2024-05-04 17:30:50
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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なんと日本に関する展示の多くが実際に消されました 警告し続けたとおりのことが起きてしまっています
▼現地時間のきょう5月3日金曜に、米国ハワイ州の ( 真珠湾ではなく ) ワイキキにある陸軍博物館を、IDC ( インディペンデント・クラブ/ここ ) に集う主権者の有志と一緒に回り、わたしが解説を試みました。
この「陸軍」とは、アメリカ合州国陸軍です。
真珠湾にある、アメリカ国立の事実上の戦争記念館と並んで、このワイキキの陸軍博物館は、日本を含めた戦争の歴史をフェアに展示してきました。
ところがその展示は急激に変更されていき、きょう、あらためて訪ねると、特に重要な展示がかき消えてています。
たとえば、第二次世界大戦の南京での戦いをめぐる展示室では、中国の主張する「大虐殺」などカケラも表現されず、日本が良く戦ったという事実だけが展示されていました。
ここはまず、その日本を評価する部分が消えていったのですが、きょう、ついには展示室そのものが完全に無くなって、まったく別の展示になっていることを確認しました。
現在はそこまでですが、次の変化として、中国の主張するとおりの「大虐殺」が展示される事態も危惧します。
また展示の締めくくりとして、日系人で初めてアメリカ陸軍大将となり、陸軍トップの参謀総長を務められたエリック・ケン・シンセキ ( 新関・健 ) 退役陸軍大将の部屋が完全に姿を消し、これもまったく無関係の展示となっています。
▼さらに変化は、陸軍博物館の売店にまで及んでいます。
零式戦闘機の大きな模型などが姿を消し、富士山の前を零式戦闘機が飛ぶTシャツが控えめに置かれ、ごくちいさな戦闘機の模型・・・かつての模型と違って型式が不明瞭な、模型とはちと呼びにくい、おもちゃに似たものだけが残されています。
この売店のオーナーや店員さんは、不肖わたしに好意的で居てくださいます。人柄も、良きアメリカ人です。「置けば必ず売れる」と仰って、わたしの本を置いてくださっています。
しかし、ここにも大きな力が及んでいる気配があります。こういう現場の善人たちを押しのけるようなチカラです。
▼米軍内の高官らは、以前からわたしに「日本の真珠湾攻撃の現場であるハワイ州で、あなたの言うとおり、日本に対してフェアな展示が行われてきた。これに対して中国が巨額の寄付を行って、展示を変えようと工作している」と指摘してきました。
こうした証言だけではありません。
わたしは真珠湾で実際に、中国が、第二次世界大戦当時の中華民国軍をなんと勝手に中国共産党軍と置き換えて、「アメリカ軍は大戦当時、中国共産党軍と連携して日本軍を打ち負かした」という出鱈目な虚偽の歴史を、航空博物館の一部である巨大ハンガー ( 格納庫 ) 内で準備している現場を見つけました。
そして、その航空博物館の館長 ( 当時 ) と交渉して、一部の展示の撤去を実現したことがあります。
民間の専門家時代です。
▼ワイキキの陸軍記念館に対して、こうした中国の工作がどのように具体的に影響したかについては、判然としません。
また、シンセキ退役将軍の部屋が完全に消え去ったことについては、別の理由を述べる説もあります。
しかし、アメリカが寄付社会であるのは、日本人の想像をはるかに超えています。
アメリカは良くも悪くも、民間主導の社会です。
たとえばハーバード大学をはじめ有名大学はほぼすべて私立大学であり、巨額の寄付をすると、大きな影響力を及ぼすことができます。
したがって、中国は、寄付の名目でいくらでもカネを投じて影響力を行使できます。
中国は独裁主義国家であり、経済が低迷しても、全人口から徹底して税金を徴収することで、巨額の対外寄付行為の原資を確保できます。
かつてワシントンDCのペンタゴン ( 国防総省 ) の幹部用食堂で、わたしの知友が、ほかのテーブルの幾つかを秘かに指差して「あいつ、それからあいつ、それぞれの関係するところに中国からの寄付が入っているよ。合法だがね、俺は大問題だと考えている。俺は受け取らない」と小声で話してくれたこともあります。
▼わたしはこうした情況を危惧し、いつかワイキキでも、ワイキキから車・・・バス、タクシー、レンタカーのいずれでも20分の真珠湾でも、戦争記念施設で、フェアな展示が書き換えられ、中国の主張する歪んだ歴史観、嘘のニセ歴史に変わってしまうことを、ひとりの書き手として阻止するために、書を出しました。
安倍さんが再登板後の総理であったとき、初めてハワイ州の戦争記念施設などを訪ねることを知り、安倍総理に電話しました。
「総理、日程は外務省の決めたままでしょう ? それでは、間違った謝罪の旅になります。ほんとうは、米国の本土とハワイ州は違います。実際に日本軍のフェアネスを体験したハワイ州の現場では、わたしたちの思い込みを逆転させるような、日本に深い敬意のある展示がされているのです。その現場へ行ってください。わたしはその現場を歩いて、写真も入れた本を出しています」
安倍総理は「へぇー」と驚かれ、「じゃ、その本を持ってきてよ」と仰いました。
わたしは、総理官邸の裏口から、非公表の専用通路をたどってひとり、総理執務室に入りました。
これも民間の専門家時代のことです。
安倍総理は、ソファの背もたれに腕を投げ出してリラックスした様子でわたしを迎えました。
そして本を受け取ると、その場ですぐ読み始め、あっという間に読み終えてしまいました。
安倍さんの読書力は、知られざる高さだったのです。
読み終えると、「外務省に日程を変えてもらうよ」と仰り、実際に、真珠湾の事実上の戦争記念館を訪ねられました。
しかし産経新聞などは、この訪問の意味が分からなかったのでしょう、ほとんど報じず、皮肉にも朝日新聞だけが「安倍総理は意外な場所を訪ねた」というニュアンスで短く報じました。
▼ワイキキの陸軍記念館にしても、この書だけが、かつての展示を写真付きで明記している、歴史の証言者となってしまいました。
この書はやがて、新書化され、今に至ります。ワニブックスPLUS新書の「きみの大逆転 ハワイ真珠湾に奇蹟が待つ」(たとえばここ)です。本の宣伝のために記載しているのではありませぬ。前述の陸軍博物館の売店に置かれているのも、この書です。
きょう、前述のIDC会員の中に、この新書を手にされている方も居て、その中の写真の展示が完全にかき消えていることをみなで確認しました。
▼わたしは、自主出張にて、真珠湾にある米軍のINDO-PACOM ( インド太平洋軍司令部 ) でアキリーノ司令官と議論し、とんぼ返りで国会に戻ったあと、再び真珠湾を訪ねて、米海軍の太平洋艦隊司令部でケーラー艦隊司令官と議論し、さらに休みなく、主権者への情報発信に努めています。
日本のオールドメディアには「この円安に、国会議員だけは贅沢に、連休の海外旅行をしている」と十把一絡げの記事をネット上にも流している著名な報道機関もあります。
こころ冷えるとはこのことです。
それでも負けずに、主権者と一緒に歩むほかありません。
「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」 ( ここ / 数十秒で完結するショート動画はここ ) は先ほど、退役となったアキリーノ司令官との最後の議論について、話せるぎりぎりの範囲に絞って日本の主権者に伝える最新動画をアップしました。これです。
それからみなさん、日本と世界の劣化をすこしでも食い止め、じりじりと前へ進めるために、6月にここでお逢いしましょう。
▼きょうも現地時間で深夜零時をとっくに越えてしまいました。
現地5月4日土曜の零時24分です。日本は同じ日の19時24分です。日本と米国ハワイ州は時差が大きくて、19時間もあります。時差や気温差を感じない体質なので、どうにか持っているのでしょう。
このブログは、どんなエントリーも時間を掛けて、丁寧に記します。
今回もそうでした。もう2時間近く、推敲を重ねて書いています。
明日、いや今日は、早朝8時から夜8時半まで長い拘束時間の仕事です。準備のためには、朝5時台には起床せねばなりません。
それでも、ふだんよりはずっと、ずっとマシな夜ということになります。
心身に何十万回でも何百万回でも鞭打って、戦うだけです。それがわたしの「戦」(せん)です。
いま、太平洋に直に面しています。
漆黒の水面と、烈しさを秘めた波の音は、むしろわが魂に「どうせこの世は、卑劣な不条理にも満ちている。どうということはない」と静かに語りかけてくれます。