On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-09-10 03:01:53
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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日本がんじがらめ党総裁選【その15】  次からは「主権者の枠」もつくってほしいですね  あくまで「次からは」です


※インド公務出張を支えた参議院の調査室から、きのう9月9日、公式写真が届きました。
 その膨大とも言うべき写真の中からすこし主権者のみなさんに紹介します。

 インドの財務省を訪ね、シタラマン財務大臣と、まず挨拶を交わしています。
 わたしの斜め後ろにいらっしゃるのは、安倍総理の秘書官を務めた鈴木浩・駐インド大使です。新しい英国大使に決まりました。安倍総理を通じて、古くからご縁があります。
 わたしの右横は、青木一彦・訪印議員団長 ( 参院議員 ) です。団員が自由に発言する機会を積極的につくってくださいました。

 シタラマン財務大臣が属するインドの政権党、人民党 ( BJP ) とは、人民党が野党の時代から、そしてわたしも民間専門家の時代から、国際戦略会議やわたしのインド訪問を通じて長く議論を交わしてきました。
 シタラマンさんは前は、国防大臣でした。
 その意味では、中国と直に対峙してきた政治家でもあります。


※通訳抜きで、シタラマン財務大臣と議論を交わしています。
 わたしからは、福島原子力災害という失敗と苦悩をむしろ尊い、かけがえのない教訓として、日印の原子力活用をめぐる新しい連携を提案しました。
 インドは日常的な電力不足に、政府も産業も、そして庶民も苦しんでいます。
 ロシア型を含む原子力発電もありますが、石炭火力による発電が中心です。
 シタラマン財務大臣は、おおーっという印象で身を乗り出して興味を持って、提案を聴かれました。そして「提案を高く評価する。話し合いたい」と仰いました。

▼さて、総裁選は、きのう9月9日も朝から議員をコツコツ回りました。
 ただ、午後からは、平成10年、西暦1998年から取り組んでいるテロ対策の重大な会議を主宰しました。全部でおよそ6時間ほどにも及びます。
 これは不肖わたしの民間時代、国会議員時代を貫いて続けている、国家のための取り組みのひとつです。

 会議には、関連の政府機関、関連の民間企業がずらりと並び、そして大切なことは、官尊民卑なく、対等に議論できる場であることです。26年前から現在に至るまで、日本で唯一の、世界でも稀な、非常に価値ある会議です。

 実際に、日本国のテロ対策にとって決定的に大切な具体的成果をいくつも挙げています。
 テロリスト、あるいはテロ国家に手の内を見せないために、明らかにはできません。
 新刊の『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』で記しているように、わたしの仕事には、秘が厳しく保たれる、水面下の仕事と成果が多いのも事実です。
 これが、今回の総裁選にとっても、苦しい部分のひとつです。

 きのうの会議でも、途中で総裁選をめぐる電話がかかってきました。
 かけてくださった議員には、当然のやむを得ないこととして会議の意義が伝わらず、電話が終わらず、会議の出席者に迷惑をかけて、とても苦しかったです。

 しかし、脱私即的、だっしそくてき、わたくし心を脱して本来の目的に即 ( つ ) く、という不肖わたしの造語のごとく最後まで戦い、最期まで生きるのみです。
 総裁選の本来の目的は、野心でも野望でもなく、国家国民のために一身を捧げ、日本人の生き方を提起することです。

▼青山千春・東京海洋大学教官は、きょうからふたたび研究調査船に乗船します。
 彼女にしては珍しく、ゆうべ、地上のぼくの戦いに心を残す素振りでした。一人称を「ぼく」にするのを許してください。ぼくとかあちゃんの会話です。ほんとうは配偶者と話すときの一人称は「俺」ですけどね・・・。

 なぜか不思議に、ぼくが選挙のとき、この日本女性初の大型船船長さんは、乗船です。
 二度の参院選もそうでした。
 今回もかなりの期間、陸に居ません。
 連絡も、ほぼ取れません。

 もしも波が高くても、彼女は何もへこたれません。プロの船乗りであり、国際社会が評価する海洋資源学者です。
 日本を自前資源のある国にするために、政府と連携して、海洋調査を続けています。
 今年度は、この先も、つまり今回の航海から帰ってきても、また次、その次と調査航海が待っています。

▼陸に残るわたしは、きのう、あるベテラン議員からこんな言葉を聴きました。
「青山さんと海外出張に一緒に行くと ( ※ 今回のインドではありません ) 、凄さが分かる。3年連続で党員数1位の理由も、身に沁みて分かる。なぜこの人が、なかなか総裁選の本番に出られずに苦労しているんだろうと考えてしまいますよ」
 わたしが身を縮めて、黙して聴いていると、さらにこう仰いました。
「国会議員の推薦人20人というだけではなくて、党員数の多い人は、その党員の推薦で本選に出られるようにすべきじゃないのかなと、つくづく思いますよ」

「今あるルールで戦うのが、不肖わたしの原則です。
 今のわたしに何も不満はありません。
 しかし、主権者、国民のことを考えて、たとえば次の総裁選からは、そうした改革も考えるべきでしょうね。現在の総裁選の、どうしようもないアンフェアを考えても、その考えに共感します」

 このベテラン議員は、出版社から献本された『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』を手に取って早くも目を通されつつ、「ここにはきっと、私の知らない安倍総理がいらっしゃるんでしょうね」と仰いました。
 わたしはふたたび、恐縮して身を縮めました。




 
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