On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-05-08 20:17:37
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【事実関係を書き加えました】 経済安全保障のある国づくりへ



▼きのう5月7日の金曜は、とても早い朝に、都内で政権の中心的なおひとりと会い、議論。
 いつもに増しての苦しい議論となりました。
 しかしこうした機会をつくり、主権者の声を直に伝えつつ、国家理念の形成を提起する努力を、どんなに実りが遅くても、先が見えなくとも、続けるほかありませぬ。

▼インテリジェンスの当局者とも意見を交換しました。
「虚偽が横行しています」と珍しく激怒される話を、静かに聴きました。怒りの炎は、さらに広範囲に飛び火していきます。これも珍しいことです。よほど腹に据えかねていらっしゃるのでしょう。
 任務としての調査に基づく話ですが、ぼくとしては、公平、客観を心がけて聴きます。民間専門家の時代から変わりません。

▼そこから議員会館へ入って、山田宏・護る会幹事長 ( 参議院議員 ) の部屋を訪ね、ふたりで話すべきを話しました。
 山田幹事長には、いつも、すべてを話します。

▼あっという間に時間が経ち、急いで国会議事堂に移り、参議院自由民主党の議員総会です。
 議員総会は自由着席なので、気づいたら、隣に、ただし武漢熱対策でひとつ空けた隣に、現職の大臣がいらっしゃいました。
 こういうことは、たとえば大統領制のアメリカでは全くあり得ません。
 議院内閣制らしい光景と言えます。
 その議院総会が終わって立ち上がったとき、「○○さんらしく最後までやってください」と大臣に声をお掛けしました。

▼本会議は2時間以上、昼を越えて続きました。
 終わると、この頃の習慣として、議員の群れを離れて議事堂の外へ出て、光と風を感じ、自由民主党の政策に反対する集会中の人の中を通って、議員会館へ。
 本会議場の椅子にじっと座っていたし、運動不足による体調不良もすすむばかりなので、階段を駆け登りたかった。
 しかし新動画の「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の収録時間にもう食い込んでしまっているので、エレベーターを使いました。 ( このチャンネルは始まって9か月、まだ1年、経ちません。だから、自分としては「新動画」です )
 エレベーターを使っても時間は実質、2分か、最大でも3分ほどしか短縮にならないけど、その時間が貴重なのです。
 収録に必要な資料を見る時間がないので、直前に、2分か3分かだけでも見たい。
 昼ご飯のことなど、もう頭から飛んでいます。
 ま、身体にはいいはずも無いですね。

▼議員会館の最上階にある青山繁晴事務所に入ると、もう撮影と編集協力のチャンネル桜のスタッフ、井上ディレクターにカメラマン、音声さんがスタンバイしてくださっていて、三浦麻未公設第一秘書も待機してくれています。
 わずかな時間、資料を見て、たくさんのテーマ候補から、今日は何を優先して撮るかをその場で即、決めます。
 それでもう、時間いっぱい。
 次の予定が、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) の執行部会で、代表のぼくが遅れるわけにいかない。

▼2本を撮ることにして、収録を開始しようとして、皇位継承まんがの再校ゲラが届いたことを思い出し、その印象的な目次ページなどを、2本目の冒頭でみなさんに紹介しようと決めました。
 1本目は、中国をめぐる根源に触れる内容なので、その紹介の時間がない。
 2本目の方がすこし、コンパクトにしてもいいかなと考え、2本目で紹介することにしたのです。

 目次ページを開陳してもいいという諒解を得るために、版元の編集者に電話。
 なかなか繋がらない。この頃、繋がらないことの方が多い。
 どうか出てくださいとこゝろの中でお願いしていたら、電話が繋がった。
 快諾をもらって、まず1本目の、収録を開始。

 例によって、三浦麻未公設第一秘書とも井上ディレクターとも打ち合わせらしい打ち合わせもなく、いつもの本番出たとこ勝負。
 言い間違いに気を付けていたけど、ひとつ言い間違い !
 中国の致命的な弱点に関する1本を撮ったら、もう時間切れ。 ( その放送はこれですね )

▼2本目は次に回して、大急ぎで、衆議院の第二議員会館の『多目的会議室』へ。
 ふつうはこうした場合も、議員はほぼ例外なく地下トンネルを使いますが、ぼくは外を速歩で歩き、時間ぴったりに間に合いました。
 連休中に、ぼくが代表として仕上げた「経済安全保障の強化を求める緊急提言 ( 案 ) 」をまず執行部で審議しました。

 それが終わると総会です。
 この日は、衆参両院とも委員会などの動きが激しく、現職議員だけで構成する護る会としては出席者の確保が非常に難しい。それでも、特に熱心な議員をはじめ、かなりの議員が集まってくださいました。
 総会は、いつもと同じく、高木啓事務局長の仕切りで始まり、まずはぼくが提言案について、できるだけ丁寧に、意を尽くして説明しました。
 写真は、そのときの模様です。
 護る会の一員である杉田水脈代議士が撮って、送ってくださいました。
 ぼくの右は、山田宏・護る会幹事長 ( 参議院議員 ) ですね。

▼説明のあと、自由討議に入って、基本的な支持を受けつつ、とても活発な意見を聴くことができました。
 それぞれの意見は、さすがにひとりひとりが選挙の洗礼を受けて国会に出ているひとたちです、ありのままに申して、意義深い意見ばかりでした。社交辞令は当然、ゼロです。
 聴きながら、これらの意見を原則、すべて提言に盛り込もうと考えていました。

 議論のあと、今後の進め方についても全員で協議。
( 1 ) この総会の議論を踏まえて、代表がもう一度、提言を週末に練りあげる。
( 2 ) 週明けに、護る会65人全員に提言案を回し、全員から再度、意見を募る。 ( すなわち持ち回り総会の開催です )
( 3 ) この意見を集約し、最終的には代表への一任を取り付け、提言を最終決定する。
( 4 ) 決定すれば、加藤勝信官房長官を、護る会メンバーのうち希望者全員で訪ね、申し入れを行い、加藤官房長官から菅総理に手渡しも依頼する。
ーという手順を決めました。

 この日の総会に至るまでも、まず提言の原案を高木啓事務局長が作成し、山田幹事長をはじめ執行部の意見を募って、提言案を差し替え、それを元に、前述のように連休を活用して、代表のぼくが提言案をさらに改善。
 そしてこの日の総会と、その後の上記の手順を踏んで初めて、提言の総理官邸への提出に至るわけです。
 護る会はこのように、民主的な手続きをとても大切にしています。
 なぜなら、構成員の全員、その背後に主権者がいらっしゃるからです。

▼総会が終わると、記者ブリーフです。記者会見でもあります。
 これまで護る会の代表として、幾度となく、こうした場で記者の質問に答えてきましたが、一問一問すべて、真正面から答えてきました。
 うまく躱 ( かわ ) そうとしたり、誤魔化したり、逸らしたり、話をずらしたりは、ただの一度もありません。
 答えにくい質問ももちろんありますが、逃げないのは当たり前のことです。

 記者ブリーフ、ないし記者会見も、高木啓事務局長が仕切ります。
 代表のぼくだけではなく、山田宏・護る会幹事長も答えますが、逃げないことではまったく同じです。

▼この記者会見の結果、少なくともふたつの記事が出ています。
 時事通信の記事と、産経新聞の記事です。このうち産経新聞の記事は、とても丁寧に書かれています。
 上記の手順通りに進めていくのですから、まだ途中経過ですね。
 それにもかかわらず、このようにしっかりした記事になるのは珍しいことです。
 著作権の問題がありますから、記事のアップはしません。関心のある方は、時事がここ、産経がここです。

▼総会が終わると、もう午後の遅い時間です。金曜日ですから、国会議員は一斉に地元へ向かい、朝から衆参に詰まっていた国会日程は一気に終了します。
 ぼくは地元をつくりませんから、どこにも向かいません。
 戦闘力、あ、いやいや、健康の維持に関する日程がひとつ入っていました。大袈裟な日程ではありませぬ。
 それを短く無事に終えて、議員会館に戻り、東京大学の有志の学生たちへのオンライン・ゼミナールに臨みました。
 かつては議員としてはおそらく異例の、正式な非常勤講師として単位も出し、試験 ( レポート提出 ) も行っていた東大の講義ですが、いま現在は、有志へのオンライン授業になっています。
 東大よりずっと前から講義をしてきた近畿大学経済学部は、年に2回の特別講義です。
 いずれも学生たちに触れあう機会が激減しているのは、国会議員となって寂しくなったことのひとつですね。

 しかし、どういう場だろうが、次代を背負う学生たちに対しては、力を尽くして講義します。
 実は、講義録の集約にも入っています。
 時間はかかると思いますが、いずれ出版となります。
 講義の内容を広く国民に知ってほしいという、熱心な若手編集者の志を汲みました。

▼東大の学生たちへのゼミは、非常勤講師の時代とまったく同じ時間、たっぷりと行います。
 こうして、とても早い朝から始まった日程は、まさしく1分のスキマも無いまま、夜に入って、午後7時に近づきました。
 ふだんなら、まだ書類整理をしますが、疲れて、いったん自宅に戻って仕事をすることにして、居残ってくれていた公設政策秘書と共に、会館を出ました。
 もう議員会館には、人の気配がほとんどありません。

 これが、ひとりの議員の、日中のありのままの仕事です。
 あ、もう日中じゃないか。
 ぼくの場合、いちばん辛いことのひとつはおそらく、家に帰ってからまた、原稿の仕事の本番だということでしょう。

 しかし原稿を書くのは辛くないです。
 ここ数年、おのれの原稿が熟 ( こな ) れてきて、もの書き、作家としては、自分を突き放しつつ客観的にみて実は絶頂期に入っているのだろうと思います。
 それなのに書く時間が絶対的に不足しているのが辛いですが、もっと辛いのは、繰り返される失政への内心の憤怒と、主権者から日々、当然の責務として背負う重荷、ときおり理不尽に掛けられる負荷もあって、こゝろの疲労だろうと、これも客観的に淡々と考えています。

 これがわが選択ですから、文句はありません。
 貴重な睡眠の時間に悪夢しか見ないのは、ちょい閉口ですが、それでも悪夢を見ることも何も、怖くは、ありませぬ。





 
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