On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-04-12 11:41:46
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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奇怪 (書き加えました) (さらに少しだけ書き加えました) (もう一度、書き加えました)

▼日本と世界を苦しめている武漢熱のウイルスには、不可思議な点が幾つもありますが、そのひとつが、症状があまりにも一定しないことです。
 テレビ朝日系列の「報道ステーション」のキャスターが感染したと公表されました。朝日新聞が今のところ、いちばん詳しく報じています。
 それによると、この男性社員キャスターは ( 1 ) 4月3日金曜と4日土曜の2日間、38度の発熱をみた ( 2 ) しかしすぐに平熱に戻ったため6日月曜にはふつうに出勤した【朝日新聞のネット版には出勤としか書いてありませんが、スタジオでキャスターを務めたという意味だと思われます】 ( 3 ) ところが7日火曜は報道ステーションの本番中に痰が絡むようになった
( 4 ) その後、歩いていて息苦しさを感じるようになった ( 5 ) 10日金曜の朝、「自宅で階段を上ったときに同じような症状があった」 ( つまり息苦しかった ? もっと精確に書くべき ) ( 5 ) そのために ( おそらく同日に? ) 入院。CT検査で肺炎が見つかり、11日土曜にPCR検査で陽性を確認ーという経緯です。
 そして朝日新聞ネット版に「現在は平熱で、せきや倦怠感といった症状や味覚や嗅覚の異常はないという」 ( 原文のまま引用 ) と記されています。

▼この記事では、発熱の詳しい経過が分かりません。「すぐに平熱に戻った」というが、そこから現在までずっと平熱のままなのか。それともいったん熱がぶり返したときもあったのか、それが不明です。
 また咳、倦怠感、味覚と嗅覚の異常、それぞれの症状が最初から無かったのか、それとも一時期はあって現在は無いのか、それも記事では分かりません。

 だから専門家の立場からは参考にならないと言えばそれまでなのですが、もしも記事が正確で、そして咳、倦怠感、味覚と嗅覚の異常がみな、最初から無かったのであれば、さらに熱はずっと下がったままであれば、またしても症状の違うケースが発見された可能性があります。

▼もちろん、旧来のウイルスでも、症状はそれぞれのクランケ ( 患者 ) の体調や既往症、持病、環境、そして免疫力や年齢によって症状の顕れ方は違うことが良くあります。
 ただ、今回の武漢熱ウイルスは、その振れ幅があまりに大きいという感があります。

 さらに潜伏期間も、いまは2週間を基本にすることになっていますが、不肖ぼくの印象では、そうは言いきれない感があります。

▼そして政府の専門会会議でも共通認識となっているのが「このウイルスは、感染を拡大させることに長けている。症状がほとんど無いクランケを出せば出すほど、感染を拡げるには好都合だ。その悪しき意味では、実によく出来ている」ということだと、仄聞 ( そくぶん ) しています。

▼日本には、すぐにノーベル医学生理学賞をとられても不思議ではない最高のウイルス学者がいらっしゃいます。
 東京大学医科学研究所 ( 医科研 ) の河岡義裕教授です。
 河岡さんは、武漢熱クライシスが日本においてはまだ初期の段階のとき、政審 ( 参議院自由民主党・政策審議会 ) の求めに応じて、政審の勉強会にわざわざ来てくださいました。この勉強会は、自由民主党の議員であれば誰でも出席できてメモを取り、質問できるという意味では、オープンな勉強会でした。

 しかし河岡先生の講演内容や、他の議員との質疑応答については、ここでは公開しません。
 不肖ぼくとのやり取りに限って公開します。
 ぼくの質問の中には ( 1 ) このウイルスは人為的に作られたものだという可能性はないか ( 2 ) 1種類ではなく何種類かのウイルスが広まりつつあるのではないかーという質問がありました。 ( 他の質問も致しましたが、ここでは省略します。みなさんの感染防止にすぐに参考にして頂かねばならない点だけを急ぎ、公表するためです )
 河岡先生は、「人為的に作られた可能性はありません」と明確にお答えになり、そして「いや、1種類でしょう」ともお答えになりました。
 河岡先生は世界の文字通りのトップランナーであり、人柄や見識もしっかり信頼できる方です。先生の見解を真っ直ぐにお答えくださったことに深く感謝しています。
 同時に、それらのお答えはその段階でのお答えであり、あれからパンデミックに進み、世界に患者が多発している今、少なくとも武漢熱ウイルスが1種類では無い可能性は高まっているのではないかと、考えざるを得ません。

 ウイルスは変異するのが特質ですから、武漢から発生したウイルスが欧州でとっくに変異し、アメリカに入ってきたのは変異済みのいわば「欧州型」ではないかという学術的な指摘もすでになされています。
 報道ステーションのキャスターを襲ったのも、この変異型かも知れません。
 日本国民も、症状の顕れ方がさまざまであることを知っていただかなければならない段階にあると、言えます。

 ただ、ぼくが当初から申しているのは、それだけではなく「あらかじめ何種類かを意図的に分けて作られたウイルスではないか」ということです。
 前述の河岡先生への質問は、この根本的な問いを2問に分けて質問したわけです。

▼この情報は、広く無条件でお伝えすべきだと判断し、会員制レポートの東京コンフィデンシャル・レポート ( TCR ) ではなく、あえて、広く無条件で公開するこのブログに記しています。
 なぜか。
「この症状は違うな。感染じゃないよ」と思っても、そこに重大なリスクが潜んでいるという事実です。

 最新の実例とも言うべき、報道ステーションのキャスターは、朝日新聞ネット版の書きぶりがやや不正確という欠点のある記事に依れば、の話ですがー ( 1 ) 発熱という、もっとも普遍的な症状はすぐに収まった ( 2 ) 咳や倦怠感、味覚や嗅覚の異常という、これまで頻繁に報告された症状も無い ( 3 ) あるのは ( さほど重度ではない ? ) 息苦しさと、痰が絡むということだけーということになります。

 武漢熱ウイルスは、無症状に思えるほど症状に乏しい感染者が、まさか感染していると思わずに感染を広めるという、現在進行形の恐怖の特徴に加えて、「症状がバラバラであり、人の症状は当てにならず、何かひとつでもおかしいと思えば検査を受けるべき」という現実があって、しかしそのように検査すれば実際には医療崩壊に繋がるという、あまりにも重大な、奇怪な、特色を持っている。
 このように、少なくとも危機管理の正しい観点からすれば、考えざるを得ません。

 今回は、報道ステーションのキャスターという立場だから、前掲のような症状だけでもすぐ入院し、検査を受けることができたという側面も見え隠れしています。
 それでは広く国民はどうするのか。
 このブログのコメントには、「症状があるのに検査を受けられない」という悲鳴がたくさん届いています。
 検査を拡大しつつ、医療崩壊も防ぐという二律背反をぎりぎりのところで遂行するほかありません。
 ぼくも書いていて、辛いです。

 まずは、症状が一般に言われているのとは違っても、つまり軽くても、行動を控えて頂いた方がいいということは最低限、言えます。
 ただしこれも、それでは生活できないという方もいらっしゃるでしょうし、まったく関係の無い症状でも、そうしなければならないのかという問題も生みます。
 今回も「息苦しい」という肺炎の特徴のひとつは、キャスターにあったわけです。
 そこで ( 1 ) 武漢熱の症状は、熱、咳、息苦しさ、痰、倦怠感、味覚や嗅覚の異常といった多様な症状が全て出るケースから、ひとつかふたつしか、それも軽度にしか出ない場合もあるという自覚を広く持っていただく ( 2 ) したがって、どれかひとつかふたつに当てはまれば、行動の自粛をさらに深めていただく ( 3 ) そのうえで「37度5分以上の熱が4日間続く」「同じ息苦しさや倦怠感でも程度が強い」などの従来の基準に当てはまっていけば、検査を強く求めていただくーということが当面、必要だと考えます。

▼中国は、「武漢市ではもう世界に先駆けて、見事に克服した」という趣旨を仰っているのですから、中国の支配下のWHOの調査団ではなく、トランプ大統領がWHOを真正面から非難しているアメリカのCDC ( 疾病予防センター ) を含む、日米英豪加などの諸国による合同調査団を結成し、その受け入れを中国に対して諸国が連携して求めるべきです。
 不肖ぼくも、水面下で、それに向けた努力を続けています。
 水面下だけではなく、国会の予算委員会でも質問していますから、議事録をよろしければご覧ください。(たとえばここから検索できます)


 
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