On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-06-27 03:27:21
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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LGBT法案の採決を退席★実録その3・・・お待たせしました


( 先日、「日本海連合」の現会長の花角新潟県知事と共に、総理官邸を訪ね、磯崎官房副長官を通じて岸田総理に「日本海の自前海洋資源の実用化を」と訴えました )


( 総理官邸のあとは、経産省を訪れ、西村経産大臣に同様の申し入れをしました。
 花角新潟県知事と一緒に行動した国会議員が、新潟をはじめ日本海沿岸の選出の議員ではなく、なぜ不肖わたしだったか。
 それはこの「日本海連合」は、わたしが民間の専門家時代の平成24年、西暦2012年に、全国知事会長だった山田京都府知事、資源エネルギー庁出身の泉田新潟県知事、それに日本海側と瀬戸内海側の両方に面した兵庫県の井戸知事~いずれも当時~を訪ね歩いて提唱し、やがて10府県で発足に至ったからです。
 日本海連合が12府県の体制となり、わたしが参議院議員となった現在でも、日本海連合はわたしに連携を求めてこられます。
 だからこそ、西村経産大臣の公式ツィッターでは、この日の申し入れについてわたしの姿も、わたしについての言及もあります。
 ところがオールドメディアは、わたしという国会議員がこの世に居ないことにするために、わざわざ写真を改変して報道しました。
 これが報道と言えるでしょうか。
 中国をはじめ独裁国家が、都合の悪い人物を写真から消し去ることと、そっくりです。
 この恐るべき事実を、主権者のみなさんに伝えるために、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」この動画で話しています。サムネイルは「国会議員を居ないことにした現場」です)


▼さて、上掲の写真に加えて、LGBT法案の採決で退席したことをめぐる実録の続きを、アップします。

~実録その1 ( これ ) 、その2 ( これ ) からの続き~

▼参議院の本会議場で、LGBT法案の採決が近づいてきます。6月16日の金曜です。
 本会議は長時間に及ぶことも多いです。すべての審議をしっかり聴き、考え、そして何かの裏紙を用意しておいて、ポイントや所感を記していきます。

 参議院は、事前に申請して許可が出れば、委員会室ではモバイル・パソコンが使えます。長いあいだ、それが許されないという不合理なことが続き、最近になってやっとすこし改善されました。
 しかし予算委員会でちゃんと許可をとってモバイル・パソコンを適切に使っていると、予算委の理事会で、野党の左派色の強いある理事から不当な文句が出たそうです。陰湿な嫌がらせです。国会の不合理はやはり、議員自身から生まれていることが多いという証左です。
 公平に申して、それは野党だけではなく自由民主党も加担していますね。

 そして本会議場では現在も、一切、電子デバイスは使えません。
 だから、前述のポイントや所感を記すのも、すべて手書きです。
 そしてこの日は、その手をふと、止めました。

▼議員になって7年目、不肖わたしは国会審議が神聖なものであることを我が身を持って示そうと、予算委員会でも本会議でも、どんなに長時間の審議になってもトイレに行かずにじっと、座り続けてきました。
 椅子は伝統はあるけれどとても古くて、腰には打撃です。しかしそんな問題ではありませぬ。
 この日の本会議も同じです。

 LGBT法案は「日程の4」ですから、それまでに与野党の対決法案を含め審議と採決が進行していきます。
 審議を聴き、賛成すべき法案で起立し、そうしているあいだに気持ちがすっと、これまで以上に落ち着き、澄んでいくのをありありと感じました。

 わたしは野党のひとびとにも仲の良い議員が多いです。考えはまったく違います。しかし友情の邪魔にはなりませぬ。
 政治記者の時代の取材が、ありとあらゆる政治家とフランクに付き合うという方法論だったこともおそらくは影響しています。
 寛容であることこそ、にんげんの基本だという考えもあります。
 この本会議の前に、何人かの野党の参議院議員から「青山さん、LGBT法案の採決で、われわれと同じ行動を取ってくれるらしいね」という趣旨を、異口同音で聴きました。
 わたしは「いや、同じ行動はとりません」と各議員に即答しました。
 これは、主権者にはすこし解説が必要です。

▼衆議院では、LGBT法案はふたつありました。
 自公両党が維新・国民民主党案を丸呑みした4党案と、立憲・共産の2党案、そのふたつです。
 自由民主党の衆議院議員が、仮に4党案に反対して立憲と共産の議員と同じになっても、立憲共産の2党案にも反対すれば、立憲と共産の議員との違いが出せます。

 衆議院で4党案は可決、2党案は否決となりました。衆院の段階で否決された2党案は、参院には送付されません。
 したがって、わたしの居る参議院の本会議では、自公維国の4党案だけが採決に掛けられました。
 その採決の際は、参院議長が「賛成の方の起立を願います」と仰ったときに、立てば賛成、そのまま座っていれば反対となります。

 立憲と共産の2党案は、参議院ではもはや存在しないために、立憲民主党と共産党の議員は、採決で座っているだけです。
 わたしは自公維国の4党案に反対です。一方で、立憲と共産の2党案は参院ではもはや採決がありませんから、座っていると、立憲と共産党の議員とまったく同じ行動になります。
 参議院の野党議員がわたしに言った「同じ行動」とは、これを指しています。
 それをやれば、4党案に反対するのとは別の意味、すなわち野党への同調となってしまいます。それはしない。
 正しい行動は、退席しかない。そのように心に決めていました。

▼退席して本会議場の外へ出れば、メディアが大挙して待っているでしょう。
 その取材に、LGBT法案に反対であることを明言しよう。それも決めていました。

 衆議院で退席なさった自由民主党議員は、反対を仰らずに「トイレに行った。生理的現象だ」と言われました。
 それはその議員が自律して決められたことです。
 なんとか意思表示しようとなさった、その努力と志をあくまで尊重します。
 同時に、生理的現象では、自由民主党も処分はできないでしょう。逆に、反対を明言すれば処分は不可避です。
 同じ退席でも、そこに大きな違いが出ます。

 わたしは事前に、党首脳陣のおひとりに「反対するために退席します」とすでに明言し、「野党と同調はしません。しかし自由民主党の議員として、4党案に反対です」とも述べていました。
 そして「もしも同調者があっても処分はわたしひとりにしてください」と申し入れていました。処分を覚悟した上での行動だと、明示していたわけです。

 だから、退席したあと、もしもメディアの取材があれば、反対するための退席であることを、はっきり言おうと決めていました。
 日本のオールドメディアは、わたしという国会議員はこの世に居ないことにするのが常ですから、現場の記者が取材しても、上の判断で報道しないことが充分にあり得ます。
 しかしそれはメディアの決めること。わたしは信ずるままに、主権者のみなさんへ考えを明言しようと考えていました。

▼LGBT法案の採決が近づくなか、これらのことをもう一度、頭のなかで静かに確認していると、前述のように、気持ちがさらに落ち着き、澄んでいくのを感じました。

 さぁ、議事は「日程の4」に達し、参議院の内閣委員長が登壇し、「委員会段階で4党案が可決されて、この本会議に送られてきた」ということを述べ始めました。
 これが終わると、議長が「賛成の方は起立を」と求めます。
 行動の時が来ました。

 以下、実録の4に続きます。





 
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