On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-05-27 02:16:10
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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海より深い感謝と畏敬  そして自らへの問いかけ



▼きのう5月26日月曜は、自由民主党大阪府連をめぐるもっとも深刻な問題のひとつが新たな展開となるなか、公務のあいまを縫って黒ネクタイを締め、「戦没者拝礼式」に参列しました。
 靖國神社にほど近い千鳥ヶ淵で、執り行われました。

 これは、368人の同胞を、千鳥ヶ淵のいわゆる無名戦士の墓へお納めし拝礼する式典です。

 硫黄島を含む戦地でようやく見つかった、わたしたちのために戦われた英霊です。ついに身元が分からず故郷とご遺族の元へ戻れない、ご遺骨です。
 無名戦士の墓の同胞は、37万人を超えています。

▼政府の主催です。
 皇嗣殿下、皇嗣妃殿下、総理、厚労大臣らとは別途、全国会議員に案内が来ます。義務として参列されるかたがたと違い、わたしを含む一般の国会議員に参列は義務ではありません。いわば自由意志です。
 現場の印象として、わたしのように自由意志による国会議員の参列者は、とても少なかったようでした。

 わたしは今、参議院の環境委員長ですが、委員長のうち、この拝礼式への参列が義務であるのは防衛や厚生労働の委員長に絞られています。
 国会日程がもっとも厳しい時期であることへの配慮は、あるのでしょう。
 


▼不肖わたしは、英霊とともに、ご遺族のかたがたにも、尽きせぬ感謝と畏敬の念を深々と捧げました。



▼無名戦士の墓が、生き生きとした新緑に包まれていることが、英霊とご遺族のために、わずかな安らぎとなりますように祈りを捧げました。

 わたしは敗戦のあと今日 ( こんにち ) まで続けられてきた拝礼式のあり方について、旧来の国会議員とは異なる考えも抱いています。
 たとえば厚労大臣の正式なあいさつに、「今わたしたちはどんな国造りをしているか、それは、英霊が悲惨な戦場で、後世の日本と日本人はこうあってほしいと、末期の水を呑むこともかなわないなかで願われたであろう国造りなのか」と、わたしたち自らを問う意識がいつも、決定的に欠けていることです。

 わたしなりに命を削って、この敗戦後の世界が音を立てて壊れゆくさなかに、新しい書を書き上げたのは、その問題提起でもあります。




 
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