On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-08-21 03:48:59
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【ほんのちょっと書き加えました】  いつもと変わらず、深く淡く生きる



▼きのうは、お盆明け2日目でした。
 8月20日火曜の朝8時50分から夜19時まえまで、総計では、14人の自由民主党衆参両院議員と会いました。

 そのうち、若手議員のひとりは「沢山の候補者と、そのバック ( つまり親分 ) から、推薦人になれという電話があるけど、すべて電話です。実際に会いに来てくれたのは青山さんだけです」と仰いました。
 そうです。
 ひとりひとりの議員の肩と背中のうしろには、主権者のみなさんがいる。
 電話で済ませるようなことはいたしませぬ。

▼「政策を見て自分で決めることにしています」と仰った議員は、実に、唯ひとりだけ。
 あとはすべて、派閥、地域、支持団体の事情をお話しになりました。詳しく見れば、それぞれの個性、いきさつの違いはあります。
 それをじっくり聴いてから、日本と国民生活をどうやってほんとうに良くするかについて議論しました。

 わたしは、あらためて良く分かったのです。
 敗戦後の日本の79年のうち、大半の時代の政権を握ってきたジミントウが、いったい何に縛られているか、その深淵がまざまざと見えるのです。
 それはまさしく日本そのものを縛ってきました。いまも縛っています。

 総裁選で言えば、NHKをはじめオールドメディアが恣意的にわたしを排除して、「これが候補者」と報道している候補者が若手からベテランまで見事にみな、その縛りの中にあるのも、当然のことと分かります。推薦人と候補者がこうやっておたがいに縛り合っているのですから。
 そして若手の候補者ほど、実はその縛りが強いのは、皮肉なこととも言えますが、深刻なことでもあります。

▼きのう、テレビ局のうち2社から「青山さんの総裁選の担当記者」がやって来ました。
 担当記者を定めて配置しているのに、その記者の取材内容は決して報じないというのが、現在の日本のマスメディアの奇妙な現実です。

 ふたりの記者は対照的でした。
 ひとりは、なんと政治部長や平河キャップ ( 平河とは自由民主党本部にある記者クラブのこと ) に宛てた上申書を作成していて、青山繁晴参議院議員がいつ、誰よりも早く出馬表明をしたか、どんな政策を掲げているか、そして党員数が3年連続で第1位であることを記して、「これを恣意的に報じないようにしているのは、使命に反する」という趣旨を述べているそうです。
 部長やキャップは常に沈黙だそうです。

 もうひとりは、そのテレビ局の上司から言われていることをずっと繰り返すだけ。「同じ保守系の高市さんや小林さんと争っていいのか」。要は、これだけです。
 わたしは「おかしいですね。自由民主党は保守政党です。その保守政党の中で切磋琢磨するのは当たり前。メディアが勝手に何々系と、同じ党の中を分けるのはどうでしょうか」と答えますが、記者の方は硬直して、同じことを繰り返すだけです。
 何だか、取材に来たのか、誰かに言われて説得に来たのか、わからないなぁとも思いました。
「なんのために記者になったのですか」と問いかけました。
 しかし通じていない。通じなくともよい。20年ぐらい経って、ある日突然、あっと分かるでしょう。 

▼わたしは今、いくつもの裏切りに直面しています。
 しかし、胸の裡 ( うち ) は、しんと鎮まっています。
 すべて赦  ( ゆる ) しています。
 朝から夜まで烈しく動きつつ、身体の奥は、静まった森のごとくでいます。

 裏切りは、人間の常です。
 作家、物書きとは、にんげんの哀しいところを見つめる仕事です。
 また、ものごとの実務に服するとは、その人間観を踏まえて、淡々と人の世の改善を図ることです。
 わたしは、国会議員である前に、作家であり、また外交、安全保障、危機管理、資源エネルギーの実務者であります。そのまま、いつもと変わらず、深く淡く生きています。

▼何があっても、総裁選のあとも、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の活動は変わらずに続いていきます。
 代表のわたしがそう考えているだけではなく、執行部の主な役員と話し合って、合意しています。
 護る会に代わる存在が、自由民主党のみならず、日本のまつりごと ( 政 ) に存在しないからです。

▼こうしたなか、編集者から意外な知らせがありました。

 ひとつ、新刊の『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』が、発刊前の増刷となったことです。
 9月7日の発刊と同時に、2刷になります。 ( 書店への搬入開始は9月5日なので、都心の一部大型書店などには9月5日に店頭に並ぶ可能性があります・・・あるいは搬入されても引き出しの中に仕舞われるかも。実際にこうしたことは何度もありました )

 もうひとつ。
 既刊の『誰があなたを護るのか 不安の時代の皇 ( すめらぎ ) 』が、増刷となりました。
 これで10刷です。
 時間はかかっていても、読まれ続けています。

▼いずれ、きょうも夜明けが来ます。
 きょう8月21日水曜も、早朝から、自由民主党の議員ひとりひとりに会い続けます。
 眼を見て、話し続けます。

 どんなさなかにも、世界、経済、そして文化を忘れません。
 したがって、しばらくしたら、公務のために世界へ出て、すぐ日本へ戻ってきます。
 同時に、経済記者時代から議論を続けているマーケットの知友たちとも、情報交換し、意見を述べています。
 なおかつ頭の奥では、次の著作を考えています。新刊がノンフィクションの書きおろし『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』だから、次は冒険小説です。
 そして議員たちと話すために議員会館の階段をくだるとき、身体の芯は、アルペンスキーをしています。わはは。
 雪国生まれではないわたしにとって、アルペンとは今なお未知への挑戦です。だからやり続けるのです。

 体力がすべてを支えるから、でもあります。
 雪を知らずに育って、急斜面を高速で滑走するアルペンスキーに出逢って、骨折を重ねました。腰の骨を一気に5本折ったり、両膝にふつうは回復しないダメージを負って長期入院もしました。両親や兄弟を心配させました。
 しかし今はこの出逢いに感謝しています。下半身が無類に強くなったからです。なぜか後遺症がまったくありません。人間は足から弱ります。足が強靱であることが、すべての無理を可能にしています。





 
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