On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-08-01 03:14:25
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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たくさん考える8月に、いつも考える、もうひとつのこと



▼8月になりました。
 日本にとっては、永い歴史で初めて、被占領を伴う敗戦に直面した月です。

 国民から受信料を取る放送局が「日本だけが悪者だった」という思い込みの放送を、毎年、繰り返す月でもありますね。

▼一方で、もうひとつ、いつも考える他国の軍事的事件があるのです。
 それは西暦2000年8月12日にロシアの原潜クルスクが、バレンツ海に沈んだ事故です。魚雷の爆発が原因という見方が有力です。
 ロシア海軍の信じがたいほどの衰えから、救難艦が機能せず、しかもプーチン大統領が保養地ソチでの夏の休暇からモスクワに帰らないまま英国海軍などの救援の申し出を拒み続けました。
 そのあいだ、118名の乗員のうち23名が生存して救援を待ち焦がれていたことが、のちに艦内で見つかった手記・遺書から明らかになっています。
 ようやくプーチン大統領が救援を受け容れて、英国とノルウェーが共同でクルスクの非常脱出ハッチを開くと、もはや乗組員は全員、亡くなっていました。
 プーチン大統領は、自国の軍人と、その70人を超える子供たちを含む家族を、見殺しにしたも同然です。
 ところがプーチン大統領もロシア軍の将軍たちも、誰も何も責任を追及されず、それどころかプーチン大統領は、いわば見殺しの地であったソチで14年後に、人工雪の不自然な冬季五輪まで開きました。
 乗組員の家族は憤激し、身を切り刻むように悲しみ、烈しく抗議もしたのでしたが、大統領は何も感じていないのでしょうか。

 独裁者とはいったい何者なのか、プーチン大統領個人のことにとどまらず独裁主義とはいったい何なのかを、いつも考えます。
 日本はロシアよりずっと古い歴史を持ちながら、一度も独裁者が現れたことがありません。

▼写真は、民間専門家の時代です。
 旭日旗の翻る潜水艦の艦上に、ぼくと一緒に並んでくださっているのは、敬愛する潜水艦隊幕僚長、三木伸介海将補 ( 当時 ) です。
 日本の民主主義に基づいて、潜水艦には、しっかりした救難体制が準備されています。



※ブログの異変で紹介が遅れていた発信を、今日もひとつ、紹介します。
 人間とロボティクス、人間と人工知能、人間と科学技術、そこから浮かびあがる生命の本質、それらを考え抜くのは、ぼくにとって、ささやかな哲学の体系づくりの大切な一環であり続けています。
 その一端を、この動画で、今のタイミングを選んで、話しています。
 なぜ今なのか。ちょうど人間にとって考え時だと思うからです。

 動画の撮影に協力してくださっているクルーからは、消極意見もありました。
 アクセス数が少ないと予測してのことでしょう。
 アクセス数よりも大切なものがあります。そのひとつが「ここで、このタイミングで、みんなに考えてほしい」と思うときにこそ発信することです。
 ちなみに、この動画「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」は発信開始から3年と半月で視聴が2億2千万回を超えています。しかし、ぼくはスポンサー料を1円も受け取っていません。

 すべてを20秒台から、長くても40秒台までで語りきっているショート動画 ( ここ ) と一緒に、よろしければ視てみてください。

※国会が閉会中でも、世は夏休みの季節でも、不肖ながらの苦闘千里に変わりはありませぬ。
 そのなかで、日本の家族をめぐる百年物語の「夜想交叉路」をここで手に入れて、読んでくださるひとが絶えずに続いていることが、こころの支えです。
 みなさん、ありがとう、魂から。





 
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