On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-08-10 23:31:43
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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ヨーロッパ大陸の上空に達して思うことは・・・本が読まれないとぼくは元気を無くしてしまうなぁということです



▼国会議員となって一気にどーんと、ぼくの本は読まれなくなりました。

 議員になる前も、兼業作家でした。
 しかしシンクタンク ( 独立総合研究所 ) の社長と兼務する作家の時代は、たとえば『ぼくらの祖国』が22刷という記録的なロングセラーになったように、よく読まれていました。

 ところが国会議員になった途端に、あるベテラン編集者のこんな警告が現実になりました。
「青山さん、国会議員になったりしては、青山さんが職業作家として書く本が突然、セイジカが片手間に書いた本として軽んじられたり、それはまだ良い方で、こんなの自分で書いてないんだろとか、とんでもない中傷誹謗の目でしかみられなくなりますよ。作家だけの専業じゃなくて兼業なさるのは、青山さんの持ってる力だから、それはいいんだけど、国会議員になるのだけはやめてください」

 この警告、たぶん当たるんだろうなぁと思っていました。
 しかし現実に議員になってみると、偏見は、想像を絶する深さです。

▼それでも、たとえば『戦 TELLーALL BOOK』は7刷まで行きました。
 本が全く売れない時代ですから、7刷というのは、そう悪くないです。
 これが一昨年10月の本ですから、つい最近までは、まだマシだったのです。

▼ところが最近は、ほんとうに壊滅的状況に落ち込んでいます。
 単行本の小説を力を尽くして文庫にした『わたしは灰猫 そして、灰猫とわたし』が、手に取って読んでくれた人にはとても評価が高いのに、辛うじて2刷だけ。

 そしてつい最近に、文字通りに命を削り込んで完成して世に問うたノンフィクションの『憤怒と祈りで建国だ』は、あろうことか、作家となって初めて増刷無し、初版だけで終わりそうです。
 これも読んでくれた人には高い評価をいただいているのに、です。

 このノンフィクションは、実際には2刷が出ているのですが、それは、初版にあまりに誤植が多かったので、無理にお願いして、誤植をすべて修正した増刷をしてもらったのです。
 版元の扶桑社はよくぞ、頑張ってくれたと思います。
 しかし著者としては、3刷にならないと増刷とは言えないと考えています。

▼そして、書き手としては、宝物のように感じている新しい文庫本の『やさしく夜想の交叉する路』は、予約が極めて低調です。

▼今のわたしは、献金やパーティをはじめ旧来の政治家のありかたをすべて拒絶している国会議員・兼・国際社会で通用する専門家・兼・プロの作家、という立場を貫けるよう、つたないながらも来る日も来る日も戦っています。

 しかし、ひとつ前のエントリーに記したように、「主権者の意思を反映したらこうなる」と与野党の幹部が言っている制度変更によって、もはや、国会議員と専門家の両立が困難なところへ追い込まれています。

 専門家と作家は充分に両立します。
 国会議員だけが問題なのです。
 なぜ問題なのか。
 政治家が国民、主権者のみなさんから侮蔑されているからです。まるで信用されず根本的に嫌われているからです。

 しかし、主権者のみなさん、ここだけは考えてください。
 わたしたちの生活はみな、ほんとうは隅から隅まで、政治によって決せられているのです。
 たとえば、生まれ落ちて保育所の時代から小中高大学、大学院まで、教育の在り方はほんとうはすべて政治が決めています。
 仕事、結婚、子育て、すべてそうです。
 それなのに政治家が嫌悪されているのなら、みんなの生活も人生も祖国もおかしくなってしまいます。

 だからこそ、わたしは「選挙に出ろ」と要請されてもされても断っていたのを自ら覆して、国会議員となりました。
 そして議員になったら、国会議員が国民に信頼されない最大の原因であるカネの問題について、旧来の政界の常識をすべて引っくり返して徹底的に身ぎれいにして資金難に耐え、政治とはほんらい関係の無い動画についても、広告収入を一切受け取らずにいます。

 亡き安倍さんは「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の放送開始の最初から隠れファンで居てくれて、電話でよく、「あのさ、広告収入ぐらいは受け取ったら ? 」と仰り、「なんで受け取らないの ? 」とも聞かれました。
 わたしは「だって、国会議員ですから」とだけ、いつも答えていました。
 答えは、安倍さんの居ない今も、それだけです。

▼その結果が、こうして「主権者の意思を汲んだ」と与野党が強調する制度変更で、いま、空の上にいる長年の自主出張、日本のテロ対策を秘かに画期的に前進させてきた出張も、危機に瀕しています。

 こうやって書いてきて、最後の結論は、すべてわたしの責任であるということだけです。
 国会議員となったのも、編集者の反対を押し切って、最後は自分で決めたのですから。
 腹黒い意図の渦巻く大阪府連の会長を辞したことも、完全に、責任は会長たるわたしだけにありました。
 三浦麻未・公設政策秘書らの反対を押し切って、自分で「会長になってほしい」という要請を受けたのですから。

 上の写真が新しい文庫本の表紙です。
 こゝろを込めて原案を練り、プロの書籍デザイナーが美しく仕上げてくださいました。
 この本が、最後の本かもしれません。
 作家としての遺言にあたる物語になるのかもしれませんね。

 まもなくドイツ連邦共和国に着陸です。





 
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