On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-01-17 14:47:34
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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たとえば「青山繁晴が10人いろ」というリクエストが来ます  いや10人ではまったく足りないですね~  



▼たった今、仕事をしている横の窓から見えるロンドンです。1月17日水曜の未明というか早朝というか。
 日本は今、午後3時ぐらいですね。みなさん、仕事がたいへんだと思いますが、なんとか、おやつを食べたりしてほしいです。
 被災地の辛い情況はまだまだ良くならず、海外出張の責任をこなしながら、とにかく出来ることをやるほかありません。

 ロンドンは夜がまだまだ明けませんが、出発時間はどんどん迫ってきます。
 さすがに、10分でも15分でも、仮眠したいですね。
 もう、無理だとは思いますが。



▼これは現地時間きのうの早朝、イギリスの海辺の漁村です。
 原子力発電所の現場調査と、英国側との議論へ、出発する時です。

 この海外出張は、毎回そうであるように、朝の出発がとても早いです。
 一方で、その前夜も厳しいです。現地の一昨日の夜、重くなる一方、数も増える一方の荷物に苦労しながらユーロスターの列車でパリからロンドンに入ると、すぐ長駆、この海辺に向かいました。
 足が動かなくなるほど、長時間、車中で折り曲げていて、ついに着きました。
 着くとすぐに、荷物をほどき、翌日の調査の最新の準備です。
 あっという間に、朝が来ます。



▼やがて朝が来て、碧い空に、かもめが舞いました。
 あ~、あの自由がかつての俺にはあったなぁと、ふと、思いました。

 しかし、かもめも気楽に舞っているのではなく、朝から、生きるための戦いです。
 それを理解しつつ、俺も、せめて一度でも、自分のためにだけ生きてみたいかなとちらり思い、すぐに打ち消しました。
 このイギリスの海岸は、民間の専門家時代から何度も来ています。
 いつ来ても、胸を抉るような、寂しさがあります。
 同時に、海と戦う漁家のひとびとに、深い敬意を感じます。話してみると、最初はぶっきらぼうでも、とても優しいのです。

▼このブログに、合計3人のかたから「動画の『青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会』のコメント欄を青山繁晴が自分で全てチェックせよ。それをやらないのなら、ひどく失望する。あなたの人格を否定する」という趣旨となる書き込みがありました。 ( あくまで趣旨です。実際の文章ではありません )

 物理的に不可能です。
 それをやるなら、まず公務ができません。原稿も書けません。このブログも書けません。

 だから動画は収録だけに集中して、撮影と、コメント欄の管理を含む編集とアップは、井上ディレクターら3人のプロにお任せしています。それで、かろうじて、収録が出来ているのが現実です。
 編集やアップ作業の一部にでも関与するなら、収録自体が破綻します。ぼくの24時間は、信じがたいほど仕事が埋め尽くしています。わずかなスキマ時間を探して、狙って、どうにか毎回ギリギリで収録しています。
 上記のかたがたが求めることをやるのなら、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」そのものを打ち切らざるを得なくなるでしょう。

 ぼくは国内へ戻ると、時間の余裕が生まれるでしょうか。いえ、この海外出張中よりも厳しいです。国会も始まりますから。
 3人のうちおひとりは、理解していただいたようです。
 そうすると、ご意見としては2人です。膨大な書き込みの中のおふたりですから、少ないとは言えるのかも知れません。
 しかし、書き込んだのは2人、3人であっても、同じ意見を言わずに抱え込んでいるひとも他にいらっしゃる可能性を考えねばならないと、常に、肝に銘じています。

 井上ディレクターはチャンネル桜の人ですが、上記の撮影と編集とアップをチャンネル桜にお願いしているのではありません。
 フェアな感覚をお持ちのディレクター、井上さん、撮影のプロに徹している良質の職人であるカメラの阿久津さん、真っ直ぐな意見を言ってくれるのが頼りになる、音声の藤田さん。
 このトリオに、三浦麻未公設第一秘書をはじめ議員会館の青山繁晴事務所に3人しかいない秘書さん ( 私設秘書はゼロ、公設秘書のみ ) 、そして学生インターンの増野優斗くんを加えた7人とぼく8人の個人的な信頼関係で、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」を辛うじて維持しています。

 わたしは、動画のコメント欄を、前述の書き込みを受けて閉鎖するかどうかを、この海外出張中に考えています。
 井上さんに、3人のかたがたの苦情は伝えました。
 井上さんは、きちんと対処をされました。
 その上で井上さんは「少数者の意見で閉鎖すべきではない」という考えです。
 理解します。
 同時に、わたしは、まさしく少数者を少数者扱いにしないことも、信念のひとつです。
「動画のコメント欄を自分で管理せよ」という要求が、物理的に無理である以上は、コメント欄の閉鎖もリアルな選択肢ではないかと考え中です。

 こういう苦情は、ぼくが今、時差と、気温差と、各国政府の秘密の壁という三重苦と戦っている最中であることを、考慮されることがありません。
 関心の中心は、ご自分のコメントがどうなるか、でしょうから、それはやむを得ないことです。
 これがネット社会です。みなさんが広くご存じの通りです。
 いいの悪いのを言っても、この現実は変わりません。
 現実を受け止めつつ、最適の解を考えるほかありません。



▼きのうは、冒頭の写真にある海岸から出発し、英国の、強固に守られた原子力発電所に到着しました。



▼この白いドームが、特徴的です。


( 原発をめぐる写真は全て、公開の許可を得たものです )

▼英国政府と、英国関係者の協力に感謝します。
 日本政府の同行者にも感謝します。
 そして、この調査に連携し同行している独立総合研究所の研究員は、よくぞ耐えて、倒れもせず、不平の一言も言わず、高いレベルで調査と議論を遂行しています。たいしたものです。日本女性は、左右のおふたかたとも、やっぱり凄いです。
 日本は天照大御神と卑弥呼の国ですからね。

▼きのうの夜、この原子力施設から再び長駆、ロンドン市内に戻りました。
 戻るとすぐ、日本政府側と議論です。

 ある高官が仰いました。
「あおやまさんがやっているような、この現場調査、この海外での直接議論、ほかにやっている国会議員はまったく居ません。敬意を持って、出来る協力は致したいといつも考えています」

 この調査は、すでに20年以上、継続しています。
 ここから、日本の重要な社会インフラ ( 基盤施設 ) を護るために、極めて重要な改革をいくつも提案し、次々に実現しました。
 民間の専門家時代も今の国会議員時代も、同じです。
 安全保障の機密事項ですから、こうした無条件の公開の場では、何も具体的に申せないのが残念ですが、機密を厳格に守ってこその、国民と国家の防衛です。

 わたしの、みんなと同じく一度切りの人生は、最期まで報われることは無いでしょう。
 それは、わたし自身の選択であり、天の差配でもあります。

 自由に空を舞うのは、かもめの命です。
 わたしは地上からそれを見上げて、かもめの生きる大自然も護ろうとすること、それが任務です。

 さきほど、たまたま、編集者から連絡があり、新書の『戦 TELL-ALL BOOK』が7刷になったそうです。
 本を手に取ってくださるみなさんに、こゝろから、闇のただなかから、ありがとうを申しあげます。
 EDF、つまり政府系のフランス電力の幹部ブルーノさんまでなぜか、日本語が読めないのに、ぼくの本の熱心な愛読者だそうです。わはは。





 
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