▼この地味ブログに書き込みがあったことについて、何もかもに反応することはできません。
　しかし、時に、当事者に直接、確認しなければいけないこともあります。 (ただし確認などを行っても、その結果を公表するとはまったく限りません)
　そのうち、ふたつをめぐって、当事者の回答をお伝えしておきます。


【日本の原発警備】

　書き込みによると、フジテレビの番組で以下のようなことがあったそうです。

～ここから書き込みの引用～

(前略)
『今朝フジテレビ「新報道2001」にてベルギーのテロ犯人による原発襲撃に対して日本の原発の場合は自民党・小野寺五典政調会長代理が生放送中の発言で原発の警備は「警備員が行って何かあったら警察、それでだめなら自衛隊」の趣旨内容でありました。 
青山様は以前より2001年の米国同時多発テロ以来原発の警備は警察で軽機関銃装備で行われていると仰っておられましたが小野寺氏の発言では防相経験者であっても実情の警備体制をご存じないどころか自民党の議員そのものにそれら(原発警備の実情)が周知徹底されていないことの裏返しではないでしょうか。 
一体、自民党の情報共有能力は大丈夫なのでしょうか?疑問を覚えると同時に怒りがこみ上げてしまいこのブログにコメントさせて頂きました。そればかりではいけないのであとで自民党にもメールしようと思っております。』
(後略)

～引用終わり～

　ぼくはテレビをあまり視ないので、その番組も視ていませんでしたが、まず関係者を含めて複数に確認してみると、「おおむねそのような発言がありました」ということでした。
　そこで、小野寺前防衛相に電話で聞きました。
　小野寺さんは、お忙しいなか誠実に対応されました。

　その答えのポイントは (1) 日本の原発に武装機動隊が常駐していることは知っています (2) しかし警察は (テロリストや侵入者を) 逮捕するために配備されています (3) したがって警備については民間ガードマンが主です…ということでした。

　ぼくは「そのご認識は間違っています」と僭越ながら指摘しました。
　間違いと申したポイントは以下の通りです。
(イ)警察の任務は逮捕権を行使するだけではなく、抑止力、即応力、いずれの面でも警備警戒も本来任務の一つです (ロ) 武装機動隊の常駐は、すでに十数年にわたり機動隊員の精励から地元住民の理解まで多大な努力で継続されていて、その大きな目的の一つはテロリズムに対する抑止効果にあります (ハ) 当初は電力会社の一部から「武装警備を公表すると地元へのイメージが悪くなる」という反対もありましたが、議論を経て電力会社も諒解し、軽機関銃を機動隊員が持って原発構内に展開している姿を公開し、テレビニュースでも放送しました。これも抑止力を発揮するためです (ニ) それにもかかわらず「日本の原発は依然として民間の警備が主だ」という趣旨を前防衛相・現与党政調会長代理が発信することは、テロリストやその予備軍に間違った情報・認識を与え、国民の税金を投じた武装機動隊の常駐による抑止力を減ずることになります。

　すると小野寺さんは「青山さん、現場に行かれましたか。私は視察に行きました」と仰ったので、「小野寺さん、この武装警備は、わたしたちが民間ながら日本の現場と世界の現場を調査研究し問題提起したのを、政府や警察の中の良心派が正当に受け止めて、紆余曲折を経て実現に至ったのです。実現後も、現場を歩いています」と答えました。
　安全保障や危機管理は、官だけでやることではありません。国民・民間と官が連携すべきは連携して行うことです。

　小野寺さんは、その本来の誠実な人柄通りに「誤解を与えたことをお詫びします」と仰り、「今後は発信に気をつけます」と答えられました。
　こうして電話を終わったのですが、数時間後に小野寺さんから電話があり、「自分のテレビでの発言をチェックしました。確かに、誤解を与える内容です。テロリストによる攻撃があったとして、警察だけでは手に負えない場面では、自衛隊の役割があると説明するつもりが、言葉をはしょったりしたために、誤解を生じかねない内容になっていました.。これからは、さらに気をつけて発信します」と丁寧に話されました。
　ちゃんと自ら検証して、正すべきを正されるのは立派なことだと思います。
　生放送の常として、時間の厳しい制約もあってのことだったのではないかなとも思うのですが、小野寺さんはそうした弁解は一切なさいませんでした。
　小野寺さんには、この地味ブログで記すことも伝えました。


【虎8】

　ぼくも参加している (そして申し訳ないですが辞めることも考えている) 、虎8こと「虎ノ門ニュース　8時入り」について、以下のような書き込みがありました。

～ここから書き込みの引用～

『毎週、楽しみに視聴しているものです。 
録画の虎8を何時でも見ることができるつもりでおりましたが3/24、3/17の録画が見られなくなっていました。 
放送内容にあるところから抗議があり、放送中止になったのでしょう』
(後略)

～引用終わり～

　番組を支えている山田晃プロデューサーにメールで聞きました。
　すぐに答えがありました。ご本人に「ぼくのブログに記します」とお伝えしたので、そのまま下掲します。

『青山繁晴様
　いつもお世話になっております。
　抗議によって放送を取り止めることはありえません。
　ネット掲載動画は生放送から1週間から10日程度はサーバー上に残しておりますが、それ以降はディスクスペースの容量やCMの使用期限などの都合で新しい放送分と入れ替えています。
　過去に遡って視聴したいお客様には、DHCシアターにお問い合わせいただきましたら、有料になりますがニコニコ動画での視聴方法をご案内させていただきます。
　よろしくお願いします』　(※ これを裏付ける内容の書き込みもその後、このブログにありました)


「抗議によって放送を取り止めることはありえません」
　素晴らしい言葉ですね!
　頑張れ、虎8、これからも。