On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-10-09 05:22:12
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (0)

NHKよ、日本学術会議をめぐってのこういう切り取りは、国会審議への冒瀆です

▼護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の執行部の一員、常任幹事の山谷えり子参議院議員がきのう10月8日木曜の参院内閣委員会で、日本学術会議をめぐって質問され、「学術会議は安全保障をめぐる研究を否定しながら、平成27年に中国の科学技術協会と相互協力の覚書を交わしている。日本の平和を守るための研究にはブレーキをかけつつ中国には非常に協力的だ」という趣旨を問われました。
 これは、中国が科学技術研究を軍事利用に直結させていることを踏まえた、本質的な質問です。

▼ところが公共放送を自称するNHKは、きのう8日の夜9時台のニュース番組で、山谷さんの質問を、かなりの尺 ( 放送時間 ) を使って報じながら、上記の問いを、一切、取り上げませんでした。
 質問の肝であることが明白なそこは、完全に伏せてしまった上で、山谷さんの質問の別の部分と、それに対する政府答弁だけを紹介したのです。

▼質問をちゃんと報道しているように装いながら、実は、問題の中心から主権者の目を逸らす行為と考えざるを得ません。
 これが「公共」の名に値するでしょうか。
 これで「テレビを買っただけで受信料を取る」という資格がNHKにあるとは、到底、考えられません。

▼国会質問をオールドメディアが公正に扱わない、あった質問を無かったことにする、質問した内容がこの世に存在しないように装うことは、ぼく自身がモリカケをめぐって参院予算委員会で質問したときに、体験しています。
 公共放送を自称する報道機関がこれを行うことは、特に罪が重いと考えます。

 主権者におかれては、自衛をも考えていただくようお願いします。
 山谷質問も当然、議事録が公開されますから、その原典に当たってくださるよう、お願いします。

▼また、日本学術会議の会員に任命されないことが「学問の自由の侵害」とする主張、あるいはその主張を正しいとあらかじめ決めつけているような報道が多くのオールドメディアで繰り返されていることも、まったくおかしなことです。
 学問の自由は、日本学術会議の会員になることによって保証されているのですか ?
 とんでもない。
 学術会議の会員であっても無くても、論文を発表することができます。大学や研究機関で、研究することができます。
 ぼくは、いわゆる学者ではありませんが、研究者ないしは専門家のひとりとして、国際学会 ( アメリカ地球物理学連合 ) で発表を行ってきました。大学で教えてもいます。当然、沢山の学者を存じあげています。みな、独裁国家ではない日本において、ご自身の意思と良心に基づいて自由に、学問、学術研究を遂行されています。
 学術会議の会員になれなかったから、学問の自由を喪う ?
 その権威主義、あるいは地位への欲求の強さこそ、一部の学者におかれては、自省されるべきではないでしょうか。





 
  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ

 

コメントは原則非公開です。それをご理解のうえ、投稿してください

名前
タイトル
メールアドレス
コメント
認証入力
画像認証 CAPTCHA Image 画像変更

※入力欄はすべて必須です。
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。

もう一度、コメントがすべて「原則非公開」であることを確認され、投稿ボタンを押してください。

  • ページのトップへ