On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-08-30 04:09:45
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (0)

米国深南部のサンディア国立研究所の翌日には、西海岸のリヴァモア国立研究所にいました  この暮夜に思い出してもクラクラするような、知の強行軍です



▼衆参両院の選挙で大敗した最高責任者は退陣するという、民主主義の「当たり前」を貫くために、国内政局で動き続けています。
 しかし、自主海外出張の簡単な報告も、なんとか最後まで終えたいなと考えています。主権者のみなさんへの、ぼくなりのささやかな責任だと感じているからです。

▼12日間にて、以下のように地球を一周しました。
 時差も気候も高度もめまぐるしく変転します。

東京 ⇒フランクフルト
⇒アブダビ ( アラブ首長国連邦原子力規制当局、日本大使公邸、原子力エネルギー公社 ) ⇒ チューリヒ
⇒ ウィーン ( IAEA・国際原子力機関本部、日本大使公邸 ) ⇒ フランクフルト
⇒ ヘルシンキ ⇒ オルキルオト島 ( フィンランド西部のバルト海東岸 )  ( オルキルオト原子力発電所 / 核廃棄物最終処分場 )
⇒ ヘルシンキ ( 放射線・原子力安全センター、日本大使公邸、メリハカ地下シェルター、ヘルシンキ中央図書館 )
⇒ ミュンヘン 【 ここでわたしと同行の研究者の荷物がいずれも姿を消し、着の身着のままになり果てる 】
⇒ デンバー  ( 標高が1600メートルを超えている ) ( 日本国総領事 ) 
⇒ アルバカーキ ( 米国ニューメキシコ州 ) ⇒ チワワ砂漠 ( 砂漠のなかに核をあつかうサンディア国立研究所が存する )
⇒ デンバー(標高が1600メートルを超えている)  ⇒ サンフランシスコ【 空港に青山の荷物だけ届く。足かけ4日間にわたって荷物が行方不明だった。残る旅程は1日だけ 】
⇒リヴァモア市 ( カリフォルニア州 / まるで砂漠のような乾燥した丘陵地域に、やはり核をあつかうローレンス・リヴァモア国立研究所が建つ )
⇒サンフランシスコ ( 日本国総領事館 )
⇒東京 【成田に同行者の荷物が届く。旅程が終わってしまってからようやく届いた】
⇒東京港 ( ノルウェー海軍のフリゲート艦を訪問 )

※ 写真はいずれも撮影と公開の許可がおりています。

▼冒頭の写真は、サンディア国立研究所の入構証を発行する管理所です。
 核をはじめとする安全保障の世界トップレベルの機密をあつかうので、入構はほとんど許可されません。
 日米の関係者によれば、日本の国会議員としても専門家としても例がないそうです。
 ここで入構証を得て、すこし離れている研究所の本体へ向かいます。

 このサンディア国立研究所までの旅程は、出張中に、速報版を含めて写真付きでみなさんにお伝えしていると思います。
 だからここから最後までを、ごく簡潔にですが、お伝えしておきます。



▼ここが研究所の本体の入り口です。
 Weapons and Force Protection Center という看板は、「ここが核兵器をはじめすべての武器体系の新規開発と管理、そして軍や治安部隊とその施設、人員についてサイバーを含むありとあらゆる防護の中枢である」という宣言です。

 この先に何があったかは申せません。
 しかし、いったんわたしを認めてくれた以上は、驚くほど多分野について、彼らの取り組みを見せてわたしの意見をそれぞれの分野で熱心に聴き、腹を割って議論してくれました。
 日本国には日本国の立場と矜持があり、唯一の同盟国といえどもアメリカと軌を一にはしません。
 ただ、彼らのこの誇りある公平な姿勢には、深い敬意と感謝を申します。



▼なにせ荷物が無いのでこの日も着の身着のまま、サンディア国立研究所のあるアルバカーキから空路でデンバーへ戻り、そのデンバーから遙か西へ飛んで、シスコの街の灯りが見えてきました。
 シスコはアメリカの各地のなかでも、特に良く知っているところです。

 かつては毎年、シスコで開かれていたAGU ( アメリカ地球物理学連合 ) という世界最大、世界最高権威の地球物理学会に参加していたからです。
 青山千春・東京海洋大学教官だけではなく、わたしも審査に合格して Ocean Science 海洋科学分野で英語の口頭発表もおこないました。
 それが評価されて、翌年度以降になんと招待講演者にも選ばれました。わたしはアカデミズムの人間ではありませぬ。博士号も持っていないし、第一、どこの学会にも属していません。それに日本では「文系」の学歴に分類されます。
 AGUでは、そんなことはまったくカケラも関係ありませぬ。
 たったA4の紙1枚の英文で、どれぐらい自分の研究発表内容をアピールできるか。それだけが勝負で、口頭発表が許されるかどうかが決まります。
 その口頭発表を経て、招待講演者になったとき、日本のトップ大学の教授が、そこから引きずり降ろそうと裏工作をしたことをAGU関係者からのちに聴いて、呆れ果てました。
 この大学の先生方も、前述のシンプルな審査にどんどん落ちているから、「文系で、しかも学会にも属していない奴が口頭発表をできて、さらには招待講演者になるなど許せん」となったようです。
 AGUは全く相手にしなかったとのことです。

 わたしのAGUでのテーマはもちろん、日本の海洋資源です。
 国会議員になってしまうと、なかなか、行けません。

▼懐かしいシスコに着陸する直前、優秀な同行者がデジタルの追跡と連絡で、「議員、議員の荷物だけシスコに届いています。間違いありません」とスマホをぼくに見せて言いました。
 ぼくはとっさに、彼女の荷物のことを思いました。女性ですから、着るものは余計にたいへんです。化粧道具のこともあるでしょう。



▼歴戦の勇士 ? となった荷物と再会しました。
 中身に一切、異変はありませんでした。
  不幸中の幸いですね。



▼サンフランシスコから東へ向かったリヴァモア市に、ローレンス・リヴァモア国立研究所があります。
 こんな感じの乾ききった丘陵地帯にあるのです。

 ロスアラモス国立研究所、サンディア国立研究所、そしてこのローレンス・リヴァモア国立研究所の3つが並び立って、核セキュリティを含む安全保障の具体論をめぐる世界トップの拠点です。
 ひとつひとつの議論が非常に重いので、超が付く強行軍というだけではなく、日本の国会議員として、また安全保障など五分野の専門家として、よき議論をおこなう厳しい責任を感じて、かつ徹底的にリラックスして訪れました。

 ここも議論の中身は申せません。
 サンディア国立研究所とはまた違う、実地実験に取り組みつつの極めて高度な議論でした。



▼ローレンス・リヴァモア国立研究所も、サンディア国立研究所と同じように、まず入構証の発行所で入構証を受けてから本体へ向かうシステムです。
 出入り管理は共通して、超高度に厳重だということです。

 入構証が無事に発行されれば、ここは専用バスで本体や実験場に向かいます。



▼リヴァモア国立研究所での5時間に及んだ多分野の議論を無事に終えて、シスコへ戻る車中から、こんな景色が見えました。
 霧とかなんやらに邪魔されずに、こんな風に綺麗に揃って見えるのは珍しいです。

 ちいさくて申し訳ないですが、右の島が有名なアルカトラス、かつての監獄島です。
 左の大橋が、赤いけど名前は金色のゴールデン・ゲート・ブリッジですね。



▼これ、分かりますよね。
 いまやシスコの主役、完全自動運転のロボタクシーこと無人タクシーです。
 イーロン・マスクさんのテスラを凌駕して、グーグルのウェイモが多くなっています。
 ウェイモは車体に英国のジャガーを使ったのも正解ではないでしょうか。ジャガーはかつて「猫足」と言われたようなソフトな乗り心地ですから。

 テスラがカメラだけで走るのに対して、ウェイモは複合型なので、安全だと思っているシスコ市民が多数派だと関係者が仰っていました。
 テスラにはテスラの言い分があるとは思いますが。



▼運転席に誰もいないのが分かりますよね。
 これ、お客を拾って、本選に合流しようとしているところなのですが、その動きを見ている限りでは、みごとにスムーズです。
 いま、かなり拒否感の強いニューヨークでも、いずれ本格化するという話も聴きました。
 つまり東京にも、きっと必ずやって来るでしょう。
 そして日本には日本発のロボタクシーの技術と起業の芽もすでにあります。

▼労働者がロボットに駆逐される時代は、こうして、とっくに始まっています。
 若い外国人を入れて労働力不足を補おうという発想は、その外国人も日本人も、やがて確実に不幸にします。
 今は労働力不足、先は労働力不要、これが見えていて目の前の業界の要求に負けてしまう与野党の政治家は、本来の任務を果たしていません。



▼旅程の最後の夜に、大隅洋 ( おおすみ・よう ) サンフランシスコ総領事と愉しく議論しました。
 今回も各国で日本国外交官と意義ある議論をしてきました。
 締めくくりは、茶人としても歌人としても知られている大隅さんです。

 背景は、シスコのシンボリックな建物のひとつになっている日本国総領事館です。国民の財産です。日本外交の最前線のひとつでもあります。



▼総領事館の面々と、それから、わたしと連携して辛い旅程を乗り切った、しかも途中から荷物がついに喪われたままで戦った、ヘイワース美奈・独立総合研究所研究員です。右から2人目ですね。
 生粋の日本女子です。
 前職が世界的な航空会社のCAさんなので、時差にも気候変化にも高度変化にも強いのが助かります。
 ぼくはたまたま、そういうものをほとんど感じない体質ですが、同行者が倒れたりすると、任務を果たすのが一気に難しくなりますから。
 英語力も、精神力も、専門能力も、いずれも抜群です。



▼最後の夜も、原稿と、それから国内政局への対応で、きっちり徹夜となりました。
 シスコの夜が明けていきます。
 思うのは、苦しむ祖国のこと。
 戦う現場は、地球です。



▼そのまま夜が明けて、シスコの空から東京へ。
 成田に着いてから同行者も荷物と再会できました。旅程においては後の祭りでしたが、それでも喪われたままであるのとは大違いです。
 こゝろから、よかったです。



▼東京に着いたら、休まず、東京港に初寄港したノルウェー海軍のフリゲート艦を訪ねました。
 TOKYOの文字がうれしかった。

▼いつでもどこでも無償、無条件の発信をやめません。
「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の最新放送のここでは何を追及しているか。
 総理に対する真っ当な辞職要求を、オールドメディアが「旧安倍派の裏金議員の策謀」にすり替えていることです。
 わたしのどこが旧安倍派ですか。
 派閥がないだけではなく、献金もパーティも企業・団体支援も後援会も無いわたしに、裏金も何もありません。

 もうひとつのこの最新放送では、反日で鳴る韓国の新大統領を迎えての石破総理の外交について、問題を真っ直ぐに抉りました。

▼このエントリーは、8月30日土曜の未明に書き始めました。
 仕事のあいまに少しづつ書き続けて、ようやくアップできそうです。
 しかし気がつけば、もう8月31日に日付が変わっています。
 まもなく原稿に戻ります。

 夜が明ければ、京都へ向かって独立講演会です。4時間半、立ち放しでみんなと一緒に考えます。
 独立講演会は、当日に入っていただくことはできません。もう募集は締め切っています。
 いま募集している独立講演会は、9月27日土曜の東京開催です。
 これも〆切まで、あと3日と半日です。
 ここです。
 あるいはこのボタンを押して質問を書き込んでください。

▼そして今日は、『やさしく夜想の交叉する路』という新しい文庫本が、いよいよネット書店では入手していただける日です。
 たとえば、ここです。



▼三浦麻未・公設政策秘書が、サンプルとして届いたばかりの『やさしく夜想の交叉する路』を手にとってみてくれました。
 みんなのおかげで、発刊前に増刷となりました。
 本が売れない時代、日本文学が衰える時代、そして「セイジカの書いた本なんて」という偏見が強まる日本社会に、こうやって抗していきたいと考えています。





 
  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ

 

コメントは原則非公開です。それをご理解のうえ、投稿してください

名前
タイトル
メールアドレス
コメント
認証入力
画像認証 CAPTCHA Image 画像変更

※入力欄はすべて必須です。
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。

もう一度、コメントがすべて「原則非公開」であることを確認され、投稿ボタンを押してください。

  • ページのトップへ