On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-10-11 12:47:30
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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ゆうべの北朝鮮ときょうのハワイと、そしてこの75年間の日本 (註記を書き加えました)

▼東京はいま、日曜の昼過ぎですが、ハワイは土曜の夕刻です。
 と言っても、残念ながら、ハワイに居るわけじゃなくて、アメリカ軍のインド太平洋軍司令部の土曜に連絡が取れるひとと、暗号化した通信で連絡を取って、議論をしています。
 北朝鮮がきのう10月10日土曜夜7時 ( 北朝鮮は日本時間と同じ ) から録画放送で公開した閲兵式で、6種類以上に及ぶ弾道ミサイルを登場させ、なかにはアメリカ本土に届くことを開発目標としているICBM ( 大陸間弾道ミサイル ) の「火星15」号 ( 西側のコードではKN-22 ) がありました。
 また、片輪に11輪がある大型のTEL ( 移動式ミサイル発射台/11軸22輪 ) も登場し、その上には、これまでに少なくともTEL上では見たことが無いほど巨大なミサイルが載っていました。

( ※ 北朝鮮はきのうの未明に大規模なパレードを行い、日本を含む西側の情報機関は一時、その異様な時間から予行演習かとも見ていました。夜にそれが正式な閲兵式として放送され、未明が本番だったことが分かりました )

▼KN-22は、北朝鮮が16回もミサイルを発射した西暦2017年、その11月に、まるで仕上げのように日本のEEZ ( 排他的経済水域 ) へロフテッド軌道 ( 通常より発射角度を上げて高く撃ち上げる軌道 ) で、日本の主権を無視して撃ち込んだ弾道ミサイルです。
 ふつうの軌道で撃てば、ワシントンDCにも届く可能性があるミサイルで、アメリカの重大関心事です。
 また異様なTELは、日本が「相手領域にも踏み込んでのミサイル防衛」 ( 自由民主党の政府への提案 ) を検討していることを意識しているとも考えられます。
 移動式で動きながらミサイルを発射するのであれば、当然ながら、基地から発射するよりも叩くことが難しいですから。

 すなわち日米共通の安全保障上の関心事です。そのために、こちらが日曜、向こうが土曜でも、北朝鮮の閲兵式の夜の翌日に、時を置かず、こうして協議しています。
 みなさんからこのブログに頂くコメントによると、日本のいわゆる識者、著名人の中にはハワイと聞くと条件反射なのか遊びに行くと考え、そう発信する人も居るそうです ( ぼく自身は、そうした発信を恐縮ながら見ませんから、あくまでコメントによる伝聞だけです ) 。
 実際には、ハワイは、まさしくアメリカの軍事力の中枢であり、昔からそうだからこそ、日本も真珠湾攻撃を行ったわけですね。
 現在もそうだと言うより、中国が西太平洋に覇を唱える野心を剥き出しにした今、ますますハワイの戦略的意義は高まっています。
 だから、太平洋軍司令部 ( PACOM、ペイコム ) は現在、インド太平洋軍司令部 ( INDO-PACOM ) と名を変えています。明らかに中国の封じ込めを狙った名称変更です。
 ハワイはもちろん観光地でもありますが、立派な識者が、こうしたハワイの戦略上の真実に目をつむるのは、どうしてでしょうか。

▼その太平洋の要衝、ハワイには、ぼく自身を含めてそのハワイの現場に行くまでは「まさか」と信じられないような事実があります。
 アメリカ合州国政府が運営している真珠湾の展示館において、現在のアメリカが日本の帝国海軍を絶讃している事実、また、真珠湾に係留されている戦艦ミズーリの艦尾では、特攻で半身が千切れ甲板に転がった日本の若き戦闘機乗りが戦闘のさなかにアメリカ海軍の正式な海軍葬で海に葬られた、それを今も称揚してアメリカ軍が展示している事実、これらがそうです。
 安倍総理もご存じではありませんでした。
 それらを、証拠となる大量のカラー現場写真とともに、克明に伝えようとしているのが、発刊されたばかりの不肖ぼくの新書です。
 安倍総理も、この新書の元本を真珠湾訪問の前にお読みになり、事実を把握されて日程を変更され、展示館を訪ねられました。

▼メインタイトルが「きみの大逆転」となっているのは、ぼくと現場に行った日本国民が頭の中で大逆転を起こし、これまでの長い思い込みを脱したことを、誰でも日本に居たまま読める新書によって、あなたにこそ、実現してほしいからです。
 サブタイトルが「ハワイ真珠湾に奇蹟が待つ」としているのは、ハワイや真珠湾をめぐるさまざまな思い込みは、敗戦後の日本人の困った思い込みの根っこを成すひとつだからです。

▼これも、このブログにいただくコメントによると、すでに発刊から何日かを経ていても「どこの書店を回っても1冊も置いていない」ことがあるそうです。
 ぼくの存在を抹消しようとする社会各所の動きは、日々、実感していますから、まったく驚きません。打撃も受けません。仮に受けても立ち上がります。鋼、はがねです。書店に無ければ、ネット書店をどうぞ。ここここにあります。

 国会議員となってからは、前述の抹消作業が加速していますね。どうぞ好きなようにやってくださいとしか考えていません。
 この4年2か月余、頭の中に通奏低音のようにあるのが、前述の新書と相次いで発刊となる小説の主人公ふたりの姿です。
 作家としてのぼくが、唯ひとりのモデルもなく、虚空 ( こくう ) に、いや原稿のなかに生みだしたふたりではありますが、18年4か月もかけてその姿と生き方を完成させましたから、あまりに付き合いが長くて、もはや実在のひととしか思えなくなっています。
 ふたりに、ぼく自身が励まされるのです。勇気づけられるのです。
 発刊は11月11日 ( 主要書店の先行は11月9日 ) ですが、ネット書店では予約が始まっています。たとえば、ここここで見つけました。





 
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