On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-08-11 03:42:40
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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志の輝く日本の次世代研究者は、このみんなです



▼日本の自前の海洋資源を実用化するために、奮闘しているひとつが国立研究開発法人のJAMSTEC ( ジャムステック / 海洋研究開発機構 ) です。
 先日、このJAMSTEC横須賀本部の現場を、東京海洋大学大学院の学生のみなさんと共に訪れました。
 学生諸君は、東京海洋大学の青山千春特任准教授の引率です。

 青山千春博士のいつもの特徴として、自分の研究室の学生に特定するといったことをしません。広く、志ある学生は全て受け容れて、指導します。今回も、幅広い研究室から参加してきました。
 議員会館の青山繁晴事務所からは、ふたりの学生インターンのうち、日程の都合がついた増野優斗くんも参加しました。

▼写真は、JAMSTECの保有する海洋調査船のうちの一隻、新青丸です。
 JAMSTECの幹部が、丁寧にレクチャーしてくれています。
 ぼくは、その様子を日本のために励まされる気持ちで、うしろから見て、聴いていました。



▼JAMSTECのAUV(自律型無人潜水艇)などがいる保管庫は、残念ながら写真で紹介できませんが、学生諸君は多くの貴重な現場情報に接しました。

▼今回、学生のうち女子はふたりだけでしたが、ひとりはすでにJAMSTECの研究調査船に同乗経験がありました。
 それをJAMSTECの研究者と一緒に聞いて、とてもうれしかった。
 がんばれ、日本女子。
 負けるな、本物の日本男子は間違いなく、きみたちを支えるぞ。
 


▼先に自由民主党の議員団とも、このJAMSTEC横須賀本部を訪れました。
 その訪問も意義のあるものでした。JAMSTECが、日本の未来を切り開ける正当な予算を確保するためにも、必要な議論が行われたと考えています。

 今回は、そのときとは、また違う意義がありますね。
 この大学院生は、おそらくみんなが博士号を取るでしょう。海洋大学で、武漢熱に苦しみながらも海洋実習も行い、日本と世界の海に貢献できる人材が、この現場を見て、聴いて、質問したのは大きな経験です。

▼そのなかでJAMSTECの海底資源センターの最先端の研究者 ( 理学博士 ) が非常に印象的な、たいせつな発言をされました。
「今はまだ、人類は陸上産の資源にこだわっています。しかしいずれ、日本を含め、海洋資源こそ人間を救うと気づくときが来ます。それが50年後でも、100年後でもいい。私はその未来のために、このJAMSTECで力を尽くしていきます。みなさんの中からも、参加してくれる人を待っています」

 あくまでも、ぼくの責任で要約した趣旨です。
 しかし、ぼくらがいつも直面している悩みとも共通する問題について、志を込めて話してくださったと考えています。

 このJAMSTECの研究者は、アメリカのシェールガスも、やっと最近実用化したばかりです、と仰いました。
 その通り、ぼくもいつも指摘している事実です。シェールガスは、海洋資源のカテゴリーではありませんが、問題は「資源開発には時間が掛かる」ということなのです。
 最初は極めて少数の人によってアメリカがシェールガスの研究開発を始めてから、ざっと百年を経過してから実用化が始まったのです。
 日本の海のメタンハイドレート、メタンプルームを資源化するための取り組みは、始まってまだ、十数年です。
 しかし「まだ実用化しない」として、善意の疑問から、悪意の中傷まで、たくさん降り注ぎます。

 それは避けがたいことです。
 資源の研究に携わる人は、少ないのですから。
 避けがたいことだから、こうした声を非難してはいけません。
 じっと耐えて、報われたい、褒めてもらいたい、認めてもらいたいという私心を捨てて、ただ国益と国民益と人間の未来のためという本来の目的のためにこそ、静かに戦い続ける。

 その心構えを、このJAMSTECの理学博士は、爽やかな表情で語ってくださいました。
 これからその人生に臨んでいく学生たちのために、ぼくは、黙して聴きながら、胸の裡 ( うち ) では感涙がこぼれました。

▼こうしたことに取り組みつつ、まつりごと ( 政 ) の現場でも、粘り強く戦うほかありません。
 早期解散を目指しておられる岸田総理がなぜ、それをできないかというリアルな問題、その原因を探究しつつ、日本の根っこの問題を考えています。
 ここです。




 
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