2007-05-17 08:07:07
みどりが風にゆれる
▼きょうは、皐月(さつき)の17日木曜日。
大阪の定宿ホテルで朝5時ちょうどに、目を覚ました。
窓のそとでは、高いビルの足もとで、若葉が朝の風に揺れている。
水曜日に、レギュラー出演している報道番組「アンカー」(関西テレビ)に出て、いつものように「青山のニュースDEズバリ!」というコーナーで、ぼくなりに話した。
その翌朝だ。
ふだんは外交・安全保障の話題が多いけど、きのうは、国民投票法が成立したこともあって憲法と政界再編のかかわりを取りあげた。
「手続き法(国民投票法)という入り口で自民と民主がケンカしたから国会が憲法改正を発議することは遠のいた、という報道も多いのですが、ほんとうは、むしろそのケンカによって政界大再編、すなわち自民党と民主党という大政党がある現在の政治から、改憲新党と護憲新党がある政治へと変わっていく可能性が生まれています」
「そのために、最短では2011年に、国会がわたしたち国民に向かって憲法のいずれかの条項を改正したいと提案(発議)する可能性も高くなりそうです」
「憲法改正にも、国民投票法にも賛成、反対が当然、ありますね。しかし、とにかく国会ができることは、発議まで。最後は国民が決められるというのが、この国民投票法であることは間違いありません」
「みんなが、この国民国家の主人公ですから、国会からの発議がいずれありそうだと意識することによって、よーく、しっかりと考えておくようにしたいですね」という趣旨で話した。
▼生放送のあと、テレビ局のあるひと(インターネットなどを担当する若手幹部)から「ニュースDEズバリ!のコーナーを、ネット上の動画で見たいという要望が全国から寄せられている。青山さんは、かまいませんか?」という相談があった。
ぼくは即、「もちろん、かまいません!ぼくのところにも、要望の電子メールが来ていますし、有志が立ちあげられているミクシィのふたつのコミュニティでも、おなじ要望がたくさん書き込まれています。ぼくとしては、いつでも、動画アップを応援します」と答えた。
つまり、ぼくは自分の著作権よりも、視聴者が自由に動画を見られることを優先します、と意思表示した。
同席していた、局の別の幹部が「ほかの出演者の著作権もありますから、じっくり検討します」とおっしゃった。
ぼくはもちろん、ほかの出演者の考え方に干渉するようなことはしないし、できないので、そのお話を了承した。
▼それにしても最近、テレビ出演をやめたい気持ちが胸の奥でつのって、自分でもすこし困る。
理由の第一は、自分の出演がへたくそだから。
視聴者のかたがたや、テレビ局のひとびとの、さまざまな評価とはまた別に、ぼくなりに自分自身に求める基準というかレベルがあり、それに、なかなか達しない。
ぼくはテレビ出演が本業ではなく、ドシロートだから、そりゃ下手くそなのも、すこしはやむを得ないのかもしれないけど、テレビから発信する側がプロだろうが素人だろうが関係なく、視聴者という受け手の側は、眼にしたり耳にするわけだから、ドシロートといっても下手くそは決して許されないと思う。
それから、ほかにも、いくつか理由がある。
これらは、うまく言えない。
単に、ぼくのわがままと言えるのかもしれないし、客観的にみて、いくらかは、すこしだけは正当性があるのかもしれない。
ぼくを支えてくれている、独立総合研究所の若き秘書室長は、ぼくの胸の内を察するのだろう、「社長(不肖ながら、ぼくのこと)がテレビで話すことをやめちゃったら、視聴者は、ほかでこういう話は聞けなくなるんだなぁ、と思うんですよ」と、ときどき、ぽつりと言う。
「ぼくの話だけは決して聞きたくないというひとも多いと思うよ」と答えつつ、この若き秘書室長の顔を思わず、覗き込んでしまう。
ぼくの苦しみを、やっぱり、よく知っているんだなぁ、と。
▼もしも、ぼくがテレビで発言することをやめたら、これまでの発言をネット上の動画で見たいというひとは、増えるのかな、減るのかな。
やっぱり減るんだろうと、思う。
つまり、忘れられていく。
それも、また良きかな、と思う。
そのなかに、決して忘れないという少数のかたがいて、ぼくの書くものを探して読んでくださったりするのかもしれない。
それなら、うれしい。
▼とはいえ、今は、続けることの責任を感じている。
ぼくの発言への賛否や好き嫌いは別として、とにかく、それぞれの貴重な人生の時間を割いて視てくださる視聴者のかたがたへの責任、そして一生懸命に働いて、ぼくの下手くそ出演を支えてくれるスタッフたちへの、実はとっても深い感謝。
それは、しっかりと今朝も感じている。
だけどね、このブログは、ぼくの個人の思いを、ほんのすこしだけ吐露する場だから、胸の奥の本音も、ちらり。
※写真は、ドーハでロケしたときの、ひとこまです。
国際戦略会議のあいまに、スーク(市場)へ行き、水たばこを吸っています。
これがいきなり、いちご味だったから、ちょっと笑ってます。
左隣は、ドーハに同行してくれたルーキーのアナウンサー。彼女のひたむきな仕事ぶりをみていると、そうか、ぼくも頑張らなきゃね、と思いました。
それから、汗をかきかきカメラを回しているカメラマン、そのさらにうしろで、それぞれの責務を果たしているスタッフたち、やっぱり、彼らへのぼくなりの責任を感じますね。
若葉のころ、という日本語が大好きです。
世界よ、祖国よ、ぼくがいなくなったあとも、いつまでも若葉の芽吹く季節をすこやかに迎えよ。
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