On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-03-09 03:46:45
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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国会議員は、生の質問が、ほんらい任務です  命をかけて、しかしあくまで淡々と肩肘張らず、やりきらねばなりませぬ



▼きのう3月8日火曜の午前、参議院の経済産業委員会で質問に立ちました。

 朝8時に、まず自由民主党本部で開かれたウクライナ戦争をめぐる合同部会 ( 外交部会、国防部会、財金部会、経産部会 ) に眠い目をこすって参加し、二度とこのような戦争を起こさせないための国連改革について外務省に問いました。
 そして国会議事堂に移り、まず経済産業委員会の理事会に参加です。
 その理事会がやや長かったために、経済産業委員会が午前10時に始まる直前、9時59分に委員会室に入りました。
 委員会が始まるとすぐ、質問開始です。ぼくはこの日の全党・全会派による質問の、トップバッターでした。
 そのため、いわば国会質問という重大事への心の準備ができなかった訳です。
 しかし、心の準備などほんらいは関係ありません。国民の代理として政府に問うという神聖な任務に徹すれば、いつでも、こゝろは定まっています。

▼国会質問は、これで29回目です。
 写真は、出口 ( いでぐち ) 太・公設政策秘書が、野党席の後ろから、参議院の公式な許可のもと撮ってくれました。
 野党のみなさんが、ぼくの質問をどのようにお聴きになっていたかが、すこし伺える写真でもありますね。



▼質問は、ウクライナ戦争をめぐって、まず経産委の枠を超え、歴史観に通じるおおきな視点での分析を短く、簡潔に語り、そのうちのひとつ、エネルギー危機に絞って具体的に問うていきました。
 カギは、国産資源と国産技術の進展です。
 そして最後は、サイバー戦争の一角であるトヨタ自動車グループの操業停止を取りあげました。

 経産委は、予算委とは違って常に、往復方式です。
 すなわち、持ち時間には、政府側の答弁時間も含まれます。ところが政府側、すなわち大臣を始め政治家、そして行政官 ( 官僚。国会質疑の場では政府参考人と呼びます ) が答弁にどのくらいの時間を使うのか、まったく事前に分かりません。
 したがって、実際は質問をしながら、頭の片隅で常に、時間の進行具合を考えています。
 決して質問が持ち時間を超えないことがルールで、ぼくは厳格にそれを守ります。

 内心では、ちゃんと時間が合うか、常に心配し、同時にその心配が質疑には一切、表れず、主権者・国民の代理人として落ち着いた、しかし最小限に絞ったユーモアも交え、鋭い対立もある野党のみなさんも共に考えられるように工夫を重ねて質問するように、力を尽くして努めています。

 

▼答弁なさる萩生田光一経産大臣です。
 このあと、なるべく紙を読まないで、自在に答弁なさることをお願いし、大臣はいくぶん苦笑されつつも、そのとおり、紙に目を落とさず実感のこもった答弁もなさいました。

「質問する前に萩生田経産大臣と、実は打ち合わせをしたのだろう。息が合いすぎていた」という趣旨の ( 原文の通りではありません ) コメントをこのブログにいただいています。
 いえ、国民・主権者の知らないところ、裏で息を合わせるようなことを、ぼくは決してやりません。

 ルール通りに、担当官庁 ( この場合は経産省 ) にしっかり質問通告を行いますが、大臣と陰の打ち合わせなど一切、行っていません。
 主権者・国民の眼に見えるところで、その場の丁々発止の意味あるやり取りが実現するように、質問を工夫するのが国会議員の任務のひとつだと考えています。



▼この通り、目を上げて、答弁なさっています。
 こういう時にこそ、萩生田経産大臣の個性が光ると思います。
 民主的な手続きで就任なさっている大臣に、その持ち味を発揮していただけるよう質問するのも、国会議員の役割だと考えます。



▼「委員長 ! 」と高く手を挙げ、質問の許可を求めます。
 かつて東大 ( 非常勤講師の当時 ) や近畿大学 ( 客員教授としてレギュラー講義のあった当時 ) の教室で、学生たちに「手を挙げるなら挙げるで、はっきり、真っ直ぐ、高く上げよう」と求めていたことを、おのれも実践しています。



▼大臣だけではなく、行政官 ( 官僚 ) も、本領を発揮して答弁なされるよう工夫しています。
 この日はあえて、冒頭、すなわち質疑の皮切りの答弁を政治家ではなく、行政官に求めました。

 真摯に答弁なさっているのは、経産省で自前資源の開発をめぐって現在はぼくと連携するようになった経産官僚、大幹部である定光佑樹・経産省資源エネルギー庁資源・燃料部長です。
 ぼくが民間の専門家 ( 独立総合研究所の社長 ) 時代からの長い議論相手のひとりです。



▼質疑の最後の場面です。
 前述したサイバーセキュリティに関する質問には、大臣ではなく、石井正弘経産副大臣に答弁をお願いしました。
 副大臣にも、力を発揮して頂きたいのです。
 石井さんは、岡山県知事を4期にわたりおつとめになった実力者です。

 ぼくの質問は持ち時間内に、政府側の答弁時間は残しつつ、ぴたりと終わりました。
 その最後の質問に答えてくださった石井副大臣の答弁には、良き熱が入っていて、すこし時間を超過しました。
 しかし議員も傍聴者も、聴き入ってくださいました。

▼その傍聴者は、感染症対策の影響で、わずか4人に絞られました。
 多くの応募者から、国会の現場を肌で感じる機会を獲得された4人の主権者です。

 午前の審議が終わるとすぐ、傍聴席に駆けつけて、そこから一緒に移動し、国会内の一角を衛視さんの許可を得てお借りし、丁寧に解説し、質問にもすべて答えました。
 国会の主人公はいつだって、みなさんです。

▼傍聴は4人、参議院の公式HPで視てくださったかたも、数は多くないでしょう。
 このようにぼくの国会活動は、多くの国民に知られることはありません。
 メディアが一切、報じませんから。

 したがって、7月10日の参院選で落選し、このような質疑の機会も喪われる可能性は十二分にあります。
 いかなる団体の支持もお断りしているので、有権者ひとりひとりの自由な意思だけで、ぼくの当落は決まります。
 ぼくはその結果をそのまま受容します。
 ぼくに投票するしないではなく、上記のように工夫された国会質疑とはいかなるものか、できれば主権者・国民が関心を持っていただいて、参議院の公式HPでご覧ください。
★ ここを開けば、即、視ていただけます。





 
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