On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-02-04 14:55:12
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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日本人の仕事とは何か  きょうも現場から話します



▼ゆうべ2月3日月曜の夜遅くに、大阪から帰京しました。

 自宅に入る時、正直、口もきけないほど疲れていました。
 仕事を大阪でしている時には、こゝろも身体も、まったく何の疲れも感じないのです。
 しかし帰京したら、どっと、何かに襲われます。疲労に襲われる ? いや、そんな生易しいものではありませぬ。

 ほんらいは、自宅に入ったら、玄関のダンベルで鍛えないと自宅にあがれないと、おのれで決めています。そして自宅に上がったら間髪を入れずに原稿を書き始めねばなりません。すこし休んでからと自分に負けたらオシマイです。
 しかしゆうべは、ぶっ倒れました。原稿を書くパソコンの上で。
 気がついたら夜明け前で、そこから何とか立て直しました。

 自由民主党大阪府連の会長になって6度目の大阪入りでした。
 いつも通りに土日を休みなく使うことに加えて、月曜にたまたま国会の公務が入らなかったことを活用して、日本第二の地であるはずの大阪のあらゆる困難、あらゆる未解決問題に対峙する姿勢で、不肖わたしなりに、今回も戦ってきました。
 いずれ、「激闘オーサカ」として、無償、無条件の発信のひとつであるこの個人ブログで報告できればいいなと思っています。 ( なかなかその時間はとれません )

▼帰京の翌朝早くに自宅を出て、きょう2月4日火曜の午前8時台に、都営地下鉄浅草線の戸越 ( とごし ) 駅に行きました。
 ミサイルの脅威に対抗する、国民保護訓練の現場を見るためです。
 写真は、戸越駅の地下通路です。
 実際に、地元住民の方々が避難されるのですが、個人情報を守るために、その写真は撮っていません。

「戦争を呼び寄せる」として、反対運動をなさっている人々も居ました。
 人類は、第二次世界大戦の悲惨に学んで、戦争を起こさせない抑止力というものを学びました。
 抑止力のひとつは、国民の的確な備えです。
 なぜか。
 その国の国民がしっかり備えていると分かれば、相手国は「経済、生命、国際政治をはじめ膨大なコストを費やして戦争を仕掛けても、日本は備えができているから、効果が薄いのでは」と逡巡し、戦争の抑止に繋がるからです。
 この人類共通の常識と、みごとなまでに正反対の人々が、社会とオールドメディアと政界と学界で、無尽蔵の如き力を持っているのが、敗戦後の日本の80年です。
 これは、わたしがこの脚で回ってきた限りでは、世界唯一の社会です。

▼この国民保護訓練は、平成16年、西暦2004年に施行された国民保護法に基づき、おこなっています。
 その国民保護法は、不肖わたしが創業社長 ( 兼・首席研究員 ) だった当時の独立総合研究所 ( 独研 ) が、総務省消防庁や総理官邸に具体的に提案して実現しました。
 そして国民保護訓練も、公募の末に、独研が立案し、実施体制を組み、さらにこれも公募の末に、爾後の訓練評価まで担いました。
 それに加えて、各自治体による国民保護計画・避難訓練計画の立案も、自治体によっては独研が担いました。

 わたしは、それから12~10年ほどあとの平成28年、西暦2016年、最初の参院選のさなかに、みずから決して独研の代表取締役社長・兼・首席研究員を辞めました。
 退社するだけではなく、持ち続けてもいい創業者株も、無償で放棄しました。
 だから、今は公平、客観的に申していいと思います。国民保護という概念そのものも、独研が赤字に赤字を重ねながら政府を動かし、導入し、具体化したものです。
 
 ところが、危機管理能力の低い日本政府はその後、国民保護訓練をさぼり、すっかり忘れたようになっていました。
 国会議員となったわたしは、水面下で政府と交渉し、国民保護訓練を復活させました。
 この日の訓練も、その延長線上にあるのです。

▼しかし、そんなことは誰も知りません。
 訓練に参加された地元住民の方々も、主権者のみなさんも、国会議員も、さらには行政官 ( 官僚 ) も、ごくごく限られた関係者しか知りません。
 それで、いいのです。
 それが日本人の仕事です。

 自分を売り込むために仕事をする西洋人とも中国人とも、違います。
 ひとのために尽くし、報いは無い。それが日本人のほんらいの仕事です。

▼今回の大阪では、岸和田市議選の応援で冷たい風雨と戦いつつ有権者へ声を届けるだけではなく、地道に、府連所属の事務職のかたがた全員と、個別に面談しました。
 地位は一切関係なく、つまり事務局長からまだ数か月の若手まで区別せず、ひとりづつ、じっくり時間を取って、意見や不満をすべて聴き、それに向き合って述べるべき意見を、府連会長として述べました。

 その途中で、わたしはペットボトルの水を飲みながら、ラベルを剥がし、折りたたみました。
 勤続30年ほどというベテラン職員から意見と不満を聴いている時でした。
 そのかたのお顔に不審の表情が浮かびました。『一体、この会長は、何をしてるんだ。実は、変わった人なのか』という気持ちがありありです。
 しかし、わたしはそのかたの意見と不満の中身に集中していましたから、何も説明はしませんでした。ゴミ箱が近くに無かったから、とりあえず、折りたたんでおいたのです。
 これは何のためか。
 分かる人も多いでしょう。
 ペットボトルがリサイクルに出され、それが処理される現場では、このラベル剥がしがたいへんな手間であり、また作業の障害になるのです。
 そのご苦労を和らげるために、わたしはずっと、どこでも、このラベル剥がしをやってから、ペットボトルを分別ゴミとして捨てます。

 しかし、ベテラン職員は今も、『あの新会長の青山さんは、変わった人かも。なんでラベルを剥がすんや』と思っておられるでしょう。
 これが、日本人の仕事でもあります。
 みえないところで、理解されないところで、ひとの仕事を扶 ( たす ) けるのです。
 褒められなくても、黙々と扶けるのです。

 主権者のみなさんに選ばれて国会に来ておきながら、それを知らず、根拠なく発言なさるひとを、わたしは哀しく思います。

▼いつでも、どんなときでも、無償、無条件の発信を続けます。
 ひとつはこの個人ブログ。ひとつは、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の動画です。
 後者の最新放送のひとつが、これです。
 トランプ大統領の動きに、批判も思惑も渦巻いています。しかし、戦争を減らしているのは事実です。それを語っています。
 ショート動画は、二十歳の学生インターンの増野優斗くんが毎回、苦心と勉強を重ねて、わたしに質問をぶつけています。ここにあります。よりどりみどりです。あなたの関心に近いものをクリックしてください。どんなに長くても40秒台ぐらいまで。
 短いと20秒台です。

▼そういえば、新版の日めくりカレンダーがとっくに発刊になっていますね。
「もう、玄関の旧版の日めくりカレンダーを、新版に差し替えました。日々の助けになります」というコメントを、このブログにいただいています。
 ここにあります。わたしが直に書いたメッセージや写真の特典もあります。




▼わたし自身を励ます書である『反回想 わたしの接したもうひとりの安倍総理』は、少数派であっても、読んでくださるひとが絶えません。ここや、ここにあります。



▼府連会長としての大阪入りは今回、6度目だったと冒頭に記しました。
 昨年12月22日に府連会長に就任してから、1月2日からの自主海外出張などを除くと、週末はほとんど府連会長の仕事に捧げています。ジムで身体を鍛えることも、泳ぐことも、原稿をすこしは腰を据えて書くことも、家族と一緒に居ることも、一切合切、すべて犠牲になっています。
「あのどろどろの中を青山さんが歩いていると思うと、ほんとうに胸が痛みますよ」と党本部の役員に言われました。
 わはは。

 府連会長の選挙応援としては、2度目、4日目でした。
 1度目の茨木市議選は、始まりと終わりの合計2日間の応援で、5人が全員当選です。
 すべて冬の青空でした。
 2度目、今回の岸和田市議選も、始まりと終わりの合計2日間、1勝1敗でした。
 ある時間帯は、ここは北極かと思うほど身体が冷えました。冷たい雨のなか、演説カーの窓をフルに開けて、声を枯らしていたからです。隣で、やはり奮闘してくださっていた女性が、「府連会長がここまでやってくださっているんだから候補者も、1回ぐらいはマイクを持ったら ? 」と仰り、答えが「まぁ、ええやろ」 ( まぁ、やらなくていいだろ、の意 ) だったということもありました。
 わたし自身は、まったくかまいません。ただ、主権者は良く見ておられると、あらためて思います。
 1勝1敗であっても、実はこちらの会派に入ると水面下で意思表示なさっている当選者もいらっしゃるので、勢力はすこし回復気味です。

 報われること、他人に見えること、評価されること、それらを目指すことが無い。
 それが、ぼくらの祖国における仕事です。






 
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