On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-10-13 02:08:48

驚きの、そくほー(速報) その2


▼いまは10月13日の日曜、午前2時を過ぎました。
 眠い、強烈に眠い。
 もう眼があまり開かない感じです。

 でも、ちょっと速報しておきましょう。深い感謝の速報です。


▼きのう10月12日土曜の梅田でのサイン会も、あとからあとから人が集まられ、出版社の社長さんも、ブックファースト梅田店のスタッフのみなさんも、そしてもちろん、ぼくも青山千春博士も驚きました。

 サイン会の対象の本は、「希望の現場 メタンハイドレート」、「海と女とメタンハイドレート」(いずれも青山千春博士との共著/ワニブックス)、それに「ぼくらの祖国」(扶桑社)でした。
 この3冊のどれかを、ブックファースト梅田店で購入されれば、サイン会に参加できる整理券が渡される仕組みですね。
 そういう仕組みになっているということは、正直、サイン会の途中に店内に流れる放送で知りました。
 ぼくとしては、どのような形でも、自著にはサインします。

 驚いたのは、集まってこられる人の多さだけではなく、3冊全部を購入されて、ぼくらの前に来てくださるひとが多いこと、そしてお友だちや親戚、家族にプレゼントするために、もっと購入されているひとの多いこと、さらには、とっくに買ってしまって読んでいるのに、このサイン会のために重ねて買われたかたの多いこと、いずれも驚きでした。

 この3冊に加えて、ぼくのすこし以前の本、たとえば「王道の日本、覇道の中国、火道の米国」あるいは「日中の興亡」(いずれもPHP)を一緒に携えてこられたかたも、何人かいらっしゃいましたが、すべてサインしました。

 サインに加えて、短くても言葉を交わし、堅く握手し、希望のかたには写真を一緒に撮り、さらに希望のかたにはしっかりとハグをする。
 この時間は、もはやぼくにとっても、特別な時間です。
 青山千春博士は、前にも述べたように、ほんとうは一人っ子の人見知りで、初対面だと相手の目も顔も見られないから、こういうイベントは苦手なはずですが、かなり愉しげでした。
 まさしく、みなさんのあったかい、まなざしのおかげです。


▼実は、昨日はたいへんなこともありました。
 サイン会の終盤、同席している出版社の社長さんや書店のスタッフのみなさんの顔色が変わって、一生懸命になにか相談しています。
 参加されるかたが、想定を超えて、どんどん増えているので、時間が予定通りに終わらないためです。

 ぼくは、サイン会のあと、神戸で講演が予定されていたので、それは重大事態です。
 講演に遅れることは、決してあってはなりません。
 しかし一方で、せっかく並んでいるかたがたに、まさか帰って頂くわけにはいきません。

 ぼくも青山千春博士も、そんなことになっているとは露(つゆ)知らず、きっちり時間に間に合わせるつもりでサインを続けていると、出版社の社長さんから「並んでいる方が多すぎて、まだまだ時間がかかる」と知らされたのです。
 しかし、手を抜くことは絶対にしないので、それまでと同じように、サインだけではなく、握手も、短い会話も、写真も、ハグも続け、そして全力疾走で、待機していた車に急ぎました。

 しかし高速に入る前に、もはや間に合わないと分かり、講演会場のホテルに電話し、主催者のかたに何とか繋いでもらいました。
 深くお詫びしつつ事情を話すと、主催者のかたは、ぼくの講演のあとに予定されていた行事を先に済ませるように動いてくださり、そのおかげで、講演を予定時刻の30分後に始めることができました。

 だけども、たいへんなご迷惑をかけました。痛恨事です。
 そして、お詫びから始まる講演には、とても辛いものがあります。
 遅れた理由をありのままにお話をし、しかし、伝えるべきは伝えねばなりませんから、こころを励まして、いつものように、つたないながらに懸命に話しました。
 きょうは、医療関係のかたがたの集まりでしたが、ぼくが延長して話すのもじっと聴いてくださり、ありがたく思いました。
 最後の方は完全に声が枯れてしまって、お耳に障ったのではないかとも思います。


▼そのあと、同じ神戸市内の勤労市民会館に移り、定食屋さんで素早く食事をとったあと、神戸市内の20大学の学生諸君の主催による、神戸市長選挙に向けた討論会に参加し、司会役、そして候補者のかたがたへの質問者役を務めました。
 声が枯れて潰れてしまったことが、ちょっと気がかりだったのですが、なぜか討論会が始まるまでに、声は元に戻りました。
 特に何もしていないんだけどな。
 ごはんを食べる時間がどうにか、あったからかなぁ。

 討論会は、市民のかたがたも、かなり来場されて、メディアの取材もたくさん入っていました。
 4人の候補者に平等に、公正に討論会を運ぶこと、それでいて白熱の討論会へ盛りあげ、候補者全員の人格と本音がしっかり有権者に分かること、それを実現しようと、ぼくなりに努めました。

 すくなくとも、政治への意思表示をしようとする学生諸君の熱い志は、市民にも、候補者たち自身にも伝わったのではないかと思います。
 神戸生まれのぼくとしては、たいせつな務めでした。

 この討論会を予定時間内に終えて、猛然と、新幹線の駅へダッシュです。
 なんとか終電に乗れて、深夜に、東京に帰ってきました。
 つ、つ、つかれた。


▼そしてね…みなさん、信じがたいでしょうが、きょうの夜が明けると、サーキットへ向かいます。
 せっかくモータースポーツに復帰したのに、すさまじい忙しさで、またしても遠ざかっていたのですが、今朝からサーキットにも戻ります。
 ただ、午後にはすぐ帰京して、仕事、仕事、仕事です。

 12日深夜に帰宅すると、英国のレーシングクラブから会報が届いていました。
 そのなかに、サーキットを走る日を「a day in the life」(まさしく人生の一日)と表現していて、深く頷いたのでした。

 同時に、頭の芯はいま、小説新作の改稿でいっぱいなのです。
 編集者と協力しつつ、改稿をさらに進めています。
 今夜、眠くても、辛くても、その小説改稿をめぐって、たいせつなインスピレーションがありました。

 ぼくの命はすべて、天に捧げています。
 天の用意なさる場のままに、謙虚に、ありとあらゆる行動を、実は(意外でしょうが)ただ淡々と、続けていきます。
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