を見るたび、国民のひとりとして申し訳なさと無力感に襲われます。
日本軍が北朝鮮に出撃あるいは潜入して奪還できる日が来たとしても、原爆を持たない国に北鮮の反撃を抑止できるでしょうか。
焦燥感、いっぱいです。
ブルーリボン【河村】
2015-11-16 22:35:12
今までも拉致事件の解決を強く願っていた一人だとは思いますが、恥ずかしながら何もしていませんでした。数ヶ月間から拉致事件に関心を持つよりも一歩進めないかと思い、ささやかな事ではありますがブルーリボンを購入するようになりました。

小さい事ですが、今後も続けていこうと思います。
パリの無差別殺戮【和美】
2015-11-16 15:46:36
青山さんがワイドスクランブルで解説されるとのこと、有難いです。
客観的に事実に基づいた日本語解説に飢えておりました。海外在住ですが、何とかして視聴します。
日本の自称リベラルの方々の中に、今回の殺戮はフランスの空爆が原因、テロ組織と話し合いをするべき、元はと言えば、西側諸国が悪い、そしてそれに追従している安倍首相はもっと悪い、と言う思考のループを展開しているのには驚きます。
私はこのイスラム国という連中はテロと呼べばいいのか、自分本意の犯罪集団と呼ぶべきなのか分かりません。何を目的としてるのか理解に苦しむのです。
西側諸国には聖戦という崇高にきこえる言葉を使い、そのくせレバノンやシリアの人々の命も平気で奪う。今回の事件で中東の罪なき人々がヨーロッパへ逃げてきた理由の一つを見たような気がしました。今まで以上に厳しい警戒が必要ですが、このような無秩序で自己中心的な人間のために、私達の祖先が築きあげてきた世界を壊されるわけにはいかない、と思いました。テロ集団と話し合いを、と言っている人々の真意は分かりませんが、それができるならとうにやっているだろうし、自分の大切な人の命が、ゴミのように捨てられても同じことを言うのでしょうか。
そういった思考停止が拉致被害者を救えず、いまだに犯罪者の言い分を聞こうとする人たちと被ってしまいます。
私は暴力によってコントロールするやりかたは、米国であろうと中国であろうとロシアであろうとテロ組織であろうと断固反対です。 ですが、大切な人、祖国がおびやかされれば、戦います。今回の事件がイスラム圏対その他という簡単な形でなく、犯罪組織撲滅のために世界がどうするべきか、どういう意識を持つべきか、考える報道がされることを願います。虎ノ門で詳しくお話いただけるのを楽しみにしております。
テロ対策の現状【山本和秀】
2015-11-16 10:03:18
青山様
日々の激務お疲れ様です。
以前、原発に対してのテロの対策会議に青山さんが呼ばれた時、
「公開が原則」との条件に、呆れて参加を断られたとの内容を
お聞きした事がありますが、その後その会議はどうなったのでしょう?
どこかでお話し頂ければ幸いです。
パリ同時多発テロと日本のマスコミ【池田 昌高】
2015-11-16 08:07:12
今朝の産経抄で次のように述べていました。

「久しぶりにTBSのサンデーモーニングを見た。さすがにテロ対策について識者が意見を交わすものと期待していたら、当てが外れた。 対策より、テロ組織との政治的な対話が大事だという。そもそも過激組織が勢力を伸ばすきっかけになったのは米国のイラク攻撃で、それを支持した日本にも責任の一端があるそうだ。果ては安保法制がやり玉に挙がった。フランスは米国とともにイスラム国への空爆を続けている。日本が後方支援に踏み切れば、標的になってしまう、云々」

私は同番組を視聴していません(視聴する気もありませんが)が、あの番組のコメンテータ陣ならば十分にうなづけます。
彼らには全てが”反安倍”の材料になるのですね。 ため息しかでません。
水面下での活動【きよちゃん】
2015-11-16 07:33:58
横田めぐみさんの御両親、家族会の皆様。年々、高齢になられどれほど生き地獄のような人生を歩まれているのか、、と思うと我々国民に出来ることはメディアやネットへの投降や地道な発信しか無い。つまりは関心を持ち呼びかけること・・。といつも青山さんが仰います。それを信じ、それしか無いのか?と歯がゆいです。
しかも最近活躍なさる自称リベラルの論客は段々拉致問題を知らない世代となり、中韓や北朝鮮とも歩みよれ、というような持論。
私自身も何回も韓国へ行きましたし国境近くまで入りましたが韓国国民の主張は「めぐみ」さんのことで騒ぐな。日本もさんざんやっただろう。朝鮮半島も分断され多くの国民が家族と離れている。太陽政策を望む。・・このようなものでした。経済的には救済を要求しながらも朝鮮半島の我が国への戦闘体制は変わっていないとも思います。
非公開での会議、本当にお疲れ様です。今日も青山さんの全力での実務でしょうがどうか将来、めぐみさん達が帰るというような、その時に日の目を浴びるような結果に成りますよう、願ってます。

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