On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-10-26 17:36:25
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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暗黒国会、再び



 新しい動画の「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」を視ていない人にとっては、何この写真、というショットですね。
 国民の財産をお借りしている、議員会館、そのなかの青山繁晴事務所です。
 新動画の収録をしていない、ふだんの状態はこうなのです。

 撮影用の場所なんて、もちろんありませんから、収録のときはチャンネル桜のスタッフが大急ぎで、画面でご覧になるような設 ( しつら ) えに変えてくれます。
 収録も、隙間時間を狙って猛スピードにて、打ち合わせなくやりますが、その収録が終わると、また猛スピードで元の状態に戻してもらって、行政官 ( 官僚 ) や議員が中心の来客に備えます。ぼくは団体支持をすべてお断りし、そうしたところから陳情も受けませんから、来客も客というより、議論や協議の相手だけです。

 手前の黄色いリンゴは、記者時代に中曽根康弘総理の総理番として、軽井沢へ行かれる総理に同行したとき、旧軽井沢で慌ただしく昼食を摂りつつ買いました。
 このガラスのリンゴ、なぜか智恵のシンボルのような気がしているのです。

▼さて、臨時国会が始まったきょう10月26日月曜の、ゲンバ報告の続きです。

 議員会館の自室にて、自由民主党女性局の任務の調整、参議院の政府開発援助特別委のための準備、参議院の経済産業委のための準備などをあれこれ致していると、あっという間に本会議が再開する時間が迫ります。
 議員会館の最上階12階から、地下へ、階段を駆け下ります。
 地下に降りると、エレベータから降りてきた議員の群れです。それでもふだんと違って、議員同士がなんとか距離を取りながら議事堂へ進みます。
 もちろん全員、マスク姿です。

▼本会議場に入ると、すぐに菅総理をはじめ菅・新内閣の閣僚全員が雛壇(ひなだん)に入場してこられました。
 自由民主党席を含め、議場の多くから盛大な拍手が起きました。

 ところが・・・さっそく、野党席の一部から、汚い野次が飛びます。汚いという言葉は、それこそ綺麗じゃないので使いたくはないですが、汚いと言うほかない、ただただ罵るだけの野次です。
 だいたい同じ議員が野次っています。
 こういう議員は、たとえば予算委員会のような場でも、いつも同じく汚い野次ばかりです。
 それも、ひねくれているとしか言いようのない言葉、揚げ足を取ること以外に関心がないような言葉、こうしたものばかりです。
 こういう毎日を送っていて、一体どういう人間に成り果てるのか。
 成長途上の子どもではなくて立派な大人でも、人間は人格変容をおこします。
 まったく皮肉ではなく、ぼくは内心、それを真剣に懸念します。物書きですから、にんげんの悪は大きな関心事です。

 選挙で選ばれ、選良とすら言われていた人たち(選良はもはや死語という気もしますが)、それが自分で自分を歪めていく過程を、国会という場で目前に見ているようなものです。

▼こういう議員は、テレビの入っていないところでは、まったく静かに大人しかったりします。
 そしてテレビ局は、公共放送を僭称するNHKを筆頭に、政府・自由民主党を攻撃するのに都合のよいときだけ、こうした野次を拾って放送し、そうでないときは、音声が拾わないように明らかに調整しています。
 野党とNHK・民放がつるんでいるとしか言いようのない現実です。

 ぼくが国会質問をするときには必ず、主権者のみなさんの傍聴をこのブログにて募集いたし、非常にたくさんの主権者が申し込まれます。
 その主権者が胸弾ませて、国会に来られて、そして悪罵でしかない野次にビックリされて、胸潰れて委員会室を出られる姿をずっと見てきました。
 テレビでは、こういう野党の野次が事実上、隠されているから、それにも驚かれるのです。

 だからぼくは質問のあと、これも必ず、衛視さんの許可を得つつ、質疑の解説をします。できる限り、丁寧にやります。
 そうすると、胸のなかの悪いものが流れていくようなお顔になるので、内心でホッとします。

▼さて、菅総理の所信表明演説です。
 どれほど立場や考えが違おうとも、民主主義の正当な手続きによって日本国の内閣総理大臣になられたのですから、一定の敬意を払うのが、まともな人間だと思います。
 ぼくが仮に、野党の議員だったり、あるいは無所属の議員でも、そうします。当たり前ですよね、みなさん。日本という社会でふつうに働き、あるいは学んでいるひとなら、若くても若くなくても、みな、そうでしょう。
 ところが、国会という神聖な場、それも国会議事堂の中心の中心である本会議場で、一部の野党議員にはまったく、からきし、その最低限の敬意すらありません。

 山東昭子参院議長の議事進行によって、菅総理が演台に進まれるとき、つまり演説が始まっていないときからもう、菅総理の人格を否定するような悪罵が、一部とは言え、決して少数とも言えない野党議員から飛びます。
 そして演説の最初から最後までずっと、絶え間なく、罵声を浴びせます。

▼菅総理は所信表明演説のなかで何度か、「政権交代以来」という言葉を使われました。
 これが野党議員のなかのある人々の神経をいたく刺激するらしく、野次が飛びます。「いつまで言ってんだよ」、「まぁだ、言ってんのかよ」。
 え?これなら、そう悪罵でもないのでは、と思われましたか?

 ほんとうの悪罵は、このブログに記しません。
 ぼくは職業としての作家でもあります。ぼくたちの日本語としてふさわしくない言葉は、ブログに書きません。
 だから、どんな悪罵があるかは、伝えきれません。

 しかし、上掲の程度の野次でも、こういう物の言い方で良いとは、みなさん、思われませんよね。
 政治的に、仮に、にっくき相手であっても「・・・のかよ」といった物言いは、どうでしょうか。ぼくは哀しくなります。
 この議員に投票なさった主権者のみなさんが、これをもしも、ありのままに聞かれたら落胆されないかと考えてしまいます。

▼この「政権交代以来」という総理の言葉に対して飛ぶ野次には、ぼくの盟友の自由民主党議員、つまり護る会(日本の尊厳と国益を護る会)の一員が噴き出して、「百年でも言おうか」と対抗の野次を、その野党議員に向かって、ただし抑え目の声で飛ばしていました。
 ぼくは、野次りません。
 議事の正当な進行を促すための声を出すことはあります。しかし、いわゆる野次というものは飛ばしません。
 それはぼくの考え方であって、他の議員に強いることはないし、「野次は議場の華」と言ったりするのも、分かります。
 しかし、人格否定としか言いようのないような悪罵や、子どもたちにとても聞かせられないような罵りは、ほんとうは野次ですらありませんね。ただの、人間否定です。

▼菅総理の所信表明演説の内容に、ぼくはすべて満足しているわけではありません。
 それは安倍総理が演説なさったときにも、ありました。
 そのことは、むしろ大切なことです。
 日本国は政党政治ですから、党派に属する意義は深い。同時に、党派に属する前に、主権者に直接、選ばれた国会議員です。いかなる場合も、おのれの意見をしっかり持ち、必要なときに、あるいはふさわしい場では、たとえ内閣総理大臣に対してもそれを表明すべきです。
 だから、ぼくは質問に立つときも、いわゆる与党質問、おべんちゃらを総理や閣僚に言うような質問はしません。
 この4年3か月、23回、質問に立ちました。そのすべてにおいて常に、問うべきを、あくまでも具体的に、問うてきました。

 問うなら、国会質問で問うべきです。
 あったりまえです。
 それをなぜ、悪罵で追及しようとするのか。
 こういう議員の人間性を悲しみます。

 悲しむだけではなく、その国会の一員として、おのれの国会質問の質をさらに上げるよう、懸命に努力します。

※ 先のエントリーも、このエントリーも、主権者と、それから「選挙に出ようか」と考えているひとのために、現場の生の情報を提供することが、いちばんの目的です。
 先のエントリーに関して、「国対って何か分からない」、「雑巾がけの意味が分からない」というお声も頂いています。
 よおく理解できます。
 一方で、議員になってからの4年3か月、何度も何度も説明してきました。
 どんなに踏ん張っても、1日に時間は24時間ぴったりしかありません。
 いつまでも同じ説明をしていたのでは、新しいことを記し、伝えていくことが、どうしても物理的に減ります。
 まことに心苦しいですが、どうぞ、ご自分で調べてみてはいただけませんか?
 ぼくのこの地味ブログに初めて来られたかたがたもいらっしゃるでしょう。そのかたがたにとっては、「何度も説明したと言われても、自分は読んでない」ということもあるでしょうね。
 それも良く分かります。
 ただし、検索という便利なツールを使っていただければ、このブログのなかの説明・情報も、ほかの人の説明も、しっかり見つけられるはずです。
 このブログは、会員制レポートや独立講演会と違って、まったく無条件にすべて公開しているのですから。

▼本会議のあと、地下通路から、議員会館へ戻り、その地下から最上階の12階まで再び、駆け上がってきました。
 1日に何度も、階段を長駆、登り降りするのは、苦しいです。
 ぼくは気はとても強いですが、意思はたいへん弱いので、エレベータを使いたいな、他の議員はみな、乗っているんだからと、すぐ、こゝろのなかの誘惑に負けそうになります。
 しかし、不思議なもんですね、国会が始まるとぴしっと気合いが入っているので、なんとか負けずにエレベータの前を通り過ぎて、階段に足を踏み出します。
 そして、特に登りを追えて、青山繁晴事務所に入ると、大汗で、しかもハァハァです。
 三浦麻未公設第一秘書をはじめ、3人の秘書さんは、うふふと笑いつつ「がんばりましたね」と言ってくれます。

 しばらく経つと、すごく調子がよくなってきます。
 やはりぼくは、運動してないと駄目です。
 生きる青スポです。
 なんのこっちゃ。










 
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