On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-05-11 04:08:34
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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みなさん、それでも朝は来ます。おはようございます。  ( いわゆる医療崩壊をめぐる真実について )

 きのう予算委員会が終わって、議員会館にひとり、歩いて戻ってきたとき、ぼくを待ってくれていた出口 ( いでぐち ) 太・公設政策秘書が、「議員、大丈夫ですか」と聞きました。
 思わずそう聞いてしまった、という感じでした。
 聞かれて初めて、自分がどんなに、とぼとぼと歩いているかに気づきました。

 衛視さんがふたり、いつもと変わらず、背筋を伸ばして敬礼してくださいます。
 このような暗黒国会でも、ちゃんと支えてくれる人たちがいる。
 それを思い、声もない多くのひとびと、すべての同胞を思い、たとえ、とぼとぼでも、歩くほかありませぬ。

 このブログを使って罵声を浴びせる人は、安全です。
 声もないまま命の危機、こゝろの危機に直面している、沢山のひとが居ます。

 このおのれは、みずから決めてここへやって来た以上は、這って進むだけです。
 ぼくに罵声を浴びせて鬱憤を晴らす人のためにも。

 世には、人知れず働くひとが、山のように居ます。
 たとえばシリアで政府の自国民への爆撃で殺される、飢えた国民、その若いお母さんが産んだばかりの赤ちゃんのために、みずからを顧みず、なんの報酬もなく働く医師がいる。
 ふと日本の山が眼に入るとき、シリアで越えていった山々の岩肌が胸に蘇ります。
 この日本で、武漢熱に冒されながら病院に入ることもできないひと、まさかの死に瀕していくひとのために、懸命に病院を探す救急隊員がいる。
 日本には、OECDの調べでは世界最多という164万床を超える病院の清潔なベッドがあり ( 西暦2018年の調査 ) 、しかし、日本国厚生労働省の調べでは、武漢熱の患者を受け容れるベッドは、そのうち3万床を超える程度しかない ( 4月下旬現在 )。
 これが失政でなくて何だろうか。
 失政で死ぬのなら、自国民への爆撃と、命にとっては変わらない。
 国民ひとりひとりの、それぞれの、永遠に決して代わりのない命にとっては、変わらない。

 どんなに政治が動かないように見えても、おのれが無力に思えても、外から楽に批評するよりは、内で直にぶち当てるほうが有効には違いない。
 このまま往きます。
 声にならない声を、胸の奥で聴きながら。

 いま朝陽の気配に手を合わせて祈りました。
 きょうは参議院の経済産業委員会の理事会から、公式日程です。
 そのまえに、やること、やれること、やらねばならないことが、まるで終わりのない山脈のように待ち構えています。
 山を登る ?
 いえ、違います、知られざる地下の道を掘って、腹ばいになって暗闇を進むのです。
 なにも特別なことではありませぬ。






 
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