On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-01-24 03:58:50
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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派閥を生かして、政権を喪うのか



▼きのう1月23日火曜は、土曜の夜にエネルギーインフラ防護をめぐる海外出張から帰国して、4日目でした。
 この4日間、自主努力による海外出張中の切れ目のない12日間と、同等の厳しさでしたが、これぐらいのことは、あまりにも当然のことです。

 被災地にはつのる寒さと大雪と、日常生活の苛酷な困難が襲い、花形にみえる職業の知己からは「もう家賃が払えない。自分のことだけではなく日本が心配」というメールが届きます。羽田の事故に続き、新幹線も長い時間とまって、世界に誇る日本の安定した運輸にすら大きな障害が起きて、たくさんの国民が苦しめられています。
 日本を護り、立て直し、甦らせ、民の竈 ( かまど ) がにぎわう国にするために、休んでいるわけにいきません。

 そんななか、たとえば大相撲でこの頃、日本人力士の大活躍が素晴らしくて、勇気づけられますよね。
 残念ながら相撲のテレビ中継を生で見ることはできませんが、深夜の再放送のチラ見で、感嘆しています。
 背景には、どれほどの厳しい稽古と節制があるでしょうか。
 総裁選への出馬を宣した以上は、ぼくもそうであらねばならないと考えています。

▼きのうはまず朝に、おとといに初会合を開いた「政治 ( まつりごと ) 変革会議」の第2回を、連続で開きました。
 場所は、国会内の議員会館の会議室です。
 政治 ( まつりごと ) 変革会議に参集している議員は、無派閥の議員だけではありません。

 無派閥以外にどんな議員が居るか。
 派閥の存続を強固に主張している麻生派からも、居ます。
 その麻生派に指導力を発揮しようとはなさらない総理の旧岸田派からも、居ます。
 所属議員によると「ほんとうに解散してしまいました。私たちは、形式ではなく実際に無派閥になりました」という旧二階派からも、居ます。
 いま準派閥 ( 政治団体として総務大臣に届け出ているグループ ) を率いている元閣僚の中谷元・衆議院議員も参加なさっています。
 いずれも勇気ある行動だと思います。
 代表となったわたしは、ご存じの通り、完全無派閥です。
 旧安倍派からは、何人かの議員から「自分の身を処してから参加します」という申し出も届いています。

▼この第2回会合では、これもまた連日開かれる「政治刷新本部」 ( 本部長・岸田総理 ) にいかに対処するかを、自由に話し合い、一致点をつくりました。



▼終わると、記者会見を行いました。
 記者にデスクがどんな指示をしたか、どこまでが記者本人の問題意識か ( しっかり持っている記者もいます ) 
、どれほど「これまでの利益構造」に記者自身も漬かっているか、それを記者経験に基づいて充分に察しながら、問いにお答えしました。

 メディアと、自由民主党の派閥、それぞれの内部構造が、ほんとうにそっくりだなぁと胸のうちでは痛感していました。



▼それが終わると、議員会館の青山繁晴事務所へ戻り、帰国後初めての「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の収録をおこないました。
 派閥とカネの問題が、急を告げているので、これまでに無いことですが一夜に2本を、アップしました。昨夜のことです。
 1本目は、「政治 ( まつりごと ) 変革会議」とは何をするのかです。これです。
 2本目は、メディアがつくるいつもの曲解、社会が広く生み出す誤解、それらに向かい合っています。これです。

▼収録は4本、撮れました。今夜もアップが続きます。
 収録の直後、尾崎行雄記念財団が『戦 TELL-ALL BOOK』への大賞授与を行ってくださいました。わざわざ議員会館の青山繁晴事務所を訪ねてくださいました。
 写真は、それです。
 著作がこの大賞を受けるのは、2度目です。
 ほんとうに光栄なことです。

▼日程があまりにタイトで、尾崎行雄記念財団のかたがたには、ほんとうにわずかな時間しか居ていただけませんでした。
 申し訳ないです。



▼そして、大急ぎで、自由民主党本部に移動し、きょうも「政治刷新本部」に出席しました。
「中間取りまとめ」案の文書が配布されたのですが、「派閥の解消」をうたいながら、少なくとも3つの重大事が欠けています。

▼ひとつは、その「派閥の解消」はすでに解散を表明した3派だけのことなのか、それとも残りの3派に対して、この政治刷新本部の本部長であり自由民主党の総裁でもある岸田総理が指導力を発揮して解散とするのか、まったく触れていません。

▼もうひとつは、何も具体的な担保が無いのです。
「派閥の解消」にしても、「派閥の幹部政治家が誰も責任を取っていない」という深刻なモラル崩壊にしても、同じです。
 掲げた目標のすべてについて、自由民主党が派閥などに「求める」ということになっています。
 35年も前にみずから定めた政治改革大綱を未だに実行できない党が、力を誇示するかのような派閥に「求め」て、それで実現すると、主権者国民が考えるとでも言うのでしょうか。
 わたしは「こうやって平場の議員が自由に意見を言えるのは、自由民主党のいいところだが、この甘えと傲慢がいちばん悪いところのひとつだ」と発言しました。

▼さらなるひとつは、「政治資金収支報告書に記載しなかったカネは政治資金では無いから税金を払わねばならない」という脱税疑惑に、何も触れていないことです。
 それを指摘すると、司法出身の議員からは「脱税の摘発は、実際には1億円以上だ」という発言がありました。
 その感覚が違うのです。
 検察などの基準が何でしょうか。
 国会議員がみずから襟を正して判断することでしょう。

「主権者からは『検察の基準が4千万円以上の裏金を摘発するということなら、私たちはそれ以下のカネに税金を払う義務がないのですね』という至極真っ当な指摘が来ています」とわたしは、この司法議員出身の議員の発言の前に述べているのですが、その趣旨がまるで理解されていません。

▼わたしはすべてを踏まえて、「派閥を生かして、政権を喪うのですか」と、写真のように雛壇にいらっしゃる総理らと、すべての出席議員に問いました。

▼この日の「政治刷新本部」では、他の議員から、かなりの極論も出ました。
 茂木派の議員からは「総理はバッジを外すべきだ。雛壇の真ん中に座っておられるのが滑稽に思える」という発言がありました。
 これは、わたしの考えとも、「政治 ( まつりごと ) 変革会議」の立場とも違います。

 岸田文雄衆議院議員は、民主主義に基づく選挙で主権者に選ばれ、そして議院内閣制に基づき民主的に総理総裁に選ばれているのですから、わたしも、政治 ( まつりごと ) 変革会議も、正当な指導力を発揮されるよう、岸田総理に求め、指導力を発揮されるならそれを支えると、政治刷新本部の会議でも発言しています。

▼ところが、このブログへの書き込みによると、わたしが政治刷新本部のあと記者団のぶら下がりに応じている写真を使って、記事を精確に読まない限り、わたしが総理に「バッジを外せ」と言ったかのように印象づけるような報道もあるそうです。
 対立を煽るだけではなく、わたしの総裁選出馬の動きを封じようとするメディアの動きが本格化していくのでしょう。
 こちらは淡々と王道を往くだけです。
 護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) および政治 ( まつりごと ) 変革会議の同志たちと往く王道です。

 そして総裁選が始まるまでは、前回の総裁選で民主的に選ばれた現総裁に、諫言し、指導力の発揮を求め続け、その指導力の実行を支えるのも、まさしく王道であり、いちばん大切な原則です。
 それがあってこそ、総裁選は公正な戦いとなるのです。
 あらかじめ足を引っ張るような姑息なことは致しませぬ。

▼総理に対しては、もうおひとり、菅グループの議員から「岸田総理が、宏池会の解散を宣言したまでは良かった。ところがそのあと、他の派閥については言う立場に無いと仰って、総理には能力が無いと分かった」という発言もありました。

▼また、派閥をめぐって、ご自分がどれくらい派閥のお世話になって、副大臣、政務官の経験を積むことが出来たかを強調する発言が何人もありました。
 は ?
 これが主権者国民の感覚とどれくらいズレているか、お気づきになりませんか。

「うちの派閥は、悪いことをしていない。摘発された派閥が解散しても、我が派は解散する必要など一切無い」と連日、繰り返して発言される議員も居ました。
 先ほど紹介したわたしの発言、「派閥を生かして、政権を喪うのですか」を、個々の議員に向けて申しあげるのなら、「派閥を生かして、あなたの議席を喪うのですか」です。

 その発言をご自分の選挙区で繰り返してみてください。あなたの選挙区は、わたしも何度も応援に入った選挙区ですね。選挙区事情は、地元のあなたには到底、及びませんが、わたしなりに把握しています。主権者がどんな判断をなさるか、想像がつきます。

▼これらの、ある意味ショッキングな光景は、きのう1月23日火曜の午後4時から夕方6時20分にかけての政治刷新本部でのことです。
 すなわち、きのう正午からのスキマ時間を使って行った「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の収録の前です。
 したがって、1月30日火曜に行えるかもしれない次の収録で、さらに具体的にお話しします。
「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」はショート動画も視てください。19歳の戦う日本男児の努力と精進が込められています。ここです。

▼きのうは政治刷新本部のあとさらに、夜、何人かの議員と話し合いました。
 護る会とも政治 ( まつりごと ) 変革会議とも無縁の議員たちです。
 こうしたことも大切です。
 いつも共通点のある議員とだけ話し合うのは、いけません。

 ある議員が総理に「バッジを外せ」と迫った発言、ある議員が「総理は能力が無い」と断じた発言、いずれも話題になりました。みな、やはり驚いたわけです。
 ただし、政局の始まりではないという認識が多数派でもありました。その通りだと思います。
 わたしの発言については「良かった」、「分かりやすかった」、「凄く共感した」という反応でしたが、おのれ自身としては、まったく満足できていません。
 より高めねばなりません。相手は世界です。





 
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