2024-01-12 10:57:57
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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次に世界の金融の中心地のひとつ、チューリヒに入っています 引き続き、安全保障をめぐる現地調査と議論です
▼きのう1月11日にオーストリアのウイーンを飛び立って、西へ、アルプスを越えていきました。
アルプスの壮大な全容を見渡して、もちろん、アルペン・スキーヤーとしてのぼくの胸は騒ぎます。
今のぼくは、物書きとして筆に脂ののった時季なのですが、スキーヤーとしても実は、キレッキレの滑りを雪と斜面に刻める時季だと、自分を客観視しながら考えています。
雪の降らない神戸に生まれて、だからこそ思いがけずアルペン・スキーに取り組んでしまって、深刻な骨折や捻挫、両膝の皿の損傷を含めいっぱいいっぱい、しなくてもいい苦労をしてきました。
その先に今、何があるか。
身体になぜか後遺症もなく、急斜面の谷側のスキーにぐんと加圧すると、バーンと地球が跳ね返してくれて、次のターンに切れ込んでいく感覚、それを体内に持っています。
ただし今はアルプスで滑るなど夢のまた夢、飛行機はあっという間に降下して、強行軍の海外出張が続きます。
▼そしてきのう、アルプスを別の眼でも眺めていました。
ロシア軍が西の隣国ウクライナのふつうの国民・・・赤ちゃん、子供たちから妊娠している女性、高齢で杖がないと歩けないかたがたまで、新しく北朝鮮製のミサイルも使って殺害している今は、たとえばきのうまで居たオーストリアも、ロシアの脅威に秘かにあらためて備えています。
アルプスの高い壁は、その西側の諸国にとっては、いわば天与の防壁です。
しかし、アルプスの山の中にあるスイスや、アルプスの東側の国々にとっては、アルプス山脈をどう活かすかが、表では語られない安全保障の今そこにある重大課題なのです。
▼スイスに入るのも、チューリヒに入るのも、久しぶりです。
国会議員になっている今は、国会の開会中は「原則、海外渡航禁止」というルールに厳しく縛られていますからね。
今回も、1月下旬の通常国会開会までに、専門家のひとりとして26年のあいだ取り組み続けている安全保障上のアジェンダ ( 課題 ) をこなすために諸国を大急ぎで回らねばなりません。
現在は、現地時間1月12日金曜の未明3時14分です。
あとわずかな時間で、早朝からこのホテルを出て、スイスの重要インフラストラクチャの現場に向かいます。
▼日本の外交官たちも、意識を高く持たれて、大使館のある首都ベルンから、ここチューリヒに来てくれていますから、朝からその現場に同行されます。
ゆうべ早速、中田昌宏公使、大隈亘一等書記官となかなか深い議論をしました。
今ぼくは、能登半島地震の関連、羽田の事故関連、そして自由民主党の派閥政治が問われている大問題への取り組みが、この自主・自費の海外出張中にも同時進行です。
心身が自然にそれに反応していて、美味しいはずのヨーロッパのワインをはじめアルコールは受け付けないし、食事もろくに入りません。
ふつう、こうしていると身体が余計に疲弊するのでしょうね。
しかし自分の身体は、みなさんと同じく良く知っています。
おのれを研ぎ澄ませて、過密にして過大なスケジュールを自然体で乗り切ろうとしているのだと思います。
▼早くも過ぎ去ったウィーンでは、国際原子力機関 ( IAEA ) の本部で、実りの豊かな、しかし一切が極秘の議論を英語で直にいたしました。
主要テーマは、ロシア軍のチョルノービリ、ザポリッジャ両原発の、あり得ないはずだった軍事攻撃です。
それ以上は一切、申せませぬ。
そこには在ウィーン日本政府代表部の中田栄介公使 ( 旧科技庁出身 ) 、松山哲士二等書記官が同席され、日本政府にとっても得るものが非常に大きかっただろうと考えます。
このウィーン日本政府代表部の海部篤大使はなんと、故・海部俊樹元総理の甥でいらっしゃいます。
共同通信政治部の記者の時代に、海部総理と公邸の寝室でサミットをめぐって秘かに議論をするような信頼関係がありましたから、海部大使と大使公邸でお目に掛かったときに、思わずおたがいの話が弾みました。
ウィーンを去る時、大使館の若い派遣員、ドイツ語の専門家である岡田まりほさんが空港で見送ってくれて、大学生の弟さんがぼくの発信に興味津々だという嬉しい話しもしてくれました。
若い世代と言えば、議員会館の青山繁晴事務所の19歳の学生インターン、増野優斗くんがぼくに問うて、ぼくが20秒台から30秒台で答えるショート動画が、海外出張中もここに続々とアップされています。
志ある日本の若者のためにも、ちらり、視てやってください。
ちなみに、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」のチャンネル登録者は55万人を超えました。
みなさんの関心と連帯に、深く感謝しています。
視聴回数は、この動画の発信開始から3年半で、2億8千5百万回に迫っています。
▼今回も連携して同行している独立総合研究所 ( 独研 ) のヘイワース美奈研究員は、非常に深く勉強していて、また時差や気温差に対抗するための自己管理も徹底しています。
おかげで、ぼくは議論に集中できます。この強行軍についていけなくて同行者が不調に陥ると、実にたいへんですから。
ぼくは独立総合研究所の社長を辞め、創業者株も返上してから7年半が経つわけですが、この出張も独研の安全保障をめぐる高い専門性をさらに向上させるために、すでに充分に役立っていると考えます。
こうした『民間の智恵』の前進は、祖国のためにとても大切です。
独研が主宰し、ぼくが独研から委託されて4時間半を講演する独立講演会@京都にお出でください。総裁選への出馬を議論しましょう。ここです。
▼いま泊まっているのは、いわゆる高級ホテルとは言えません。
しかしこじんまりした、暖かみのあるホテルだと思います。古いビルの一角にあります。
アルプスの雲を突く山容から、北へわずか30キロほどのチューリヒの市街が、こうやって夜明けを待っています。
雪の足跡は、ぼくではありませぬ。
泥棒さんかな ?
いえいえ、アルプスの大斜面からの使者でしょう。
使者が来られても、スキーには行けませぬ。
個人的には、思いがけない、辛いこともあって、静かな夜明け前に、こゝろは沈んでいます。
しかし夜が明ければ、熱い湯で全身を呼び覚まして、現場へ向かいます。
こうやってブログのエントリーをしたためているうちに、日本はいま、お昼になりましたね。
みなさんが愉しい昼食を、健やかに摂られていますように。
それを、願っています。いつも、願っています。