2022-12-11 03:00:23
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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みんなに支えられて、ひとつの極限の日も、完遂できました
( きのう12月10日土曜の夕刻に、国会議事堂で開かれた、臨時国会最後の「議員総会」です。本会議の前には必ず、こうやって自由民主党所属の参議院議員が一堂に会します。
写真左端には、護る会の山田宏幹事長の姿があります )
▼悲劇の年も終わりに近づく12月10日土曜は、神戸で独立講演会が予定されている日でした。
独立講演会とは、「独立」という名の通り、スポンサーが一切無い、講演会です。
その代わりに、志あるみなさんから会費をいただき、参加者以外には決して内容を漏洩しないという絶対条件で機密情報や水面下の動きをみなさんと共有し、数多くの質問にも答える、そういうかけがえのない場です。
わたしが独立総合研究所 ( 独研 ) の社長時代に、この独立講演会を始めました。
西暦2011年5月のことです。
東日本大震災から2か月、同じ被災地の神戸を初開催地に選びました。
みなさんからいただいた会費は1円残らず、わたしが被災地の宮城県南三陸町に持参し、佐藤仁町長にお渡ししました。
▼そこから5年後の2016年7月、思いがけず参院選に出ている最中に、わたしは、みずから考えて、独研の代表取締役社長・兼・首席研究員を辞め、創業者株も全株、無償で返上しました。
このため独立講演会も、同2016年7月16日開催の第55回@東京から、運営には一切、関与していません。講演そのものだけを、新社長下の独研から委託されて、遂行しています。
▼現在は、3代目社長の独研が、独立講演会を運営しています。
その独研によれば、「すくなくとも半年以上前から、会場を確保します」とのことです。
独研は「民間の立場から国益を追求し、会社の利益は求めない」という理念を掲げています。そのために内部留保が無く、早い話がおカネが無く、コストの高くない会場しか選べないので、常に苦労しているわけです。
独研が会場を確保するという「半年先」に、国会日程がどうなっているか。
それは誰にも分かりません。総理だろうが誰だろうが、分かりません。国会日程は与野党のその時のリアルタイムの折衝で決まるからです。
一方で、土日祝日に国会が開かれることは基本、ありません。
国会議員に休日は無いのですが、国会の事務職員が土日祝日に、労働者の当然の権利として休むからです。国会を開くためには、たくさんの国会事務職員の助けが不可欠です。
▼ところが今回、ふつうでは無い、異例の事態が生じました。
岸田総理が、「旧統一教会の被害者を救済する法案」について、野党の要求もどんどん呑んで会期内にどうしても成立させたいという指示を、実質的に幹事長や国対委員長らに降ろされたからです。
臨時国会の会期末は、12月10日土曜でしたが、ふつうなら、そのような重要法案があるのであれば週明けの12日月曜から数日でも会期延長をして、じっくり議論するところです。
参議院は「良識の府」とされ、「熟議の参議院」でもあるのですから。
しかし、会期の延長はせず、どうでも10日土曜に、旧統一教会被害者救済法案を委員会で採決、さらに本会議に掛けて可決成立させるということになりました。
こうなってしまうと、わたしは神戸に行けなくなります。
その日に神戸で予定され、すでにおよそ千人の参加が決まっている独立講演会は、開催不能になります。
▼この水面下の驚くべき動きを、わたしが把握したのは、12月7日水曜の昼前、自由民主党本部で経済産業部会に参加して、財務省がクルマをめぐって、あの手この手で増税を企んでいることを、どうやって阻むかを協議している最中でした。
クルマは、経済産業省の所管です。
▼さぁ、そこから、苦悩が始まりました。
わたしは、千人もの志ある主権者・国民のみなさんに、独立講演会の直前になって「中止」と告げねばならないことに、こゝろの底から戦慄 ( せんりつ ) しました。
このエントリーにあるように、公務のすべてを完遂しながら、内心には耐えがたいような痛みが押し寄せてきました。
一方で、出口 ( いでぐち ) 太・公設政策秘書、入間川和美・公設第二秘書、そして独立総合研究所と協議を続けました。
独研からは「12月は中止。千人に返金」という提案もありました。
独研には、会場費の全額 ( 直前ですからキャンセル料は全額と思われます ) 、返金の損害が出ますが、やむを得ないという判断でした。
▼そのとき、わたしの深い部分で分かったのは、独立講演会の参加者、それから東京コンフィデンシャル・レポート ( TCR ) の会員を、おのれがどれほど思っているか、信頼しているかでありました。
そこでまず、中止ではなく延期とすることを独研にお願いし、独研の熱意と努力によって、12月17日土曜に日程を変更して独立講演会を行うことが決まりました。
しかし、これで問題解決とはしませんでした。
海外から参加するひとが居るからです。 ( あとでドイツのドレスデンとデンマークのコペンハーゲンと分かりました )
国内でも、北海道をはじめ、遠方からの参加者が少なくありません。
こうした遠くからの参加者が、1週間後の17日土曜まで、神戸に居続けられるはずはありません。
そこで出口秘書と協力し、12月10日土曜の実際の国会日程が、与野党の折衝によってゆっくりと決まっていく過程をそれぞれの情報ルートで丁寧に追って、把握に努めました。
すると、朝から相当な時間、消費者特別委員会で旧統一教会被害者救済法案を審議することが分かりました。
この特別委員会に、わたしは属していませんから、その時間は動けます。
出席義務が生じるのは、午後3時10分予定の憲法審査会からだと分かりました。
本会議は、午後5時の予定です。
これを活かして東京 → 神戸 → 東京のトンボ帰りをやれば、短時間の独立講演会・臨時版をおこなうことができます。
その代わり、独研にとっては、会費ゼロでもうひとつの独立講演会をおこなうことになり、損害を概算してもらうと、わたしの社長経験からして、独研の経営に直に響く損失になることが分かりました。
しかし独研に迷いはありませんでした。
「志ある参加者のためになるのなら」と即決で、準備に入ってくれました。独研の掲げる灯火は、創建当時の輝きと何も変わっていませんでした。
あとは、わたし自身が平然と負担に耐えればよいだけのことです。
▼・・・そして、きのう12月10日土曜の当日はこうなりました。
5:55 都内の自宅を出発
9:25 新幹線が地震による停電で一時、止まり、予定より10分遅れで新神戸着。
徒歩で、神戸芸術劇場へ。
9:45-11:38 独立講演会・臨時版。内容は前述のように、一切、明かせません。しかし、およそ500人のみなさんと魂から連帯する、素晴らしい場となりました。
徒歩で、新神戸駅へ。
新幹線はまだ遅れていました。ギリギリの日程ですから、リスクが膨らみます。しかし、信じていました。
14:55 国会議事堂着。
15:10 憲法審査会 閉会手続き
15:20 経済産業委員会 理事会
15:30 経済産業委員会
15:50 ODA沖北特別委員会
16:10 行政監視委員会
16:40 議員総会 ( 冒頭の写真です )
17:00-18:30 本会議 国会閉幕
夜~未明 東京コンフィデンシャル・レポート ( TCR ) の第1311号のための情報収集と、執筆。
▼それではみなさん、12月17日に再び、神戸の独立講演会で身近に、間近に、お逢いしましょう。
10日土曜の臨時版も、17日土曜も、いずれも参加できないかたには、こゝろを込めて、お詫びします。
新年の最初は、1月28日土曜に東京で開く第134回独立講演会です。
募集は、12月19日月曜の正午に始まります。情報はここにあります。
苦しかった数日間に、苦しんだからこそ分かったこと、それを書くのはたいへんに面映ゆいです。
しかし、もう一度、ありのままに記します。
つくづく分かったのは、みなさんを、おのれの想像以上に、魂の深くから愛していることです。