On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-10-21 03:30:10
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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物語 ( 小説 ) の新作、「夜想交叉路」はサイン会を開きます





▼作家としてのぼくは、ノンフィクション分野と、フィクション ( 物語 ) 分野の双方の本を、ささやかながら世に問うています。
 このうち、物語文学で申せば、処女小説が「夜想交叉路」でした。

 ぼくは記者時代には本を出すことを一切せず、記者を辞してから、自由な立場で本を出すようになりました。
 それはまず、ノンフィクション分野から始まりました。
 そして小説の第一作「夜想交叉路」は、原稿をそのまま封筒に入れ、「文學界新人賞」に応募しました。

 思いがけず、最終候補の数編の中に残りましたが、この回の「文學界新人賞」は受賞作無しに終わり、したがって「夜想交叉路」も印刷されること無く、世に出ませんでした。
 実に四半世紀ほども、前のことです。

▼去年の12月21日火曜日のことです。
 扶桑社の田中享編集長がやって来られました。
 この編集者は、ノンフィクションのロングセラー「ぼくらの祖国」を担当してくださった名編集者です。

 田中さんは、夜想交叉路を甦らせて世に出しましょうと提案されました。
 ぼくは気乗りしませんでした。
 埋もれた作品、実らなかった原稿もある。それが物書きだからです。
 しかし田中さんの言うことだからと、その場で、モバイルパソコンの中で原稿を探しました。パソコンはぼくの代わりに過労死を重ね、何度も何台も代替わりしていますが、原稿のデータは移して保存し続けています。

 見つからないかなと思いましたが、見つけて、おのれの原稿をざっと読むと、面白い。
 欠点があるけど、面白い。
 そこで、その場で、全面改稿を決意しました。

▼あれから、長い道のりでした。
 公務が絶対最優先ですから、時間が掛かるのは避けがたいことです。

 しかし、とぼとぼであっても、歩いてさえ居れば、いつかは目的地に到達します。
 ことし8月21日の日曜日、出張で羽田から宮崎に飛ぶ1時間40分の機中で、「夜想交叉路」の改稿を一気に脱稿しました。

▼その先は、ゲラ直しです。
 扶桑社のみなさんの努力で、脱稿からたった6日で初校のゲラが届きました。
 この初校ゲラの直しを終えて、田中さんに渡し、再校ゲラ直し、念校ゲラ直しと続き、最後の最後、念念校のゲラ直しを10月19日水曜に終えました。

 真夜中から未明までしか時間を使えないにしても、ゲラ直しに2か月近くを費やしましたが、ゲラに手を入れるというのは、彫刻に似ています。
 1本の何でもない木、道ばたに捨てられていたような木から、まずあらあらに人間像を彫り出してみる。
 そこに大胆にして繊細、それに誠実な鑿 ( のみ ) をさらに入れていくことによって、永遠の人間像が現れてくる。
 その鑿の積み重ねが、この最後の2か月でした。

▼そして11月17日に、主要な書店に並び始めることが決まりました。
 と言っても部数がとても少ないですから、目にされる人も少ないでしょう。

 すると、予約してくださるひとが、現れました。たとえば、ここです。
 こゝろから感謝します。

▼田中さんとの話し合いで、サイン会を開くことも決まりました。
 写真は、かつて八重洲ブックセンターで開いたサイン会です。いずれの写真にも、田中さんがいらっしゃいます。

 今回は、場所、日時ともに未定です。この日程も、公務絶対優先のなかで確保せねばなりません。きっと、できると、信じます。
 場所や日程を決める前に、予約を含めて、読者が一定以上いらっしゃらないとサイン会は開けません。
 しかし・・・きっと、みなさんとお逢いできると、これも信じたいと思います。

▼さて、今日も午前4時半近くになりました。
 今朝も8時から、自由民主党本部で部会に参加します。
 今朝は、外交部会です。
 テーマは、米軍が韓国の工作によって「日本海」の名前を消すという事態、また、同じく韓国によって、事実に反する「慰安婦像」が世界に立てられようとしている問題のふたつです。

 いずれも先日の部会で不肖ぼくが問題提起したことを、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) のメンバーでもある堀井巌・外交部会長が今回、公正な判断としてテーマとして採りあげ、部会を開催されるのです。
 淡々と謙虚に、しかし強靱な姿勢で、今朝も発言しようと思います。



 
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